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第11話(^ω^)元老院とかいうよく分からん組織

11 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2020/08/23(日) 21:00:00.00 ID:1399336




「お前、女になれ」



 心地のよい小音の音楽が流れる宵のバーボンハウス。その()()は、まるで初冬の凍てつく木枯らしのように、彼の背筋を震わせ、股間を縮み上がらせる。



 静まり返るカウンターの上で、グラスの中の氷がからんと音を立てた。



■ 魔王城─地下牢(バーボンハウス) ■




(^ω^)「えっ?俺、もう元の世界に帰れないの?」



 ('A`)「だから違うって。天界の奴らが忙しくて、お前みたいな小さなバグなん

     かに構っていられないんだって」



(^ω^)「まだ人間界はゴタゴタが続いてんの?緊急事態宣言したじゃん」



 ('A`)「第2波が来たんだってよ」



(^ω^)「ビッグウェーブに飲み込まれちまった訳か。大変なもんだな」



川゜-゜)「なんだ。自分の生まれ故郷が一大事なのに、まるで対岸の火事だな」



(^ω^)「そりゃあもう住んでる世界が違うんだもん。そういう態度にもなるよ。

     ところで、今日は何故氷魔大将軍さんが?」



川゜-゜)「ん?特に理由は無いぞ。たまたま私が魔王城に用があっただけだ」



 ('A`)「そうそう。そんで、たまには一緒に酒を飲もうって俺が誘ったんだ」



(^ω^)「なるほど、最近ではなかなか見られない上司ムーブ。

     近年はアルハラだとかパワハラだとかで、飲み会とかサシ飲みは敬遠

     されがちなんだけどね」



 ('A`;)「え?そうなの?俺いまウザい感じ?」



川゜-゜)「……いえ、そんなことは無いですよ?」



 ('A`;)「なんか最初2秒くらい溜めたよねッ?」



川;゜-゜)「ところで転生者」



 ('A`*)「すっごい露骨に話逸らされちゃったよ。

      俺がM気質だからってそう言うのは……困るなぁ」



(^ω^)「人の部屋で悦楽に浸るのも困るんだけど……んで、何スか?」



川゜-゜)「貴様がやっているこのバーボンハウスは、なんでも無許可で経営して

     いるそうじゃないか」



(;^ω^)「え?でも魔王は特に何も言ってこないし……つーか魔王くらいしか

      店に来ないんだけど……」



 ('A`)「まぁ、俺個人的には魔王城にバーがあっても良いと思うけどね」



川゜-゜)「そう。現状この店の存在は、魔王様が常連であるという事実によって

     黙認されているに過ぎない。魔王様の武力・権力は絶大なからな」



川゜-゜)「だが、いくら『力こそパワー』な魔界と言えど、一応は法律がある」



 彼女は指を立ててそう言うと、懐から茶色い装丁の冊子を取り出した。



川゜-゜)「この法律書によると……」ペラペラ



(;^ω^)「え!!?それ法律書なのッ!?同人誌くらい薄いじゃん!」



川゜-゜)「あった。第168条『他人の土地で商売する時は、その土地の持ち主に

     許可を貰いましょう。でなければ死刑』」



(^ω^)「男子小学生の約束かな?」



(;^ω^)「というか、魔王城の持ち主って魔王じゃないの?」



 ('A`)「何言ってんだ。国の物に決まってんだろ」



川゜-゜)「そういう訳だ。お前が許可を貰う必要があるのは、魔王様個人では

     なく、国ということになるな。魔王城は建前上、元老院が所有する

     建物ということになるから、元老院議会で発議し、許可を求める必

     要があるのだ」



(;^ω^)「げっ元老院ッ!?基本的に悪役と言うか、黒幕的な存在のアレ!?」



 ('A`)「ファンタジーじゃあるまいし。んな訳ねぇだろ。

     お前の世界で言う……国会みたいなもんだ」



(^ω^)「あ、そう」



(;^ω^)「……じゃあやっぱり黒幕じゃねぇか!」



 ('A`;)「お前の世界の立法機関どうなってんだよ!?」



川゜-゜)「二人共、今はそのような波の立つ会話をする時ではない。

     あと転生者。私も元老院の一人だ。そのような偏見は止めてもらおう」



(;^ω^)('A`;)「あ、はい。すんません」



川゜-゜)「それで、だ。本来ならば、勝手に魔王城の地下に作ったバーの許可を

     後追いで申し出るなど不可能なのだが……いま、元老院でこのような

     計画を進めていてな」



 彼女は懐からまた冊子を取り出した。今度のは先程の法律書とは異なり、週刊少年◯ンプほどの厚さがある。そして、その表紙には、でかでかと『魔王城レジャーランド化計画』という題が載っていた



(^ω^)「えっ?何このバブリーな計画は?」



 ('A`)「あぁ、これはな……俺が発案したんだが……」



 ('A`)「ホワンホワンホワンホワワワァ~~~~ン」



                 (これは……ドラえ◯んか……?)川゜-゜)



