39 王太子05
39 王太子05
昼過ぎにやっと王太子が起き出してきた。
姫たちの隣で暫くパンケーキを弄くっていたが、食欲はまったくなさそうだった。
勿論、目が死んでいる。
「伯爵、僕は少しさっぱりしたい。一緒に風呂に入ろう」
そんな虚ろで軽い笑顔で誘われても、男同士なんだから嬉しくないからね。
でも、女の子と入るよりは緊張しないかな?
考えて見れば、一緒にお風呂に入る男友達や男の仲間はいなかったなあ。
ヨシやアシやモトも人間族だったけど、身分差からか一緒に入るようなことはなかった。
まあ、俺には女の子が常に一緒に入ってる雰囲気があったからだろうな。
もっとも、モトは自分が女の子とばかり入る遊び人タイプだから、俺とは一緒に入らないだろう。
男同志で裸の付き合いをするというのは、あっちの世界でさえなかったことだから貴重かもしれない。
勿論、あっちでは一緒に入る女の子などあり得なかった。
いや、こっちでも大抵はひとりで入っている。
誘ってくれたのは、リーメだけじゃなかったか?
ユキナは女臭いから水を浴びせてきただけだったよな。
こんなことなら、トイレはともかく、風呂の世話は断るんじゃなかった。
毎晩、日替わりで女中たちと入れたのに!
これからでも、間に合うだろうか?
それとも、佐渡にでも引っ越すかな?
今考えると、佐渡は天国だったなあ。
そうだ、佐渡に行こう!
王太子が片付いたらな。
シアとフィティに風呂の準備を頼むと、すぐに準備万端だと返事が来た。
どうやら、二日酔いの連中の考えることは一緒みたいで、しゃっきりするために、女どもは既に風呂に入っているようだった。
しかし、王太子と俺が入ってくると知ると、蜘蛛の子を散らすように?逃げていった。
俺は蜘蛛の子を散らしたことない現代っ子なので、正確な表現かどうかはわからないが、逃げ出した原因はスケベな王太子であると思われる。
だよねー。
俺じゃないよねー。
風呂場に行くと王太子だけではなく、ウノ姫とサララ姫がいた。
いよいよ、金の交渉かと思ったが、少し違ったようだ。
王太子はザッと身体を流すとさっさと湯船に浸かってしまい、勝手にやることにしたようだ。
いつもの元気がないようなので、俺は桶に冷酒を2合入れた徳利と盃を浮かべてやり、王太子を喜ばせた。
「これは、天国だね」
(現金な人だなあ)
「迎え酒と言うんですよ。風呂でやるかは知りませんが」
朝寝、朝酒、朝湯を経験した王太子は、小原庄助さんみたいだった。
勿論、庄助さんとは知り合いじゃないから、良くわからない。
まあ、しかし、この人が王になったら王国は潰れるだろうな。
姫たちは洗い場で暫くモジモジしていたが、やがてサララ姫の方が前に出てきた。
前も前に出てきたが、俺はロリコンじゃないので気にならなかった。
(注視できなかったけれど)
「伯爵様、サララを洗ってください……」
「ひえ?」
不覚にも、俺は変な声を出してしまった。
急に女っぽくなった気がするが、身体は子供のままである。
小学校の学校一の美少女みたいであり、おじさんたちの夢に出てくる理想の美少女みたいだったが、俺はおじさんだがロリコンではないので、ロリ相手でも動揺したりはしない、はずだ。
まあ、昨日も少しだけど洗ってやったからいいかと思い、タオルを出すと、
「て、手でお願い」
などと、涙目で訴えてきた。
「ひゃい」
声が裏返ってしまった。
ドッキドッキしながら、石鹸を取り落としたりして、やっとの事で手のひらに石鹸をつけて洗ってやった。
俺はお子様には優しいのだ。
決してろ、ロリコンではない。
「ひゃぁぅ、うひゃぁぁ、あぁんんん」
サララは相変わらず感じまくりで、ロリコンならうっかり昇天しそうな声を出した。
本当にこうしてもらうのが好きなのだろうか?
