第26話(^ω^)チャーハンつくるよ!
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 異世界転生したけど外出自粛で魔王城の外には出られないようです ■
■ 第26話 チャーハンつくるよ! ■
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔界の森 ■
(;*゜A゜)「……え?あれ?私、生きてる?」
(゜-゜;川「ふぅ、間一髪でしたね。姫様」
(;*゜A゜)「あれ、ヒョウちゃん。いつの間にこんなとこに?」
(゜-゜川「記憶にございませんか?姫様が側近の魔の手から逃れたところを、
私が保護したのですよ」
ここは魔王城から新宿-国分寺間ほど離れた森の中。空中に投げ出された(*゜A゜)を、(゜-゜川はしっかりとキャッチし、その身体に傷一つ付かないよう、抱きかかえながら森へと落下したのだ。
勿論、魔族は数千メートル程度の高さから落下したところで、ダメージを受けることはない。しかし、落下地点に生えている草や砂利で切り傷やら擦り傷を負う可能性は否定できない。氷魔大将軍はそれを恐れていたのだ。
(゜-゜川「……」
氷魔大将軍は姫をその手で抱きかかえたまま、舐めるように魔王の娘の身体を観察する。彼女の曇りなき眼の奥は、元老院の一員としての使命に燃えていた。
(゜-゜川(ウッヒョオオオアアア!姫様の素肌!柔ッ!柔っこ!
顔近っ!髪サラサラっ!ああっああ"ッあ!)
幸い、魔王の娘に被害は無かった。
(;*゜A゜)「あんな高い所からダイブするなんて、ヒョウちゃん勇気あるなぁ」
(゜-゜川「なにをおっしゃいますか!私は『元老院』の一人!
姫様を護る為には全力で命を投げ出す所存です!」
(;*゜A゜)「ああ……うん、ありがとう。自分の命は大事にしてや?」
(゜-゜川「勿体なきお言葉!」
(*゜A゜)「そう言えば、側近はんは?どうも様子がおかしかったけど」
(゜-゜川「様子がおかしい?」
(*゜A゜)は、氷魔大将軍に空中での側近の様子を話した。体内から異音がしていたこと、話が一部通じていなかったこと、目がイッていたことなどだ。
(゜-゜川はそれを訝しんだが、情報が少ないことと、今は姫を安全に連れ帰ることが最優先だとし、彼女を心配させないように優しく微笑んだ。
(゜-゜川「心配いりませんよ。側近のことは風魔大将軍に任せてあります。
私達は先に、魔王城に帰りましょうか」
(*゜A゜)「うん!」
(*゜A゜)「そういえば、さっきバーのおっちゃんが降ってきたんやけど。
アレは何?」
(゜-゜;川「あ、忘れてた……面倒臭いですが、回収してから帰りましょう」
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔界の森 ■
ガサガサ......
( ^ω^)「ここどこ?」
( ・∀・)「さぁ?魔界のどこかでしょうね」
一方その頃、(^ω^)と(・∀・)は、氷魔大将軍の作戦で投下された後、特に行く宛もなく森の中を徘徊していた。
(;^ω^)「まったく……パラシュートも無しに人間を空から落とすなんて、
あの人も何を考えてんだ」
( ・∀・)「魔界の住人は、この程度じゃ死なないんでしょうよ。
だからこんな無茶振りをさせるんですよ」
( ^ω^)「ってて……まぁ、俺達も生きてるんだけどね?」
( ・∀・)「貴方は一応死人ですし、私は獄卒ですからね」
( ・∀・)「さて、どうしたもんですかね。これから」
二人が森のくまさんを歌いながら歩いていると、森の中にぽつんと建てられた赤い看板の店を見つけた。
【中華料理 栄栄軒】
( ^ω^)「あ、こんな森の中に中華料理店がッ!」
( ・∀・)「あ、本当だ!わざとらしいほど中華料理店ライクな中華料理店が!」
( ^ω^)「ちょっとお腹減ったから、寄ってもいいかな?」
( ・∀・)「いいんじゃないですか?落下後のことは何も言われてないですし」
( ^ω^)「よっしゃ!ちわーっす!」
ガラララッ!(^ω^)が勢いよく戸を開けると、厨房の奥から店主と思しきコック帽を被った男性が現れた。
