第23話(^ω^)ガルシア
23 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/10/24 (土) 21:00:00.00 ID:1399336
──それは、1ヶ月ほど前に遡る。
23 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/10/24 (土) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔王城─地下牢 ■
「だからですね!私はもっと日に当たりたいんですよ!」(・∀・#)
('A`)「だったらこんな地下牢に居ないで外出ろ、外」
「そう言うこっちゃないですよ!比喩ですよ比喩!」(・∀・#)
( ^ω^)「何?また個性が欲しいとか、そんな話?」
( ^ω^)「正直、そんな何回もする話じゃ無いんだよね」
「何回もする話です!私が目立てるまでなァッ!」(・∀・#)
「大体、今回の話もおかしいですよ!」(・∀・#)
('A`)「なにが?どの回の話だ?」
「なんで四天王がマカイノリゾートのエリア統括に任命されたのに、
私にはなんにも無いんですか!?」(・∀・#)
('A`)「いや、あるじゃん。リゾート中央管理部の副部長って役職が」
「管理部の部長が魔王様なんだから、
今と何にも変わってないじゃないですか!」(・∀・#)
('A`)「そうだっけ?」
「それに私がやりたいのは、管理なんて面倒臭いことじゃなくて
なんかこう華やかっていうか、花形っていうか、なんていうか
つまりそんな感じのことなんですよ!」(・∀・#)
('A`)「つまりどんな感じなんだ?」
( ^ω^)「側近さん、トップに立ったことがないから、
トップに求められることが分からないみたいですね」
「ドチクショオオオオッ!!」(・∀・#)
彼は奇声を発しながら、ラッキョウを口へ放り込んだ。何度も、何個も。バリバリ!バリバリ!ラッキョウを噛み砕く音がバーボンハウスに木霊する。
(;'A`);^ω^)「……」
そんな彼の姿を横目に見ると、('A`)と(^ω^)の二人は呼応するようにため息を吐いた。元々、個性が薄いことを気にしては居たのだが、最近の彼はどんどん不安定になっている。
さて、今日はどうやって宥めようか。二人が小首をかしげていると、不意にバーボンハウスの扉が開いた。
「やはり、ここに居られましたか。魔王様」(ФωФ )
( ^ω^)「おっ……いらっしゃいませ。えぇと、貴方は……」
('A`)「ガルシア大臣じゃないか、どうして俺がここに居ると?」
「私の部下が、魔王様はこのバーがお気に入りだと言ってましてね」(ФωФ )
('A`)「それで、何の用だ?」
「バーに来るのに、酒を楽しむ以外の理由が?」(ФωФ )
('A`)「馬鹿を言え。お前、下戸だろ」
「……」( ФωФ)
「こんな時でもラッキョウだけは旨い!」(・∀・ )
ガルシアと呼ばれた男は少し黙っていたが、やがて声を上げて笑い出した。
「はっは!私が下戸だと知っているとは、やはり魔王様でしたか!」(ФωФ )
('A`)「全く。人を試すような物言いは、お前のような年寄りの悪い癖だ」
「ほほ。歳を取ると疑り深くなっていけませんな」(ФωФ )
彼は魔王の隣のカウンター席に腰をおろした。
('A`)「んで?結局は何の話だ?」
「人間界の話です」(ФωФ )
('A`)「なんだ、また勇者か?」
「まぁ、勇者もまた送り出されたようですがね。
しかし、それだけではわざわざ魔王城まで来ませんよ」(ФωФ )
('A`)「じゃあ、なに?」
「最近、聖域の境界付近で人間の軍が不審な動きを見せています」(ФωФ )
('A`)「なるほど」
魔王はロックグラスを傾けてウイスキ-を一口味わうと、ゆっくりと口を開いた。
('A`)「まぁ、とりあえず飲み物でも頼んだらどうだ?