(逆の立場なら気持ちいいのは想像できる。頼んでみたい)
「サララは変態じゃな」
「うぁ、ぁ、ウノちゃんも、あぁん、やってもらえばわかるよ。ひぃぁ、凄く気持ちいいんだから、ひゃうんん」
「そうか、ならば妾も試しに洗ってもらおうか、伯爵様」
サララ姫を左手で洗い続けながら、ウノ姫を右手で洗い始めた。
そう言えば、今日は何故か二人とも『伯爵』と呼ばずに『伯爵様』と敬称をつけている。
何かしら意味があるのだろう。
「うひゃぅん」
「ひゃぃん」
ウノ姫も、とても可愛らしい声をあげた。
しかし、俺はロリコンじゃないから平気だ。
すぐに二人とも俺に縋り付いて、俺の両腕の中に抱かれるように洗われることになった。
どちらも美少女で、どちらも柔らかくて、触っているだけで出そうなくらい吸い付くような極上の柔肌だった。
いや、出そうなのは声だからね。
面白いから、全身をくまなく洗った。
何処も柔らかく、ペッタンコなんて、全然、気にならなかった。
桜色に染まっていく全身が、なんて可愛いのだろう。
肌身離さず、一生触っていたいような肌身だった。
女の子ってのは、やっぱり反則だろう、
何かに目覚めそうだったが、俺はロリコンではない、ないはずだ。
「うひゃひゃひゃ、そ、そこは、くすぐっ、あははは、駄目じゃ、耐えられん、ひゃははは」
「うぅぅんん、ひきゅ、ふぁ、ひゃぃん」
同じように身体を捩っているが、ウノ姫の方はくすぐったがりで、サララみたいに涙目で耐えながら喜ぶわけではなかった。
好奇心が強く、分析的なウノ姫は、目新しい体験すること自体は好むが、体験することより体験後に分析することの方が得意そうだった。
だが、今はお子様の感覚で愉しそうだった。
感覚的で主観的なサララ姫は、ちょっとエッチだが、素直に体感的な感覚を好むようだった。
こちらは理屈ではなく感覚なのだろう。
だが、まだ大人ではないから、くすぐったいと気持ちいいの中間のような感じだった。
で、でも、これが何か儀式的な意味があるような気がしたので、俺も(仕方なく)付き合っているのだ。
意味なく、こんなことを頼んだりしないだろう。
(例え、この世界の本質がエロゲーだとしても、人格はあるのだから)
それに、俺はロリコンぽいけど、ロリコンではないからだ。
「うひゃひゃひゃ、伯爵、そこはやめてくれ」
「ひぁーん、エッチな女の子になりそうですぅ」
何だか楽しくなってきて、やめられなくなってきた。
「うーん、それが二人の答えでいいね?」
王太子がこちらを見ないで盃をあおり、質問した。
「はい、サララは、ひゃぅ、伯爵様とぴゃんんケーキを選びますぅ」
「わははは、そこはちと…… きゃはは、妾も伯爵様とパンケーキが良い、ひゃふー」
俺はパンケーキと同列だった。
そして、最後の瞬間が来た。
俺は二人の後ろからお尻を洗った。
可愛いお尻に割って入るような洗い方だった。
清潔感の問題であって、決してロリコンだからじゃないんだからね!
「ひぃぁぁぁ」
「ひゃぅぅぅ」
それから、ザーと流して、湯船に入れてやる。
二人とも真っ赤になって湯船に浸かった。
「す、凄かったでしょ?」
「う、うむ、恐ろしいものじゃった。お、女にされるとはこういうことじゃな」
違います!
しかし、そういう目で見ると、二人とも、何となく…… いやぁ、ロリコンの気持ちがわかる。
ロリコンへの第一歩は、愛だからだ。
愛って何なのだろう?
きっと気持ちがいいことだ。
本当か?
「で、王太子。一体、何のことでしょうか?」
「二人は伯爵の女になると言うことだよ」
「ひゃぅん」
「く、くすぐったいぞ、サララ」
「ウノちゃんが先にしたのに」
「ええっ、何ででしょうか?」
「周王の跡継ぎになれる資格を持つ王族の王子は、もう君か厩の王子しか残っていない。そして僕は厩が大嫌いだよ。彼に息子ができても間違いなく嫌いになるだろう。そして、縁あって僕は君のところにきた。そして王族の血を持つ二人は君に決めたようだね」
「そうですか……」
本当は、パンケーキが理由じゃないのか?
まあ、縁にも色々と種類があるしな。
悪縁よりは、パンケーキの方がマシだろう?
