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第18話(^ω^)「カンサの男」

18 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/07(月) 23:10:00.00 ID:1399336



■ 地獄-魔界行き特急カシャ車内■



( ・∀・)『私の名前は片原有蔵(かたはらうぞう)。地獄管理本部から来ました』



     [私の名前は腹空無臓(はらからむぞう)。同じく地獄管理本部から来ました] (・∀・ )



( ・∀・)『ん?画面の前の君、私達の顔を知っているような表情だな?

      君は私達を知らないはずだが』



[片原さん、それは私達の顔がどこにでも居るような顔だからでは?] (・∀・ )



( ・∀・)『はっはっは。此奴め。言いおるわ』



( ・∀・)『……』



( ・∀・)『それ本気で言ってる?』



         [僕と片原さんだって殆ど同じ顔じゃないですか] (・∀・ )



( ・∀・)『そうか?私の方が少しシュッとしてるだろ』



   [鏡で自分を見る時って、若干補正かかっているらしいですよ] (・∀・ )



( ・∀・)『えっ?そうなの?』



           [ええ。だから、片原さんの顔は中の中です] (・∀・ )



( ・∀・)『……』



( ・∀・)『……いや、せめて中の上■ 異世界転生したけど外出自粛で魔王城の外には出られないようです ■


        ■ 第18話 カンサの男  ■     






18 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/07(月) 23:10:00.00 ID:1399336





■ 魔王城─玉座の間 ■



(´∀` )「魔王様!地獄よりの使者が参りました!」



  ('A`)「うむ。通せ」



(´∀` )「はは!」



(・∀・ )「魔王様。今日は確か……」



  ('A`)「ああ。地獄管理部の査察の日だ」



(・∀・ )「と、言うことは……」



 側近が言葉を言い終える前に、玉座の間の扉が勢いよく開き、夕暮れの河川敷を思わせる安いアコースティックギターの音が響いた。



  ('A`;)「この音楽は……ついに来たか」



                  『シャララ-シャララーラ♪』(・∀・ )



             [シャ、シャラララ-シャララララ-♪] (・∀・;)




『これはこれは魔王殿、只今参上しました。地獄管理本部の片原です』(・∀・ )



  (;'A`)「うむ。はるばるご苦労であった。しかし毎度独特な参上だな。

       その曲は何だ?」



               『地獄よりの使者のテーマソングです。

                地獄の伝統ですのでご理解下さい』(・∀・ )



  (;'A`)「まぁ……それは別に構わんが。

       ところで、一つ訊きたいことがあるのだが、よいかな?」



  『ほう!魔王殿が私めにご質問など珍しい!なんでしょうか!?』(・∀・ )



  ('A`)「なんで今日は分身魔法使ってんの?」



                   [……]『……』(・∀・ )(・∀・ )



                            [……](・∀・ )



         [いや!私は片原さんの分身じゃありませんよ!] (・∀・;)



  (;'A`)「えっ?そうなの?見分けつかないくらいそっくりなんだけど……

       じゃあ、君らって双子?」



         『赤の他人です。申し遅れました、彼は今年から

           管理本部に配属された新人の腹空と言います』(・∀・ )



             [腹空無臓です。よろしくお願いします] (・∀・;)



  (;'A`)「名前も似てんだな……しかし、厄介なことになったな。

       側近と片原さんだけでも殆ど見分けつかないのに……」



(・∀・;)「たしかに……自分も、まるで鏡を見ているような錯覚に陥ってます」



        『ほっほっほ!それなら問題ありません!魔王殿の

         下に馳せ参じる道中、腹空と全く同じ会話になり、

         その中で私達を見分ける策を編み出したのです!』(・∀・ )



  ('A`)「ほう!して、その策とは如何に!?」



             『腹空の方がちょっと肌が黒いんですよ』(・∀・ )



    [趣味がボルダリングなんですけど、ジムが駅から遠いので、

                    今年の夏少し焼けました] (・∀・ )



