第2話
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ダンジョンの前に着いた。今まで興味もなかったが、いざ目の前にするとちょっと高揚感が出てくる。今からダンジョン内に行くんだという恐怖感と少しの興奮が混じった気持ちで入る。
「ここがダンジョンか…普通の洞窟って感じだなぁ。ほんとに魔物とかいるのかなぁ」
ダンジョン内では体内に魔石と呼ばれる動力源を持つ魔物が存在する。姿は様々でスライムやゴブリン、機械だったり建物のようなものまで生物とは思えないようなものもいる。
ホロはキョロキョロ見回しながらダンジョン内を歩き出した。
「そういえば、武器とか…どうしよう。まあ、いいか。僕が死んでも悲しむような人は居ないしね。強いていえばフィリアに、雑用押し付けられなかったと悲しまれるくらいか」
ホロに家族はいなかった。物心付いた時には母親と二人暮らしで、その母親も中学に上がった際、金と家を残しどこかへ消えてしまった。
まあ、今となっちゃどうでもいいんだけどね。でも最初は家事とか全くわかんなくて困ったよなぁ。
「うわぁあ!」
そんなことを考えていたホロの目の前に小さい人型の影が現れる。よく見ると緑色の肌をしていてあまりにも細い体つきをしている。初心者冒険者の最初の関門、ゴブリンだった。
「ギャギャ!ギギギャー!」
ゴブリンは先手必勝とばかりにホロにおそいかかる。
「えぇ!僕素手だよ!どうしよう!とりあえず、ガード!」
殴りかかってきたゴブリンに対して僕は腕をクロスしてガードする。腕がジンジンして痛む。
「つぅ…でも、なんとか耐えたぞ。今度はこっちの番だ!ゴブリンやろう!」
「ギャー!ギッギッギ!」
またこっちに向かってくるゴブリンに対して僕も遠慮なしに拳を叩きつける。
「よしっあたった!僕の方がリーチ長い分先に届いたんだな!今のうちに!」
ホロは倒れたゴブリンの上に乗り、顔面をボコボコに殴る。ゴブリンは何とか反撃しようと手足をじたばたさせる。
「もう!動かないでよ!殴りづらいでしょ!」
理不尽なホロである。
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殴り始めて結構な時間が経った時だった。ゴブリンが弱り始めて、息も絶え絶えになりついには絶命した。
「お!やった!ようやく死んだみたいだ!」
ゴブリンの上から立ち上がり死体を確認する。
「魔石はどこにあるんだろう。やっぱり体内だよね。どうやって取り出そうか、素手では多分無理だよね……そういえばボールペン持ってるじゃん!突き刺してきっかけ作れば手で行けるかな」
戦闘中思い出せば良かったものを戦闘終了後に思い出すのがホロである。
「おっ、うまくいった!あとは魔石を見つけ出すだけだね。」
ゴブリンの体の中を手でまさぐるモンスターのようなホロである。どこにあるのかも分からない魔石を目で見ずに手だけで見つけるのは大変であり、相当な時間を要した。
「ようやく見つけたぁー…見つけたはいいけど、これどうしたらいいんだろう。」
ゴブリンに対する知識はあったが、魔石の位置、用途などには疎いホロであった。
「あと手もベタベタで気持ち悪いし、とりあえず帰るか。なんか、ダンジョンで命を散らすつもりできたのに戦闘でアドレナリンドバドバ出て興奮しちゃったよ」
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