まあ、首切り王には会いたくはないな。
そうか、(ここにいるみんなが)もう首切り王に会いたくないんだな。
「うひゃん」
「ううう」
湯船でじゃれ合いながらも、俺を気にして見つめてくる二人の美形を見ると、とても異議は唱えられそうになかった。
「二人は僕の養女だが、血統は周王国でも最高位だよ。娶れるものは王になる者だ。そして君は僕の娘婿になり王になるんだ、伯爵」
「そう言われましても、辺境の伯爵では荷が重いのでは?」
「ひゃぁぁ」
「きゃははは」
「もう、周王国は終わりだよ。娘婿の君に再建を任せたい」
「そんな、無理ですよ」
「最高位の女を二人も用意したのだから、頑張ってもらわないと困るよ」
「王太子がなさるべきことです」
「それこそ無理だよ」
「何故です?」
「僕は病弱で、金もないし、後ろ盾もないんだ。ここに来たのも王が厄介払いしたくて命令したんだよ。だが、君が力を貸してくれれば、少しだけ君の力になれると思う」
金と力はなかりけりってやつ?
どうせ俺は不細工でキモいよ!
ほっとけ!
「このままだと、厩の王子が次の王太子なんですか?」
「厩は偏執狂で、王に首を切られると怯えている。王が王太子にすると言えば、謀反を起こすだろうね」
「王太子はどうするんです?」
「ひとつだけ教えておくけど、次の春の終わりか、夏の初めには、周水軍と燕水軍の連合水軍が越に攻め込んでくるよ」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、だから僕はそれまでに大呉国の厦門に逃げることに決めている。越の船でね」
「船の種類と数などはわかりますか?」
「周水軍は沿岸船(千石、150トン)が30隻に小型商船を集めても50艘ぐらいかな。燕国については君の方が詳しいだろうが、付き合いで持ち船の半分は出してくるだろう」
燕国は輸送船、武装商船だが、輸送船は交易してるから出せないだろう。
武装商船は、上がせいぜい300石積(45トン)である。
下は20石(3トン)ぐらいか?
独立商人の船より僅かに大きいくらいである。
数は40から50隻あるかないかだろう。
半分で出てきても、周水軍と合計で100隻ぐらいかな?
越の装甲艦2隻では、相手としては少ないくらいの敵である。
「あのう、負けるとわかってても攻めてくるのでしょうか?」
「王のプライドかな、遊びかな?」
王太子の分析では『駄目元ポイント』があるそうである。
損しても構わない程度には大事なことらしい。
①周王のメンツ
②王太子の命
③クズ伯爵の処刑
④燕国に対する嫌がらせ
⑤越の金貨と食料
別にすべて達成しなければならないわけではなく、周王にすれば、少しでも上手く行けばいいと思っている要素らしい。
つまり、駄目元である。
しかし、俺の予想ではそれだけではない。
「王太子は燕国には逃げないのですよね」
「ふーむ、君はそっち方面は鋭いようだね。唯の幼女好きではないな」
いや、幼女好きだなんて、照れるなあ。
最近は熟女もわかるように…… って、そうじゃないだろ!
「ひゃひぃ、幼女好きだって!」
「ふむ、変態ではあろうが、今の妾にとっては救いかもしれぬ」
「だから、ウノちゃん、そこは触らないで! いひゃぁ」
いや、幼女好きじゃないからね!
唯のロリコンだから!
いや、違うぞ!
大人の女も大好きだー!
でも、子作りって、子供を作らなくてもするものなんだよ、知ってた?
だから、ロリもいいんだ…… おっほん!
うん、唯のクズだった。
しかし、女の子ってどうしてあんなに気持ちいいのだろう?
誰もがあんなに気持ちよくっちゃ、困るよな。
いや、困らないか。
嬉しいかな?
「後、3年もすれば、姫たちは二人とも凄く気持ち良くなると思うよ?」
「そ、それって?」
「一日三回ずつしても、まだしたいと思うよ」
「そ、そんなに?」
「まあ、普通、男にとって女の子とはそういうものだよ」
「で、でも、違いとかあるのではないでしょうか?」
「違うからこそ、気持ちいいんじゃないか。ウノが恥ずかしそうにご奉仕しして、サララが力一杯感じまくる。そんなのを見ても、次がないと言えるのかい?」
確かにそうだ。
今はまだあんなでも、3年もしたら……
駄目だ、考えるな!
これでは王太子のペースではないか!
「ひゃぅぅんん、ウノちゃんもう駄目!」
「何故じゃ、伯爵様はもっと色々なところを触っておったぞ」
「そ、それは伯爵様だけ、だもん」
どきりっ!
俺は久しぶりに心臓を射貫かれた思いがした。
相手が子供でも構うものか!
3年も我慢できないぞ!