  ('A`)「……え?まじで……どれどれ……?」



  ('A`)「……」



                   [……]『……』(・∀・ )(・∀・ )



  (;'A`)「……全く同じじゃねぇか!」



     『考えるのではなく、感じるのが大切ですですよ。魔王殿』(・∀・ )


(;・∀・)「それにその話だと、

      私とアナタ方の見分けは結局つかないじゃあないですか!」



        『あ、側近さんのことは忘れてました。すいません』(・∀・ )



(;・∀・)「チクショオオオッ!!!」



 玉座の間に響き渡る側近の絶叫。しかし、それに反応する者は誰一人として居らず、気まずい空気が空間を支配した。


 そんな中全く空気を読まずに口を開いたのは、片原であった。



       『……さて、ひとオチついたところで本題ですが……』(・∀・ )



  (;'A`)「ついてない、ついてない。めちゃくちゃ浮いたままだよ。

       妙な浮遊感が空間を包んでるよ」



           『お!それは落ちるのに2000年かかるという

            阿鼻地獄とかけた地獄ジョークですか!?

              よよッ!魔王殿は冗談もお上手で!』(・∀・ )



  (;'A`)「……」



(;・∀・)「……」



                『……あれ、どうなさいました?』(・∀・ )



                   [地獄のような空気だ……](・∀・;)





18 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/07(月) 23:10:00.00 ID:1399336




■ 魔王城─玉座の間 ■



 さて、そんな地獄みたいな凍り付いた空気もやがて氷解し、片原と腹空の査察が始まった。査察と言っても、二人は既に魔王城の視察を終えており、残るは魔王の作った報告書の検証と評価のみであった。ちなみに、この報告書は前日に魔王が側近に30分で作らせたものであり、側近が去年の報告書をほぼコピペして作ったものでもある。



                『ふむふむ……なるほどなるほど』(・∀・ )



   [前回の報告から、魔界の状況に大きな変化は無いようですね](・∀・ )



  ('A`)「そうだな。時々、神の名を掲げた勇者が攻めてくるが、

      全て撃退している」



[まぁ、あちらさんからしたら、我々は目の上のたんこぶでしょうね](・∀・ )



  ('A`)「まぁ、だとしても、この世界では勝者が全てだ」



        『なるほど。それはまぁ良いでしょう。しかし……』(・∀・ )



  『懸衣翁(けんねおう)に依ると、今日までに2名、

   三途の川より魔界へ落ちたと報告が上がっているのですが……』(・∀・ )



  (;'A`)「あ」ギクッ



         『何故、魔王城で保護している転生者の名簿には、

             1名分しか記載が無いんでしょうねぇ?』(・∀・ )



  (;'A`)「そ、それは……あの……話すと長くなるというか?」



      『ふむ……「逃げられた」という五文字を口にするのは、

             無学の私からすれば一瞬に思えますが?』(・∀・ )



         [え?片原さん魔王殿になんて口を……ッ!!?](・∀・;)



  (;'A`)「あ、はい。すいません。逃げられました」



                         [弱ッ!!?](・∀・;)



             『魔王殿。これまでに魔王城から何人の

             転生者が逃げたか、知っておりますか?』(・∀・ )



  (;'A`)「えっ……と……10人くらい?」



                        『999人です』(・∀・ )



  (;'A`)「えっ!?そんなに!?スリーナイン!?」



(;・∀・)「絶対そんなに逃してませんよ!

      そもそも、そんなに転生者来ないですし!」



        『失敬。これは古代からの累計逃亡者数でした。

         現魔王殿になってからの逃亡者は……36人ですね』(・∀・ )



  (;'A`)「……なんだ、そんなに多くないじゃん」



      『何を仰る!記録がある2750年前から数えたら、

       貴方の在位期間内の逃亡転生者が一番多いのですよ!』(・∀・ )



    『転生者は元々、閻魔大王様の裁きの後、六道を転生する

    はずの魂なのです!その魂がこの外道の世界に居ることが

    そもそも大問題!このままでは内と外のバランスが崩れて、

    宇宙の崩壊が起きる可能性だって無きにもあらずなのです!』(・∀・ )



  (;'A`)「いや、それは何回も聞いたが……しかし、たかが999人だろ?