「チャーハンつくるよ!!」(・ω・´)
( ^ω^)「じゃあ、餃子2人前とニラレバ、番茄炒蛋」
( ・∀・)「あと生。2つね」
「チャーハン頼めよ!!」(・ω・´;)
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 中華料理 栄栄軒 ■
(*・∀・)「それで、魔女さんが、上空から飛び降りて姫を救いだせって
無茶を言うんですよ!ひどくないですかッ!?」
「たしかにそれは酷いな!それよりチャーハン食えッ!」(・ω・´)
(*^ω^)「俺達はさぁ、別に魔王軍とかじゃないのよ。訳あって魔王城に居候
してるだけでさぁ。それなのにさぁ。まぁ、よく分かんないんだけど。
分かる?」
「分かるワケねぇだろカス。それよりチャーハン!」(・ω・´)
少し時間が経ち、二人は完全に酔っぱらい、注文を取りに来た店主に管を巻くクソ迷惑な客に成り果てていた。
(*・∀・)「それよりも、大将はなんでこんな森の奥で店なんて開いてるの?
客なんて来ないでしょ、こんなところじゃ」
「あん?客なんて多くても面倒なだけだろ。
それよりも俺ぁチャーハン作りてぇんだ」(・ω・´)
「チャーハン作らせろ!」(・ω・´)
(*^ω^)「お!それじゃあピータンとエビチリお願い!」
(*・∀・)「あと生!」
「チャーハン食えっつってんだろッ!!」(・ω・´)
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔界の森 ■
(*゜A゜)「ふぅ、はぁ。おっちゃんたち、どこ居るんやろね?」
川゜-゜)「投下地点から推測するに、余り距離は離れてないはずです」
男どもが昼間から酒を浴びている頃、こちらの二人はそんな男共を探して深く険しい森の中を歩き回っていた。
その時、姫の腹からぐぅと威勢の良い音が鳴った。
川;゜-゜)「大丈夫ですかッ!?姫様ッ!」
氷魔大将軍は目を見開いて狼狽すると、彼女の腹部に手を当てた。
(*゜A゜)「そう言えば、お昼ごはんまだ食べてなかったなぁ」
(*゜A゜)「ま、こんくらい平気や平気。家帰れってから食えばええ。
それよりもまずはおっちゃんたち見つけんと」
川;゜-゜)「いえッ!姫様のご昼食が先決ですッ!男どもは死にはしません!」
(;*゜A゜)「えぇ……でもヒョウちゃんはなんか食べ物持ってるん?」
川;゜-゜)「ッ!!私としたことが、なんたる不覚ッ!」
頭を抱える彼女。しかし、その時彼女に電流走る──ッ
川゜-゜)「姫様、魔女の肉はお好 (*゜A゜)「あっ!あんなとこに中華料理店が!」
言葉を遮られた氷魔大将軍は、少し困り顔で姫を窘める。
川゜-゜)「ご冗談を……こんな森の中に飲食店など……」
川;゜-゜)「本当だ!郊外に見られるコンビニを居抜いた中華料理店がある!」
彼女が指差す先には、確かに赤い看板の中華料理屋がぽつんと建っていた。
(*゜A゜)「その説明はよう分からんけど、とりあえずあそこで腹ごしらえや!」
川゜-゜)「はい!」
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 中華料理 栄栄軒 ■
(*^ω^)「大将!この麻婆豆腐めっちゃ旨い!」
「ありがとな!まぁ、チャーハンの方が自信はあるがなッ!」(・ω・´)
(*・∀・)「大将!このビールめっちゃ旨い!」
「お前ぇさっきからビールばっかじゃねぇか!チャーハン飲め!」(・ω・´)
一向にチャーハンを頼まない酔っ払いに、どうにかしてチャーハンを注文させようと店主が四苦八苦していると、入り口の鈴がチリンとなった。
あーはいはい、ちょっと待ってね。そう言って彼が入り口にいくと、そこには若い女性と子どもの二人客がいた。
(*゜A゜)「大将!醤油ラーメンとからあげのランチセット一つ!」
川゜-゜)「私は天津飯と腰果鶏丁を」
「チャーハン頼めよッ!!」(・ω・´)
(*゜A゜)「?いや、醤油ラーメンにチャーハンは流石にウチ重いわ」
川゜-゜)「貴様!姫様の胃は営業職サラリーマンのように屈強ではないのだぞ!