毎晩、触るだけならいいよね?
舌先で触るとか?
「さて、交渉を始めようか、婿殿?」
王太子は初めて真面目な顔をして湯船からあがったが、やはり少しよろけるのだった。
貧血だろうか?
俺は今更、ウノ姫とサララ姫を渡さないとか言われると、相当へこむことに気づいた。
彼女たちは、演技も駆け引きも一切しなかったからだ。
心根の優しい可愛い子は、保護したくなるのだ。
それって、唯のロリコンじゃないのか?
この交渉は、既に負けである。
湯船から二人の姫が、心配そうに見つめていた。
いや、俺の股間を観察していた。
ロリコンが確定した瞬間だった。
風呂場に他の女の子はいないから、発情していれば、ロリコンである。
いいわけなどできないだろう。
もっとも、姫様たちは意味がわかっていなかった。
「やはり、すごいですねぇ」
「ああ、邪魔じゃないのじゃろうか。歩きづらいじゃろうに」
ずっと、そんな状態だったからだけど、いつもではないからね。
こ、これがデフォではないんですぅ!
囲炉裏端の席は昨夜と同じだったが、今度は王太子と二人きりだった。
ハギがお茶とお茶請けを置いて出て行くと、奥の間にも次の間にも人はいなくなった。
ちなみにハギは礼装の短衣を着ている。
何故かご機嫌だった。
お茶は緑茶で、お茶請けは野沢菜といぶりがっこだった。
勿論、野沢菜は野沢菜ではなく、越ではアオナと呼ぶ青梗菜のようなアブラナ科の植物で、白菜やキャベツの先祖でもある。
実はシロナも同じ種であり、周王国から持ってきたものである。
いぶりがっこの方は、大根のいぶり漬けであり、いぶりがっこは商品名かもしれないが、こちらの方が有名なのでそのまま使っている。
確か秋田県の名産だったと思うが、越でも雪が多いし囲炉裏を使うのでご勘弁願いたい。
ちなみに、ナスはインド原産であり、最近はシュンガ朝から輸入して栽培できている。
ニンジンは中央アジア原産だが、やはりシュンガ朝で発見されている。
実は周王国にも、まだ所謂『高麗人参』しかないが、あれはまるっきり別種である。
ついでに言うと、コーヒーはアフリカにあるはずだった。
普及するのは13世紀だが、西アフリカでは紀元前から栽培されていたらしい。
とは言え、欧米人がコーヒーを『発見』するのは大航海時代以降の話で、その伝でいけば日本が『発見』されるのは、マルコポーロが紹介してからになってしまう。
俺たちは、日本先住民族か?
侵略されていれば、そうなったのだろうな。
そうなると、更に童貞が増えるばかりの国になっただろう。
嫌すぎる。
だが、必要は発明の母であり、世界に冠たる童貞国家日本は、アニメ嫁、ゲーム嫁、VR嫁、アンドロイド嫁などを作り上げる土壌にもなる。
神の国である。
ところで、西洋人が発見する歴史文化など紀元前1万年前までがいいところだが、実際はその前の1万年は狩猟民族として、人類は世界中をさまよい歩いていた。
人類はアフリカを出発してから3万年程度、つまり紀元前1万年前までに南米最南端に到達したと言われているのだが、世界中に広がった人類は部族社会を形成しながら排他的な定住、移動を繰り返してく血族集団である。
だから、その後は血が濃くなれば異なる血筋を求めて争い。集合離散を繰り返した。
一見、土地争いをしているように見えるが、その陰では新たな血を求めていた。
血統を重んじたり、高貴な一族の嫁を迎えたりするくせに、血が遠く相対的に身分が低くなる蛮族の女を求めたりするのはかなり矛盾した行動である。
支配者としての血統が重んじられるのは、優れた資質が子孫に継承されると信じているからである。
血の呪いである。
遺伝子による強迫観念かもしれない。
『我が優秀なる部族の血を残さなければならない』
その一方で、血が濃くなると脆弱な血統になってしまうことも実感していた。
新たな血を求めないと、個人も集団も弱くなるばかりだからだ。
実妹より異母妹、異母妹より従姉妹、従姉妹より幼馴染み、幼馴染みより隣の部族の姫、隣の部族の姫より遠方の部族の姫と、婚姻の概念は広がっていくのだ。
部族は支配地と支配血を求めて戦争を起こすのである。
だけど、常に勝つ訳ではない。
負けた方は、新たな土地を目指すこともあっただろう。
そうした意味で日本列島は、大陸から逃れてきた弱いものと、未知の地を求める好奇心旺盛なものの集まりで形成されているのかもしれない。
日本文化が一番素晴らしいなどと言いながら、外国人に対して妙に劣等感があるところなど、現代の日本人によく現れているような気がする。
排他的でありながら、未知の血を欲する矛盾した存在が人類である。
そうでないと、ガキ大将の子孫ばかりになってしまうからかもしれない。
「おう、シズカは俺のもんだぞ!」
「わかったよ、○ャイアン。ぐすん」
争うのは、血を混ぜるだけの価値が先方にあるかどうかの試験なのかもしれない。
殴り合ってから、友達になるパターンかな。
血じゃなくて、熱血か!
