第16話(^ω^)転生者がやってきたYAHYAHYAH! 迷いの森編
16 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/02(水) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 魔界─森 ■
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……あのさ」
(・ω・ ) 「ん?」
( ^ω^)「『パジャマでどこまで外出できるか』みたいな質問あるじゃん?」
(・ω・ ) 「あぁ、ありますね。僕は近くのコンビニくらいが限界かな」
( ^ω^)「俺さ、一回こういう深い森まで、パジャマで来たことがあってさ」
(・ω・;) 「えっ?こんなところに?なんで?」
( ^ω^)「昔、肝試しっつって夜中に叩き起こされて、森の奥にある廃病院
まで行ったんだよ」
(・ω・;) 「えぇ……よく行けますね、廃病院なんて……めっちゃ怖い」
(・ω・;) 「それで、どうです?幽霊とか出たんですか?」
( ^ω^)「いや、別に。幽霊どころか暴走族も浮浪者も居なかったわ」
(・ω・;) 「あ~よかった。でも、そんなもんですよね肝試しなんて」
( ^ω^)「まぁね。んで、その後ラーメン屋行ったの」
(・ω・;) 「パジャマでラーメン屋ですかっ!?キツくないっすか?」
( ^ω^)「誰も見てないって、深夜のラーメン屋で他の客なんて」
( ^ω^)「店の外まで豚骨がプンップンに匂ってきてる、ゴリッゴリに
濃厚な横浜家系の奴ね。濃いぃくて固いやつ」
(・ω・;) 「パジャマに豚骨が染み付きませんソレ!?」
( ^ω^)「朝、寝る時めっちゃ臭かったわ」
(・ω・;) 「うわッ……廃病院よりそっちのほうがキツイっすね」
( ^ω^)「うん」
(・ω・;) 「……」
( ^ω^)「……」
(・ω・;) 「なんで今、そんな話を?」
( ^ω^)「この森抜け出して、ラーメン食いたいなって」
(・ω・ ) 「魔界にラーメンってあるんですか?」
( ^ω^)「あるある。魔王とか、酒の〆はやっぱり博多ラーメンだとか
よく言ってるし」
(・ω・ ) 「へぇ~……」
( ^ω^)「……ここ、どこだろうね?」
(・ω・ ) 「さぁ……」
16 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/02(水) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 異世界転生したけど外出自粛で魔王城の外には出られないようです ■
■ 第16話 転生者がやってきたYAHYAHYAH! ■
■ 迷いの森編 ■
16 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/02(水) 21:00:00.00 ID:1399336
■3行で理解る簡単なあらすじ
①(^ω^)(・ω・)は魔王城を抜け出したようです。
②抜け出した先は森になっていて、見事に迷ってしまったようです。
③以上。
■ 魔界─迷いの森 ■
( ^ω^)「俺、さっきは『すぐに城に戻る』とか言ってたけどさ……」
(・ω・ ) 「戻れないんじゃないですか?」
(;^ω^)「そんなバッサリ言うなよ」
(・ω・ ) 「別に良いじゃないですか。彼らがやっぱり嘘を吐いていたことが
分かったんですから。世界が崩壊しないって分かったことだし、
もう一緒に旅に出ましょうよ」
転生者の言葉に、(^ω^)は自分の足元を見た。確かに彼の言う通り、魔王城の外に出ても世界は崩壊しなかったし、地面が毒沼になった訳でもない。拍子抜けな結果である。
(;^ω^)「まぁでも、俺は城に……」
その時だった。生暖かい不穏な風が木々を揺らし、不気味な遠吠えが森に響いた。
(・ω・;) 「犬?オオカミ?……何の鳴き声だ?」
(;^ω^)「まぁ、森なら動物くらい居るだろうけど……なんか怖いな……」
二人が身を寄せて、道の真ん中で固まっていると、暗闇の奥からガサガサッと何かが葉を揺らす音がした。(^ω^)は思わず、音のする方に懐中電灯を向ける。
「グルるるるるrrr」
「Emdellik sahreh tomym, Emgnitae sireh tafym」
「Elbat eht rednutis sretsis dna srehtorbym」
「Senots elbram dloceht rednumeht yrub pugnik cip」
異形の化け物だった。それも、数体。
(;^ω^)「ひぎゃああああ!!醜い脂肪に覆われた桃色の皮膚に、数十本の
触手、熊のような剛毛と鋭い爪を持った脚、そして顔面は完全に
溶け、恐らくは寄生種であろう茸類と一体になっている化け物
だぁっ!!」
(・ω・;) 「マ、マスター!?か、彼らも魔人ですか!!?」
(;^ω^)「いや、知らん!こんな知り合いなんて居ない!多分キノコこれ!」
(・ω・;) 「じゃあ、何なんですか!なんで僕ら囲まれてるんですか!?」
(;^ω^)「知らないって!ずっと魔王城の中に居たんだから!