炭水化物&炭水化物など耐えられるわけ無いだろう!」
「す、すまん。じゃあ、アンタがチャーハンを……」(・ω・´;)
川゜-゜)「私はいま天津飯の気分なんだ」
「ぐっ……分かりましたよ……」(・ω・´;)
川゜-゜)「サービスとか言って天津炒飯にしたらぶっ殺すからな」
「は、はは……そんなことしませんよ。お好きな席へどうぞ」(;`・ω・)
(*゜A゜)「テレビが近い席がいいな」
川゜-゜)「そうですね……おっと、他にも客が居るのか。
こんな辺鄙な場所でも需要は在るのだな」
姫に促され、氷魔大将軍は店内をぐるりと見る。すると、テレビにほど近い店奥のテーブル席に二人の客がいることに気がついた。
男たちはビール片手にテレビを見ながら、何やら楽しそうに会話をしていた。
川゜-゜)「全く……昼間から酒とは……」
「よしいけ!そこだ!」「あぁクソ!ジャボかぁッ!」(*^ω^)*・∀・)
川゜-゜)「……」
川゜-゜)「おい」
「はい?」「なんです?今いいとこ……」(^ω^*(・∀・*)
『あ』(^ω^*(・∀・*)
(*゜A゜)「あーーッ!おっちゃん!こんなところにおったんか!」
「お前こそなんでいるんや。側近に攫われとったやないかい」(^ω^*)
川゜-゜)「取り返したからだ。それより何故お前らがここに居るんだ?」
「まぁ、大体あなた達と同じ理由よ。お腹が空いてね」(^ω^*)
「腹空だけに、なんちって」(*・∀・)
「クソつまんねぇ」(^ω^*)
川゜-゜)「それで何故、そんなに顔が赤らんでいる?」
「おビール様のご利益ですかね」(・∀・*)
(*゜A゜)「おっちゃん、テレビ何見てるん?変えていい?」
「今ゾルゲバブの試合中継見てるからダメ」(^ω^*)
川゜-゜)「……」
「まぁ、色々話すことはあると思いますが、とりあえず氷魔大将軍さんも
一緒に座りましょうよ。ここの料理、めちゃくちゃ美味しいですよ」(・∀・*)
この男ども、どうしてしまおうか、彼女は眉間に皺を寄せて一考したが、彼らのバカバカしい姿を見たら、どうでも良くなってきた。
川゜-゜)「ああ、そうだな」
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔界の森 ■
从#'-'从「待て!側近さん!」
「待てと言われて待つ奴ァいない!」(;・∀゜)
さらにさらに一方、空中で無敵の从'-'从から逃れるため、( ・∀゜)は森へ降り、木の陰を伝うように逃げ回っていた。
(クソっ……このままじゃ追いつかれるのも時間の問題か)(;・∀゜)
(どこか、隠れられる場所を見つけなければ)(;・∀゜)
■ 中華料理 栄栄軒 ■
(……ッ!あの看板はッ!?)(;・∀゜)
中華料理店に向かってそろりそろりと移動する側近、その真上には、翼を広げ、ホバリングしながら森を見下ろす風魔大将軍がいた。
从'-'从 (流石に木の陰に隠れられたら、空から見つけるのは難しいね)
从'-'从 (かといって、うかつに攻撃して姫様に当たったらいけないし……)
誰よりも真面目に職務を全うしようとする彼女は、ふと自らの足下に一軒の中華料理店を見つけた。
从;'-'从 (ん?なんでこんな森の中に中華料理店が?……怪しい)
从;'-'从 (あ、あの人影は側近さんだ!)