下戸だろうと何だろうと、ここは酒場だ」
( ^ω^)「お気遣いなく」
「おっと。これは済まないことをした」(ФωФ )
「ではジンジャーエールでも貰おうか」(ФωФ )
( ^ω^)「辛口と……最近入荷した"ドライ"の2種類ございますが」
「ふむ……そうだね」(ФωФ )
「では、ドライを頂こう」(ФωФ )
23 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/10/24 (土) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 異世界転生したけど外出自粛で魔王城の外には出られないようです ■
■ 第23話 ガルシア ■
23 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/10/24 (土) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔王城─地下牢 ■
( ・∀・)「よっしゃあッ!リーチ!」
「ロン!国士無双!」('A`)
「ロン!字一色七対子!」(ФωФ )
「ロン!野比家!」(^ω^ )
(#・∀・)「誰だドンジャラやってる奴ァ!!」
2時間後、魔王と大臣の密会も程々に、彼らはテーブルゲームに興じていた。
( ・∀・)「よっしゃあッッ!フルハウス!」
「なんの!フォーカード!」('A`)
「これでどうだ!ストレートフラッシュ!」(ФωФ )
「8切って、3456の階段で上がりだァ!」(^ω^ )
(#・∀・)「ただのブタじゃねぇか!!」
しかし、楽しい時間とは得てしてジェット機並のスピードで過ぎ去るものだ。
('A`)「側近もまだまだだな」←1位 (94,000pt)
( ФωФ)「もう少し余裕と遊びを覚えた方が良いぞ?」←2位 (89,000pt)
(;・∀・)「はぁ……そうですね。精進します……」
(^ω^ )「人生楽しんだモン勝ちだぜ?」←最下位 (0pt)
(#・∀・)「お前は断トツで負けてんだよ!」←3位 (17,000pt)
(ФωФ )「ほっほ……いやぁ久しぶりに騒いだ騒いだ。
なかなか良い雰囲気ですな、この酒場は。若い頃を思い出す。
魔王様が入り浸るのも少し分かった気がしますぞ」
(;'A`)「入り浸りってほどでもねぇよ……今はもう家族も居るしな」
(ФωФ )「ほっほっほ。いや、軽い冗談ですよ……さて」
( ФωФ)「私はそろそろお暇させてもらいますかね」
彼はおもむろに席を立った。
(^ω^ )「どうも、ありがとうございます。お代は魔王が払うそうなんで」
( ФωФ)「なんと。この歳で魔王様にご馳走になるなどありがたいことですな」
('A`)「気にすんな。今日はバーテンがゲームに負けたから無料だ」
(^ω^ )「んなサービスがあってたまるか」
( ・∀・)「あ、ガルシア様が帰るなら私もご一緒しますよ」
「なんだ?年寄りに親切にしてお小遣いでもせびる気かね?」(ФωФ )
「そんなことありませんよ……」(;・∀・)
「ほっほっほ。冗談だよ、冗談」( ФωФ)
バーボンハウスを出ていく二人。その後ろ姿を、('A`)と(^ω^)が神妙な顔つきで見つめる。
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……行ったか?」
( ^ω^)「……ああ」
('A`)「……ったく。今日に限って邪魔者が入ってくるとはな……」
( ^ω^)「まぁまぁ、無事、こうして二人きりになれたんだ。いいじゃないか」
二人は彼らが出ていったことを確認すると、入り口の鉄扉の鍵をカチャリと締めた。
( ^ω^)「さぁッ!今宵もやって参りました青春画祭!」
彼がそう叫ぶと、地下室の照明が切れて真っ暗になり、天井からスクリーンがゆっくり通りてくる。
('A`)「ちょwwwブルーフィルムとか死語だろwww」
( ^ω^)「うるせぇwwwこちとら裏ルートでこっそり輸入しとるんじゃwww
文句言うなら見せんぞwww」
そう、彼らは夜な夜な集まっては、全国から蒐集したアダルティな映像資料の鑑賞会を開いていたのである。
('A`)「そういうのいいからwww今日のメインディッシュは何www?」
( ^ω^)「聞いて驚けwww見て笑えwww
取り出したるは、最新トレンド『スライム娘』!」
('A`)「いいねぇ!序盤のモンスターだけど性癖的には魔王城クラス!