この世界のことなんて全く知らないんだから!」
「……ブ……ツブツ……ぶつ」
(;・ω・) 「あ、なんか言ってますよ彼ら!」
「シンゾウ……オイテケ……シンゾウ……」
(・ω・;) 「ほら!心臓だって!心臓置いてけばきっと見逃してくれますよ!」
(;^ω^)「それはただ死ぬって!」
「シンゾウ……ナイ……ホシイ……シンゾウ」
(;^ω^)(・ω・;) 「ひぎゃァァァああ!!」
ドドドドッドドドッドドドッドッ!!!!
(;^ω^)「銃っ!?」
銃声。いや、本物の銃声など聞いたことは無いが、映画とかで聞くアレの音。恐らくはマシンガンか自動小銃の、小気味の良い発砲音と共に化け物が緑色の体液をちらしながら、バッタバッタとなぎ倒されていく。
(・ω・;) 「い、一体な、なにが……っ!?」
「全く。何をやっているのよアナタ達」(゜-゜*)
声のする方を見ると、そこには自動小銃を携えた黒ドレス姿の妃の姿があった。彼女は呆れたようにため息を吐いて、二人に侮蔑の眼差しを向ける。
(;^ω^)「お、奥さん!?なんでこんなところに?
そしてなんで自動小銃ッ!?」
「久しぶりにお酒を楽しもうとしたら、店の扉に『臨時休業』の
張り紙があってね。不審に思ってマスターの気を辿って来たのよ」(゜-゜*)
「そしたら、まさか城の外に出ようとしていたなんてね」(゜-゜*)
「あと、自動小銃なのは私が魔法を使えないからよ」(゜-゜*)
(;^ω^)「こ、これには深い訳があって……」
「大方、そっちのボウヤが言い出したんでしょう?
『魔王なんて信用ならないから逃げ出そう』って」(゜-゜*)
(;^ω^)「なんで分かるの!?」
「そう言って逃げた転生者が過去に何人も居るのよ」(゜-゜*)
(;・ω・) 「違います!僕はただ、元の世界に帰ろうと……」
「同じことよ。城の外に出るという手段は変わらないでしょう?」(゜-゜*)
(;・ω・) 「ぐぅ……」
「全く。なんで転生者って、私達の言うことを聞かないのかしら?
魔王城に留まっていれば、安全に元の世界へと戻れるというのに」(゜-゜*)
(;・ω・) 「そ、それが本当のことだなんて、分からないじゃないですか」
「人間とは悲しい生き物ね。己の肉体が弱い
せいで他人を信用する事もできないなんて」(゜-゜*)
(;・ω・) 「なんだって?」
「強い者は疑わないわ。なぜなら裏切られても
傷つくことなど無いし、返り討ちにできるから」(゜-゜*)
「それに、相手が嘘を吐いていると思ったのなら、
拳で真実を吐かせればいい。それが、魔界の流儀よ」(゜-゜*)
「ま、そもそも嘘を吐く必要なんて無いんだけどね。強いから」(゜-゜*)
(;^ω^)「相変わらずの脳筋っぷりですね。この世界は」
(;・ω・) 「や、やはり野蛮だ……」
「なんとでも言いなさい。ここは魔界よ。アナタ達の
世界の価値観や倫理なんて、知ったことでは無いわ」(゜-゜*)
(;・ω・) 「う……じゃあ、なんで『魔王城の外に出たら世界が崩壊する』
なんて嘘を吐いたんですか!!?」
「それは嘘じゃないわ。本当の事よ……ま、アナタ一人
の存在じゃ、殆ど影響は無いでしょうけど、念の為ね」(゜-゜*)
(;^ω^)「え?じゃあ、『地面が毒沼になる』なんてのも本当なの!?」
「ええ。着実に地面に毒素が溜まってきてるわ」(゜-゜*)
(;^ω^)「そうなの?じゃあ、いずれここも毒沼に?」
「そうね。大体15万年くらいしたら、毒沼になるでしょうね」(゜-゜*)
( ^ω^)「それはもう俺のせいじゃないだろ」
「いいえ。確実にアナタが地面を歩いた影響によるもの。進行は
