34 ガールズトーク?
34 ガールズトーク?
情報では、使者は軽の王子。
大海王の子、草の王子の長男であるが、王太子だった草の王子は既に亡くなり、他の孫である厩の王子と跡取りの座を争っているらしい。
鸕野讚良姫がいれば、王座は確定だろうに。
それは別の歴史か。
古代の姫様とは言え『サララ姫』なんて、見なくても美人だってわかる名前だよな。
こっちに実在しなくて良かったよ。
ちなみに草の王子の母親は俺の叔母であるが、父の葛城王が王子である頃から大海叔父に嫁いでいる。
大海から見れば異母姉になる。
軽の王子の母は叔母である。
大海から見れば異母妹になる。
近親婚はいつもややこしい。
日本史の問題に、あまり出題されないから助かっているけども。
父上は妹たちを弟の大海に嫁がせて、随分と機嫌を取ったようだが、結局は争うことになった。
それで、妹だけでなく、娘も全部取られてしまった。
父上ではなく兄上たちが叔父の大海を嫌っていたのが原因であり、敗因であると思う。
氷見の伯爵領では貧乏伯爵を演じるため、ボロを出すわけにいかないからボロを着てきた。
『本当に、ひもトランクスでいいのでしょうか?』
出かける時に、黒部ではサクラがそう言いながら穿かせてくれた。
うーん、下着までは演出過多だろうか?
サクラは少し顔が赤かったが、以前のように気絶したりはしなくなった。
女中2年生? として後輩を指導する立場になったからだろう。
髪もモモちゃんをまねてツインテールからお下げに変えている。
サクラはトランクスの上から、その、俺のをつまんで、その、位置まで調整してくれた。
動きだす。
調整する。
また、動きだす。
調整する。
きりがないぞ。
すぐに最大になり、サクラは赤い顔をしてオドオドする。
確かにどうしたらいいのかわからないだろう。
今でも位置取りが悪く落ち着かない。
と言うか、中途半端に刺激されると、もっと先に進みたくなるからね!
『ニットの下着は暫くお預けだなあ』
まあ、そんなことをつぶやいて誤魔化した。
フジがそれを聞いて、慌ててボストンバッグにひもトランクスを詰めていた。
こちらも頬を染めている。
サクラがしているのを、興味津々で見ていたからだろう。
フジは女中1年目である。
無口だが、実は気が強い少女である。
二年もするとモモを脅かす美人になるだろう。
泣きぼくろがあって、つい見てしまうが、それも彼女の魅力だと思う。
今着ているのと同じ首府の古着屋で買い込んだ古い貫頭衣も、丁寧に折りたたんで詰め込んでくれた。
長衣も持っていない、貧乏伯爵を演出するためである。
ちなみに、ヒナゲシ、モモ、ウメの3人は『連れて行かない』と宣言したら、ストライキに入ってしまった。
しかし、ブーツは手放せないんだよな。
今更、裸足とか、出来の悪い木靴とか、絶対に無理だからね。
それは女中たちも同じである。
屋内は足袋にするかな。
そんなことを思い出しながら、氷見と越中の境を眺めていた。
女中や手伝いたちは氷見伯爵邸のインストールだかセットアップだかを始めている。
氷見の国境には延々と冊があり、警備隊が配置されていた。
実際には俺を守るためなのだが、絶対にこちらからは越中に入れない雰囲気があった。
氷見は本来は越中である。
俺の考えで能登になっているだけだ。
その考えの中核にあるのは、やはり周王国なのだ。
氷見の村は僅かに5世帯で、農業も旧態依然とした労が報われない農法である。
亜人たちはとっくに越に移住していて、高齢化した人間族の世帯が何とかひとつ残っている。
他は越から派遣された監視任務に就いている世帯がふたつと、普段は越と商売している世帯がふたつ点在しているだけだった。
商売と言っても能登の北の七尾とかに、越で仕入れたものを売りに行くのである。
これも一種の監視任務である。
氷見伯爵邸は、例の高床式の木造平屋建てだったが建物がふたつで、そのふたつはお寺のようにぐるりと高床の廊下で囲まれていて、更に渡り廊下で繋がっている。
雨戸は部屋ではなく廊下側で閉める形式であり、部屋は木の壁と障子窓がひとつで、入り口と間仕切りは襖である。
まあ、なんちゃって寝殿造りである。
瓦屋根はないけど。
それぞれの建物には、中央に土間があり、その左右に畳敷きのふたつの続き部屋がある。
そのうちのひとつの部屋には囲炉裏が設置されていて、何とか客人を接待できるだろう最低限の施設になっていた。
風呂とトイレは別棟であるが、ちゃんと渡り廊下は繋がっている。
風呂はこの時代、贅沢品である。
囲炉裏も贅沢なのかもしれない。
田舎くさいから、何となく贅沢には感じられない。
竪穴式住居の頃から、既に存在したような気がするのは俺だけだろうか?