男同士の熱き友情か!
暑苦しいホモ・サピエンスか?
ホモ・エレクトスって、何だか……
うほん!
ネアンデルタール人とクロマニヨン人も交配した。
弥生人も縄文人とやりまくった。
それはともかく、人類の世界進出により、国や文化が成立する前からどこの土地にも大抵は人は住んでいて、民主国家成立以前は強い者が勝手に支配し、それから別の強い者に交替し続けているだけだった。
栄枯盛衰、盛者必衰、後の者が先になる歴史である。
例えば、明治維新の時に日本人の9割は庶民だったとも言われるから、日本国民の殆どにとって国としての歴史は明治維新以降である。
それまでは部族国家連合だった。
約300部族あった。
長州族と薩摩族の同盟交渉は、お互いの言葉が通じずに1週間が無駄になり、土佐族の通訳が必要だったらしい。
その明治政府である大日本帝国も第2次大戦でアメリカンによって滅ぼされ、その後は主にCIAの支配を受ける属国であったが、日本を自由にしたい偉い人によって軍事・外交以外は主権を回復し、日本国が成立した。
その後は自由にしたい偉い人たちの、自由にされている。
自由にしたいって、そっちの意味だったの?
主権在民なんだよね?
まだ、国家の歴史は100年にも満たない。
まあ、しかし、民主国家成立以後も支配者は勝手に交替し続けてる気がするが、それは今は別の話だろう。
話は戻るが、大和朝廷が成立しなくても、日本人はずっと住んでいたし、アメリカ大陸が発見されなくても人類はそこに住み暮らしていた。
ある意味、国とか人種とか文化とかは、支配者がそう決めただけで、庶民には関係ないのだ。
例えば、モンゴル帝国が成立したからと言って、漢民族がいなくなるわけではない。
中華人民共和国が成立してもモンゴル人がいなくなるわけではない。
唐が随に取って代わっても、いや、これは同じ鮮卑だったかな?
遊牧民の鮮卑に取って代わり、中華的な文化を併せ持つ鮮卑が支配者になっただけだ。
支配層の交替かな。
まあ、蘇我馬子が伽耶系渡来人でも庶民には関係がない。
聖徳太子がインドオタクだったとしても、国民が消え去るわけではない。
ロシア皇帝が誰になっても、ツングースはシベリアに住んでいる。
いい政治をして、いい社会を築いてくれれば、天下人が信長でも秀吉でも家康でも民主党でもルーズベルトでも構わない。(セオドアの方だが)
平家と源氏が交替したとしても、庶民の生活が変わるとは思えない。
支配層が争っても、庶民にとっては金持ちが先物取引で命がけの戦いをしているのと同じであり、あまり関係はない。
社長が投資に失敗すれば社員は困るかもしれないが、一般庶民には関係ないことである。
別に金持ちや社長は、庶民のために戦っているわけではないからだ。
まあ、多少の影響はあるかな。
徴兵と増税は嫌だしな。
つまり、人種差別など意味はないのだ。
子供が作れるなら、それは同じ人種である。
女の子は、何国人だって気持ちいいではないか!
差別をする前に下半身を見るべきである。
それに、可愛く反応してくれる方が、とても大事である。
可愛いは『正義』なのだ。
申し訳ない、脱線してしまった。
何が言いたかったかと言えば、南米まで到達した人類がシベリアまで戻ってきたと言う説があるから、その時にジャガイモかトウモロコシ、唐辛子か落花生などを持ち帰ってくれれば良かったのにと思っただけである。
まあ、流通してないってことは、それだけ南米から持ち帰るのが、物理的に難しかったのだろうと思う。
インド人は唐辛子がない頃からカレーを作っていたから偉いと思う。
韓国の人々は、唐辛子がない頃にキムチはどうしていたのだろう?