■ (回想)魔王城─魔王私室 ■



(*゜A゜)「なぁ、おとう……ん゛ン゛。お父様?」



 ('A`)「ん?どうした、のー?」



(*゜A゜)「私、『まかいの牧場』に行きたいですわ」



 ('A`;)「炎魔大将軍の所か……うぅん、そうだなぁ……」



(*゜-゜)「のー。今は、お父さん忙しいから無理よ」



(*゜A゜)「でも……」



(*゜-゜)「こうして毎日一緒に過ごせるようになったんだから、

      これ以上わがまま言っちゃ駄目よ」



 ('A`;)「むぅ……もう少し落ち着いたら、まとまった休みが取れるから、

      そこで行こうじゃないか。な?」



(*゜A゜)「うん……」



 ('A`;)「……ごめんな」



(*゜A゜)「はぁ、これなら、家の隣に『まかいの牧場』があればいいのに……」



 ('A`)「……なんだって?」



■ (回想終わり) ■



 ('A`)「……というわけだ」



(^ω^)「完全に国を私物化してんじゃねぇか」



川゜-゜)「そんな訳で我々『(姫様の)(健やかな成長を全力で)(見守る会)』も、姫様の望みを

     その総力を以てバックアップすべく、この計画を立ち上げたのだ」



(^ω^)「なんか、今不穏なルビが振られていたのは、

     見なかったことにしといてやるよ」



川゜-゜)「計画の内容は後日話すが、お前のこのバーもレジャーランド開発の

     一環として処理するよう、私から申し出てみようと思うのだ」



 ('A`)「……成程。そうなると俺も裏回しが必要になるな」



川゜-゜)「はい。その時はお願いいたします」



(^ω^)「……え?そんな事してもらっていいのかお?

     というか、なんでそんな事をしてもらえるのかお?」



川゜-゜)「ふん。『(姫様の)(健やかな成長を全力で)(見守る会)』の一人として、姫様を連れ戻して

     くれたことに感謝しているのさ。そのおかげで元老院全員が陥っていた

     姫様ロス症候群が解消されて、一年ぶりに元老院議会を再開できた」



(^ω^)「今日ずっと思ってたけど、この国の立法機関終わってんな」



川゜-゜)「終わってなどいない。むしろのー様ロスを経験した我々はより強靭な

     精神力を手に入れ、再始動(リブート)したと言ってもいい!」



(;^ω^)「あ、そう。まぁ、許可を貰えるならなんでもいいや」



川゜-゜)「うむ。しかし一つ条件がある」



(;^ω^)「条件?」



川゜-゜)「この店には足りないものが一つある」



(;^ω^)「足りないもの?……酒?」



川゜-゜)「違う。女だ」



(;^ω^)「……はい?」



川゜-゜)「お前、女になれ」



(;^ω^)「どういうことだよ」



川゜-゜)「以前、私は女が好きだと言ったろう?」



(^ω^)「まぁ、それは聞きましたけど」



川゜-゜)「それだ」



(^ω^)「どれだ」



川゜-゜)「なんだ。百合に理解があるくせに女にはなりたくないのか?

     お前なら分かってくれると思ったのに……残念だ」



(^ω^)「……」



(#^ω^)「……女の子になりたくねぇ男なんて居ねぇんだよ!」



 ('A`)「いるよ」



(#^ω^)「いいか?世の男は全員、可愛い女の子になって可愛い女の子と一緒に

      可愛い日常を過ごしたいと心の底から願ってんだよ!」



 ('A`)「願ってないよ」



(#^ω^)「2020年、東京都在住の男性サラリーマン将来の夢ランキングは!


      3位 異世界転生!


      2位 宝くじで10億円当選当てて会社をバックレる!


      1位 女子◯生!


      分かったかゴルァ!!!」



 ('A`)「人の夢と書いて儚いと読むってよく言うよね」



(#^ω^)「うるせぇッ!人の夢は終わらねぇッ!」



川゜-゜)「……感動したよ」



 ('A`)「しないで」



川゜-゜)「お前の想いは私の胸にしかと届いた。すぐにお前を女にしてやろう」



 ('A`)「なんだろう。字面が酷い」



(^ω^)「……」ワクワク



 ('A`)「胸を踊らせるな」



川゜-゜)「では早速私の家まで来てもらおう。私の姉は性転換魔法の達人なのだ」



(^ω^)「お手柔らかにお願いしますッ!」



 ('A`)「おい。だからお前は魔王城の外に出ちゃ駄目だっつってんだろ」



(^ω^)「……あ、そう言えばコレそういう話でしたね」



川゜-゜)「何ッ!?それでは姉に会えないじゃないか!

     魔王様、何故コイツが城の外に出るのを禁じているのです!?」



 ('A`)「世界が崩壊するから(大地が毒沼化する的な意味で)」



川゜-゜)「あ、それは無理ですね(超速理解)」



(^ω^)「それじゃお姉さんに魔王城まで来てもらうことは無理なの?」



川゜-゜)「無理だ。彼女は重度の引きこもりなのだ。

     どうも太陽の光を浴びると溶けて死んでしまうらしい」



(^ω^)「……ということは、俺は、女の子になれないのか?」



川゜-゜)「……残念だが……仕方がない。

     それでは代わりに魔王様が女になるということで」



 ('A`)「んだそのクソみたいな代替案。俺に振んなよ」



(^ω^)「魔王、ここはビッグウェーブに乗るしか無いのでは?」



川゜-゜)「女王様と妃様と姫様が治める百合の国。素晴らしいと思いませんか?」



 ('A`)「お前らいいかげん調子乗ってると死刑に処すぞ」



(^ω^)「いやだこの魔王、とっても独裁的」キュン……



 ('A`)「魔王なんか大抵独裁者だろ」



(^ω^)「じゃあ元老院ってなんなんだよ」



川゜-゜)「姫様の健やかな成長を全力で見守る会だ。たまに法律を作る」



(^ω^)「見なかったことにしてたのに、言い切りやがったよチクショウ」



→つづく



 女の子にはなれずじまいの(^ω^)!だが、人の夢に終わりはないのだ!



 それはそうと、なにやら魔王城がレジャーランド化するという面白くなりそうな計画が始まっているらしい!



 次回からはいよいよ、レジャーランド『魔王城』開発編がスタート!



 次回、(^ω^)「会議は踊る」


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