       全世界の生命の総数からすれば、ほんの少しじゃないか」



 しかし、魔王が楽観的な言葉を口にした瞬間、般若となった片原が吠えるッ!!!



     『かぁ!分かってません!全く分かってませんよ魔王殿!』(・∀・#)



    『確かに、一人の転生者は大岩に垂れる水一滴でしかない!

     ですが、水滴が何千・何万と大岩を打てば、いつしか必ず、

     岩を穿つ時が来てしまうのです!今日明日の問題ではなく、

     これは遥か未来に繋がる問題なのです!分かりますか!?』(・∀・#)



  (;'A`)「ア、はい……良く考えずに口にしてすいませんでした……」



 ビビり散らして謝罪する魔王に、しかし片原まるで仏のように優しく微笑んだ。



   『……しかし今回の件については、こちらにも非があります』(・∀・ )



  (;'A`)「え?……あ、それって天部が混乱してるっていう……?」



 『ええ。それに地獄も混乱してます。今年は久々に死者が多くて……

  私もいろいろな部署の手伝いに駆り出されて、てんやわんやです』(・∀・ )



『その影響で三途の川の渡し船の監視がおざなりになっていたことも

 確かですし、魔王殿だけを責めるのは不義でしょう。それに貴方の

 ご病気の件も存じ上げております故……いえ、何卒ご自愛ください』(・∀・ )



  (;'A`)「あぁ、はは……どうも……お気遣いなく……」



       『なので!不肖私め、これ以上逃亡転生者が出ぬよう、

                     策を考えてきました!』(・∀・ )



  ('A`)「おお!それは心強い!して、その策とは如何に!?」



              『私と腹空が、魔王城に駐在します!』(・∀・ )



  (;'A`)「え"ッ!?」



(;・∀・)「えッ!?」



      [えええええええッ!?初耳なんですけどぉぉッ!!?](・∀・;)



     『うん、だって初めて言ったし……大丈夫、問題はない。

      閻魔大王様にはもう話してあるし、快諾してくれたから』(・∀・ )



            [いや、僕だって色々準備が必要ですし!](・∀・;)



            『大丈夫だ。何も今すぐという訳ではない。

                 ちゃんと準備期間は設けてある』(・∀・ )



             [あぁそれなら……で、何ヶ月後ですか?

              まさか一ヶ月後とか言いませんよね?](・∀・;)



                           『3日後』(・∀・ )



                [F*CKING HELL!!!](・∀・#)



 怒りと悲しみに震える腹空の叫喚が、魔王城にこだました。


 新卒一年目、腹空内臓、魔王城に転勤決定。





18 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/07(月) 23:10:00.00 ID:1399336



 それから、3日の時が流れた……



■ 魔王城─地下牢(バーボンハウス) ■



 『という訳で今日から世話になります。地獄よりの使者の片原です。

  おっと、こちらつまらないものですが、地元で作ってるお酒です。

  燗が合うお酒ですので、お時間のある時にお楽しみ頂ければ……』(・∀・ )



                       [地獄に帰りたい](;∀; )



                      「僕のキャラが……」(;∀; )



( ^ω^)「……なんで側近さんが分身してんの?」



                     「どうしてこうなった……」('A`)




→つづく



 魔王にも臆さぬ地獄の使者、片原!

 

 部下の腹空を引き連れ、なし崩し的に魔王城への駐在が決定!


 こんなに同じ顔のキャラ増やしてどうなんだよ!!



次回、(^ω^)「僕が僕であるために」


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