今宵はどんな特殊プレイを魅せてくれるのかなwww?」
( ^ω^)「スライム娘www深夜の土瓶蒸しプレイwww」
('A`)「ちょwwwテラ特殊www誰が見るねんそれwww」
表面上は笑いながらも、彼らの目は真剣そのものだった。それは生と死の狭間を生き抜く獣の目だ。そう、彼らは決して遊びでDVDを見ているのではない。
──それは、冒険に似ている。
魔王はそのように語った。
('A`)「たしかに、そこに性欲が絡んでいないと言えば、ウソになります」
('A`)「しかし、ソレ以上に僕たちを突き動かすもの……それは好奇心だと、
思うんですよ。知識欲、とも言いますかね」
('A`)「僕は常に"果て"を求めている。
これらの映像資料は、最果てを求めて旅をした僕の"足跡"……
そう言っても過言ではない」
('A`)「しかしですね。"果て"なんてものは、実は存在しないんです。
世界には……いや、僕たちには限界なんて無いんです。
僕たちが歩けば、それだけ世界が広がるです」
('A`)「それがAVなんです」
目を輝かせながら、そのように言い切る魔王。その目に、その顔に、その下半身に、燃え上がる固い意志を秘めながら。
後日、偶然にも青春画祭の開催現場を目撃した妃の手によって地下室が阿鼻叫喚に包まれたのは、また別の話である。
23 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/10/24 (土) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔王城─地下牢に続く階段 ■
馬鹿二人がAV鑑賞に勤しんでいる一方、コツコツと人気の無い階段を上がる二人。
(・∀・ )「……」
(ФωФ )「……」
(・∀・ )「誰も居ないようですね」
(ФωФ )「うむ」
(ФωФ )「お主も誰にも見られていない方が嬉しかろう?」
(・∀・ )「残念でしたね。バーに邪魔者が居て」
( ФωФ)「……気付いておったか。流石は側近殿」
(・∀・ )「あれだけ殺気がダダ漏れだったら、幼い姫様ですら気づきますよ」
( ФωФ)「魔王は気付いて居られぬ様子だったがな?」
(・∀・ )「そりゃ、貴方程度の不意打ちでは、魔王様に傷一つ付けられませんからね」
(ФωФ )「奢っておるのう……気に食わんな」
(・∀・ )「『上に立つ者は常に奢るべき』と魔王様は言っていますからね」
(ФωФ;)「……」
(・∀・ )「……?」
( ФωФ)「……側近殿。"我々"と手を組まんか?」
(・∀・ )「断らせて頂きます」
(ФωФ )「即答か。連れないのう……あぁ、そう言えば」
老人は一呼吸置いて、
(ФωФ)「お主、個性が無いと日頃から嘆いているそうだの」
(・∀・)「ええ。それが、なにか?」
( ФωФ)「我々の計画に加わるのなら、お主には花形の役を用意してやろう」
(・∀・ )「……」
(・∀・ )「…………」
(・∀・ )「………………そんなもので、私が靡くとでも?」
( ФωФ)「……ああ」
(・∀・ )「……残念ですが……非常に、残念ですが……」
( ФωФ)「交渉決裂か……残念だ」
彼は失望したようにため息を吐くと、素早く口を動かした。するとどこからだろう、彼の右手に鈍色に輝く刀が出現し、おおよそ老人とは思えぬ流麗な動きで側近に斬りかかる。
しかし、いくら無個性と言えど、側近は魔王の右手である。彼は咄嗟に身を翻して彼の攻撃を躱しつつ、ガルシアよりも高い位置へと移動した。
「……ガルシア様。刀をお納め下さい。城中です」(・∀・ )
「それに、御老体に妖刀は堪えるでしょう?」(・∀・ )
( ФωФ)「私が一線を退いた老兵だからと、甘く見てもらっては困るな……」
(#ФωФ)「この土塊人形ごときが……ッ!」
側近の言葉がよほど癪に障ったのか、彼は刀を握る手に力を込める。刀は赤紫の妖しいオーラを放つ。
「……」(・∀・ )
(やっべ、私死ぬかも……)(・∀・ )
→続く
なにやらシリアスな雰囲気が漂う展開にッ!!
魔界の重鎮ガルシアの真の目的とは!?
"我々"とは一体!?
次回、(^ω^)「側近即落ち2コマ」