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 中華料理 栄栄軒 ■
ガララララッ!戸、開く。側近叫ぶ。
( ・∀゜)「大将!ガパオライス一丁!ナンプラー抜きで!」
「死ねッ!!」(・ω・´)
(;・∀゜)「えッ!?」
大将からのカウンターを食らって側近が硬直していると、背後からガラス戸が割られる甲高い音が店内に響く。
从 '-'从「魔界四天王四十八手の四!『体当たり』!」「え」( ・∀゜)
刹那、風魔大将軍の体当たりをモロに食らった側近の身体は、まるでダンプカーに撥ねられたように店内を舞う。
( ・∀゜)「ッ!ごプッ!」
血を吐いて床に倒れ込む彼の背中を踏み、彼女は叫んだ。
从;'-'从「これでもう逃げられないよ!」
(;-∀゜)「……く、そ……こんな……ところ、で」
側近は反抗するように身体を震わせていたが、やがて力なく頭を垂れた。
( -∀-) シャットダウン中......
从;'-'从「ふう。これで私の任務も終わりだね」
額に滲んだ汗を拭いながら笑顔を漏らす風魔大将軍。しかし、そんな彼女の肩をだれかが優しく叩いた。
从'-' 从「ん?だれ?」
「……おい、ハーピィの嬢ちゃんよ」(・ω・´)
そこには、鬼の形相となった対象の姿がッ!
从;'-'从「え?何?なんですか?」
「店の入り口、どうしてくれんだい?」(・ω・´)
彼が指差す先には、たった今彼女がぶち壊したガラス戸の破片が散らばっていた。
从;'-'从「……あ、それは、えと、後で弁償します。すいません」
余談ではあるが、他人の物を壊したら謝らねばならない。これは魔界でも同じである。
「うん。まぁそれはそれでもいいけどよ、飲食店に入って
何も注文しねぇってのは、ちっとマナー違反じゃないか?」(・ω・´)
从;'-'从「あ、そうですね。じゃあ、ついでに食べていきます」
「うんうん、そうこなくっちゃ。ちなみにオススメはチャーハンだ!」(・ω・´)
从'-'从「ごま団子とホット烏龍茶で」
「なんで誰も頑なにチャーハン頼まねぇんだよ!」(・ω・´;)
「おいおい、さっきから騒がしいな。今ゾルゲバブが良いところ……」(^ω^*)
「あ」(^ω^*)
从;'-'从「あ」
「あ?」(・ω・´;)
26 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/11/03 (火) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 中華料理 栄栄軒─厨房 ■
(・ω・´;)「ったく……迷惑な団体客だな。入り口のガラスは割るし、
店内で暴力沙汰は起こすし、チャンネル勝手に変えるし、
チャーハンは一向に頼まねぇし……」
大将が愚痴を溢しながら烏龍茶を淹れていると、再び入り口の鈴が鳴った。なんだ、今日はやけに客の入りが良いな……彼は心の中でため息を吐きながら、来客に対応する為、厨房を出た。
「あの……入り口が全壊してますけど……」( ω ;)
その客は深くフードを被った一人客だった。オモテのガラスが全て割られていることに戸惑いながら、彼は店主に声をかけてきた
(`・ω・)「らっしゃい!すみませんね、さっきちょっと男女のゴタゴタが
あってね!明日には治るよ!」
「あ、そうですか。物騒な世の中ですね」( ω ;)
(`・ω・)「全くだよ!それでお客さん、ご注文はチャーハンでいいかいッ!?」
「あ、ああ。チャーハン一丁」( ω )
「チャーシュー抜きでな」(゜ω゜)
(`・ω・)「……ッ!!お客さん、それは……っ」
→続く
無事、魔王の娘を奪還し、森の中華料理店に結集した一同ッ!
だが、油断は禁物、家に帰るまでがなんとやら!
そして、再度現れたまんじろう氏の奇妙な注文の意味とはッ!?
次回、(^ω^)「中華料理店のランチセットと単品の値段の差は異常」