遅いけど、アナタ達の存在は着実にこの世界を蝕んでいるのよ」(゜-゜*)
( ^ω^)「ほぼゼロみたいなもんじゃん。100ml中5カロリー未満なら
カロリーだってゼロだよ」
「でも、ゼロじゃないもの。毒沼化対策には転生者
一人ひとりが意識的に行動することが大切なのよ」(゜-゜*)
( ^ω^)「なんで環境問題の話みたいになってんの?」
( ・ω・) 「……分かりました。なら、僕はこのまま旅に出ます」
(^ω^;)「何が!?この話の流れで何が分かったの!?」
( ・ω・) 「話を聞く限り、魔界には弱肉強食の価値観が根底にあるようです。
ならば、僕より強い者がその拳で止めない限り、この世界で僕が
何をしようと自由ってことですよね?」
「へぇ。なかなか挑戦的な事を言うボウヤ……でも、正しいわ。
この世界は自由よ。誰かに殺されない限り、何をしてもいい」(゜-゜*)
(;^ω^)「何をしてもいいというか、殺すしか止める手段が無いというか」
( ・ω・) 「なら、僕はもう行くので、止めたければ止めて下さい」
( ^ω^)「おいお前殺されるぞ」
(・ω・ ) 「死なないんでしょう?」
( ^ω^)「あ、そうだった。だったらさっきの化け物にビビる必要なかった
やんけ。ビビって損したわ」
「止めはしないわ。でも、その旅の果てには何も無いわよ?」(゜-゜*)
( ・ω・) 「それを、この目で確かめるんです。もしかしたら、
何か方法が見つかるかも知れない」
「愚かね。でも、嫌いじゃない」(゜∀゜*)
( ^ω^)「それじゃあ、俺は……」
「アンタに決定権なんてないわ。さっさと城に帰って店を開けなさい」(゜ー゜*)
(;^ω^)「あ、はい。まぁ、元々そのつもりでしたけど」
16 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/02(水) 21:00:00.00 ID:1399336
■ 『まかいのリゾート』─新アトラクション:迷いの森(開発中)出口 ■
「それでは、お二方、さようなら」(・ω・ )
( ^ω^)「辛かったら帰ってきてもいいのよ?」
「母親かよ」(・ω・;)
(*゜ー゜)「転生者自体バグみたいな物だし、もしかしたら現世に帰れるかもね」
「……ありがとうございます。妃様」(・ω・ )
こうして、新しくやってきた転生者の少年は一人、"生き返り"を求めて、魔王城を後にした。妃が餞別として与えた弾数無制限型自動小銃を抱えて。
16 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/09/02(水) 21:00:00.00 ID:1399336
( ^ω^)「……大丈夫っスかね。彼」
魔王城に戻る道すがら、なんとはなしに(^ω^)が訊ねた。
(*゜ー゜)「さぁ。興味ないわ。でも、まぁ死ぬことは無いでしょうね」
(*゜ー゜)「死ぬよりひどい目に合わされる可能性はあるけど……現に、
過去に魔王城の外に逃げた転生者達は全員行方不明だし」
( ^ω^)「」
(;^ω^)「……あの、それってどういう……?」
(*゜ー゜)「例えば、悪鬼に捕まって遊び半分に拷問されるとか」
(;^ω^)「ヒェ」
(*゜ー゜)「ベヒモスや触手生物の食糧として延々に貪り食われるか」
(;^ω^)「ちょ、グロいのはだめだって!」
(*゜ー゜)「アルラウネやスキュラの苗床になるか」
( ^ω^)「あ、それは我々の業界ではご褒美なんで大丈夫です」
→つづく
さらば転生者!君のことは忘れない!
出したは良いけど扱いに困ったとか、そういうのでは一切ない!
次回、(^ω^)「全選手入場ですッッッ!!!」