キムチいいことを……
すみません、一度どこかでやりました。
で、何の話だっけ?
ロリコンは、是か非か、だっけ?
「流石に風呂場で幼女をヒイヒイ言わせるのは感心しないね」
「すみません…… って、あんたが言うなよ!」
「ふむ、既に君の女だから、君の好きにしてもいいのだが」
本当? あんなことやこんなことやそんなことをしてもいいの?
「おほん、それで交渉なのですが、具体的には何をお望みでしょう?」
「金貨だよ、勿論ね」
「しかし、何のために必要なのですか?」
「うん、僕は大呉国で兵を挙げるつもりなんだ」
「ヤバくないんですか!」
「ヤバいから兵を挙げるんだよ」
王太子はいぶりがっこをポリポリと食べると、お茶をズズーとすすった。
「お替わり!」
「はーい」
「熱くしてね」
何故かススキがご機嫌であり、徳利を持ってきて囲炉裏で熱燗を作り始めた。
酒だったんか?
俺のはちゃんとお茶だぞ!
「挙兵するって、敵は首切り王なんですか?」
「表向きはそうだけど、挙兵した頃には変わってるかもしれないよ。可能性は3つ? 4つかな?」
クイズか!
「一、首切り王。二、厩の王子。三、七公爵家の連合軍。四、燕王ですか?」
「四は可能性は低いけど、ほぼ正解!」
どんどんパフパフー。
「しかし、そこまで先が読めるなら、なんで首切り王は戦争を起こすんでしょう?」
「原因のひとつは金貨じゃないか。君がそれを言うのかい」
「しかし、もっとやりようはあるでしょう?」
「うん、あるけど、首切り王は頭を下げたくない」
「それで、国が滅んでも?」
「そうだね」
「それじゃあ、意味がないんでは?」
「意味より意地が大事なんだよ。それに傍観していたら、更に悪くなるばかりだよ。周辺国も七公爵も余剰穀物は金貨に換えていく。飢饉が起きても援助は期待できない。金貨を税として徴収しても、食料を売ってくれるのは越かその関係国ばかりだ。これは侵略ではないが、周の孤立感と弱体化を深めるばかりだろう」
「そこで越との海戦を出汁にして燕国を滅ぼして、中間貿易をする傀儡政権を打ち立てるのですか?」
「鉄と銅も独占したいから、一石二鳥かな」
「地道に金貨を貯めればいいんじゃないですか」
「七公爵家より先に貯まると思うかい?」
外敵に対する備えだった七公爵家や冊封の国が、周の外側にあり直接貿易の障壁になっている。
その外敵への備えは、裏返せば貿易の拠点でもあったのだ。
最たるものは、燕国と大呉国である。
今までそれで良かったのは、周王国が銅貨を発行していたからである。
それが金貨のせいで逆向きになってしまった。
青島だけは代官領だが、そこの取り引き先も越では、周王は納得できないだろう。
今の周王国は詰んでいるのだ。
「勿論、僕は反対したが、お陰でこのとおり島流しさ」
確かに倭国に渡るのは命がけだと思っている人の方が多い。
王太子も帰ってこない方に賭けられたのだろう。
「お替わり」
「はーい」
今度はボタンがご機嫌で徳利を持ってきて燗をする。
「燕国王はどうなんです?」
「儲かってるし、いざとなれば凶国頼みだろうね」
「凶国は西方の征伐で忙しいのですよね」
凶国とは匈奴のことである。
狼人の国であり、何代か前の周国王から国家と認定されているので国名がある。
ちなみに穢狛(狸人と狐人)は「国名」ではなく部族名である。
鮮卑(犬人)も部族名だ。
そう言えば、燕国南端西部には辰人と言う頑固な人間族の部族がいて、現状では自治州状態である。
燕国(衛国)よりも先に住んでいた部族で、周王朝以前の入植者と言われている。
彼等は外部からは韓人と呼ばれていて、辰は国名ではない。
正式な国になったところは、一応、訓読みの国名がある。
大呉国や大南国の大の字は、勝手につけたものである。
倭国は昔、朝貢を行ったので国名だが、一地方名でもある。
越国は、勝手に名乗っているだけで、周国では伯爵領のままである。
「周王は、凶国が帰ってくる前に決着と、考えているんだ。それに話によっては凶国だって燕国や穢狛や鮮卑を攻めるかもしれないし」
「確かに、周王から見れば『うさんくさい奴ら』ばかりで周辺が埋まってますね」
「一番うさんくさいのが伯爵だろう。周王は倭国の伯爵領が以前より貧しいとか報告を受けて癇癪を起こし、3人ばかり処刑したんだ」
情報としては正しかった。
伯爵領(能登)に限って言えば、貧乏どころか僅かな人しか住んでいない。
「もう、末期症状ですか」
「末期症状だね」
「それで、王太子を追放したら、未来がないじゃないですか」
「うーん、言いたくないんだけど、僕にも致命的な欠陥があってねえ」
「致命的な欠陥?」
球が軽いとかかな?
軽の王子だし。
「女癖が悪いことですね。王のお気に入りにでも手を出しましたか?」
「それもあるけどねえ」
やっぱ、あるんだ!
「実はね…… お替わり!」
「はい」
今度はキリが来て、ご機嫌で徳利をお燗する。
チラリと見るのは王太子ではなく、俺を見ているのだった。
しかし、王太子の欠陥は言い出しづらいことのようだ。
態々、聞かなくてもいいだろう。
「まあ、それはいいです。それより金貨はどれくらいを見積もっているんですか?」
「5万人が2年ほど軍事行動を起こせる額かな?」
一人が1年生きていくのに必要な資金は10銭×90日で900銭。
それが2年で1800銭。
5万人だと、9千万銭だ。
金貨は1枚10万銭だから、900枚か!
食料の運搬費も考えれば、千枚だろうな。
それでも食っていけるだけだ。
軍隊としての体裁を整えるには、その倍はいるかな?
うーん、前代未聞の額だな。
驚かないけれども。
「それに呉王のご機嫌取りに100枚。南方の3公爵の懐柔に100枚ずつ。船1艘に、武器に珍しい軍用食料も欲しいかな」
珍しい軍用食料とは、缶詰のことだろう。
「調子に乗ってませんか? 兵はどこから集めるんです?」
「勿論、金で雇うんだよ」
「それって、もしかして?」
「ああ、亜人の奴隷も傭兵とするし、勝てば正規兵だね」
「亜人を解放するんですか!」
「戦功があれば、褒美も必要だろう?」
「七公爵が納得しないでしょう」
「そのための賄賂を用意するんだ。しかも、食料は金貨で公爵から買い取る。反対なんかしないさ」
確かに上手く行くかもしれない。
傭兵というアイデアなら、亜人でも兵士になるだろう。
それに、奴隷解放というボーナスまでついてくるのだ。
グラディエイターみたいな連中を想像してしまった。
スパルタカスかな?
反乱だからな。
「しかも、戦後はウノとサララの息子が新たな周王だよ。君の国になるのだから、金貨なんか安いものだろう」
「王太子はどうなさるんです?」
「僕は長生きできそうもないから、さっさと隠居して孫たちに面倒をみてもらうよ」
「金貨を持ってドロンはなしですよ」
「ドロン?」
「持ち逃げってことです」
「ああ、心配はわかるが、そんなことをすれば僕の方が周王国に追われておしまいだよ。僕は残り少ない人生を生き残るために戦争するんだ」
「では、信じましょう」
「流石は婿殿だね」
「ちょっと戦略を修正したいのですが」
「何だろう?」
「南方の3公爵に賄賂を贈るって言ってましたよね」
「そのつもりだ。簡単な同盟だね」
「なら、北方の3公爵にも、西方の公爵にも賄賂を贈りましょう。それも同じ額を」
王太子はちょっと驚いた顔をして、少しだけ考えていたが、やがてニヤリと笑った。
「君だけは敵にしないと誓うよ」
北方の3公爵は「厩の王子より」なのだが、いざとなれば関係ないだろう?
特に奴隷を傭兵として渡すのは、奴隷売買であり、裏切り行為にはならない。
この世界の人は、金に対してはまだ慣れていないのだ。
実は金は損得であり、敵も味方も関係ない。
敵でも得すればいいのだし、味方でも損させられてはたまらない。
土地のように誰のものかも書かれていないから、持っている者のものという単純さもある。
場合によっては、土地を譲られるのよりも恐ろしいことも起きる。
未来への投資とか、保険とかはまだ思い付かないようだった。
これは、金だからできることである。
まあ、これで対厩戦は少しは勝率が上がるだろう。
それから、詳細を確認して、ギイ王と吉川王佐に連絡した。
ヨットと早馬でその日のうちに準備が始まるだろう。
大呉国の厦門には『えっちゅう』が行き、1年後に越では旧式になった練習艦『かしわ』を王太子の御座船として厦門に送ることになった。
練習艦よりも、佐渡の海防艦の方が強いくらいだから惜しくはないが、周王国の沿岸や長江沿いには、厄介な代物として出没することになるだろう。
大呉国の王は、王太子の母方の叔父になるそうだ。
王太子には、今回は金貨3千枚。
次回は秋の収穫後に2千枚、送ることにした。
サバ缶は在庫のすべてを『えっちゅう』に積んでもらうことになった。
来年はサバ味噌煮缶詰を作ろうかな。
その後はやはり宴会になり、昨日は流れてしまったフィティとシアの踊りを披露した。
俺は王太子の侍女から、月琴とバンジョーの間のような楽器を借りて伴奏をした。
打楽器をハギが担当し、横笛をボタンとウメが担当してくれた。
最初に練習曲『禁じられた遊び』を弾いてみたが、音階が日本や琉球に近くて変な音楽になってしまった。
しかし、観客には受けたので本番となり、アランフェス風の曲にフィティとシアが合わせて踊った。
フィティとシアの衣裳は長衣を切って作ったもので、前は丸出しだが、後ろが長くお尻がギリギリ隠れる長さで色っぽく作られていた。
燕尾服とフロックコートの間のようなデザインだろうか?
手首、足首に鈴を着けたチョーカーのような布を結び、踊るとリンといい音がした。
おっぱいにも鈴を着けて……
うおっほん!
両手に持ったカスタネットモドキにも鈴を着けて、カチカチシャンシャンという効果音を出した。
余興は大成功し、その後は馬鹿騒ぎになっていった。
俺は調子こいて鬼平犯科帳風の曲に挑戦したが、出来の悪いカントリー&ウエスタンにしか聞こえなかった。
ラスゲアード奏法は難しかった。
チョーキングも変な音になった。
しかし、酔った女どもが次々に踊り出し、全裸のジュリアナ?状態に突入して、宴は皆が酔い潰れるまで続いた。
翌日はみんな『小原庄助さん』だった。
いや、会ったことはないけど。
そう言えば、宴会の前にモモとウメをやっと見つけたのだった。
衣裳作りは手伝ってくれたようだが、俺のことは避けていたようだった。
「昨夜のことは、何も覚えていません」
「あたしも、記憶にございません」
政治家みたいなことを言っているが、政治家と違って真っ赤な顔をしているからね。
しかも、片手で短衣の上からおっぱいを隠して、片手で股間を隠し、モジモジしている。
おっぱいを触ったのは、夢じゃなかったっけ?
しかし、日本も、こんな美少女たちを政治家にすればいいのではないだろうか?
人気が出て、国民投票も楽しいだろう?
言い訳しても許しちゃいそうだ。
いや、駄目だ!
裏にジジイがいたりしたら、俺がショック死するだろう?
アイドルは処女だし、恋人や彼氏などいたことないし、夜遊びしないし、パトロンもいなけりゃ、枕営業もしないし、マネージャーと結婚したりもしない。
ついでに、トイレにも行かないし、勿論、おならや、○んこなんかしない。
何だか、人権もないような気がしてきた。
みんなのものというのは、撞着語法なのだろうか?
俺だけのアイドルというのは、撞着語法だよな。
そう言えば「女をものにする」と言う表現があるが、本当にものにできた人はいるのだろうか?
翌日、その女の子が他の男と手を繋いで歩いてたりすれば、ショックを受けるのは男の方だから、男の方がものにされたのではないだろうか?
逆シチュエーションだと、女の子の方が強いよねえ。
「くそビッチめ!」
などと言っても、格好が悪い『やられ役』の捨て台詞のようにしか聞こえないから、男は打たれ弱いのではないだろうか?
俺はモモとウメが誰かと手を繋いでいたら、その場で死んでしまう自信があるけどね。
心臓が弱いのだろうか?
そう言えば、クローン再生中だったな。
人工心臓でも、きっと止まると思う。
本当は、女の方がずっと強いのだ。
そこで、一句。
『貞操は、惚れたあなたに捧げるわ』
そう男は言って欲しいけど、あなただけのもの、ってのも撞着語法のような気がする。
『だからお金を稼いできてね』
この下の句も、どんな上の句にも繋げられそうだな。
稼ぎが気に入らなければ、おしまいなのだ。
金の切れ目が縁の切れ目。
昔の人は、いいこと言ってるよね
現実は厳しいのである。
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