アメリカ原住民のテントにも、似たようなものはあったような気がする。
その後、ススキとボタンに家を任せて、キリとハギと一緒に畑を耕しに行く。
黒部と三ケから来た手伝いも10人以上いて、ボロに着替えてそれぞれが女中たちについていく。
畑は周方式で、焼き畑にしてからいい加減に耕して、いい加減に種を蒔く。
それでも畑が5反もあるから大変である。
土地は痩せていて、雑草すら元気がないようだった。
本当にこんな土地で収穫が見込めるのかとは思うのだが、見せかけだけでも農地にしなくてはならない。
俺は焼き上がった煙たくて硬い地面にすぐに音を上げて、律儀に種に土をかけて水を撒いているキリとハギたちのお尻を見物していた。
ハギは脚が長いな。
手伝いの人妻たちは、泥を被ったような見窄らしい恰好なので、キリたちの美しい肌が目立っている。
「伯爵様。昔の農業は本当にこんなだったのでしょうか?」
「鳥に種を食べられてしまいそうですね」
「まあ、10の内1つか2つか芽が出ればOKみたいだよ。多めに種を蒔いておけば何とかなると思っていたのだろう」
「育苗すればいいのにね」
「それで、連作障害は?」
「半分は休耕田だよ。収穫が悪くなったら、そっちを焼き畑にしたりするらしい」
「それまでほったらかしですか? 肥料は? 土作りは?」
「硬い土を柔らかくするだけだな。水やりも雨任せかな」
「炭や灰、石灰などは?」
「用水路は?」
「堆肥やわらは?」
「俺も良くわからないんだ。勘弁してくれ」
女中たちは越の農法しか知らないから、それが当然かのように質問してくるが、第1次移民たちが苦労して会得した農法なのである。
しかし、水が豊富なら、焼き畑でも収穫倍率は30倍くらいになる。
特に倭国の国土は海と山に挟まれた狭隘地ではあるが、その分、水が豊富である。
周でも川沿いでの収穫が高いのは知られている。
ただ、川沿いは氾濫があると全滅してしまうので、氾濫の起こらない場所で畑を作りたがる。
河川の氾濫により全滅するのは、農産物だけではないからだ。
向こう岸が見えないほどの大河が氾濫すると言うのは、世界絶滅のパニックムービークラスの災害であり、洒落にならないのだ。
出会ったら、間違いなく死ぬと思っていい。
それなら、川の土ぐらい持ってくれば良いのに、そこまでの労力もやる気もない。
一生懸命頑張っても、税で取り上げられてしまうので、農民の士気が高まらないのだ。
結局、治水工事が農業の要になるのだが、数学も物理もできないし、土木工学も技術も貧弱だから、運任せに工事をするのは貴族が嫌がるのだ。
それに、越の農業が未来過ぎるのだ。
ヨーロッパでも18世紀以降の技術だろうな。
2千年近くも先である。
まあ、カンニングだけれども、領民の女たちが幸せになれるならいいではないか、と思う。
男はどうでもいいのだが、男が頑張って畑を耕せば女たちはついてくるのだ。
そう言えば、ローマ帝国でもこの頃の一般庶民は大麦のお粥にレンズ豆が主食である。
小麦は大半がエジプトからの輸入で、ローマ市民という貴族階級しかパンや肉は食べられない。
実は大麦には毒性がある。
時々、人が死んだりする。
レンズ豆は良くわからない。
本当は見たこともないのだ。
日本のスーパーでは売ってなかった気がする。
ローマには、後にパルチアの小麦も入ってきたんだっけな。
小麦の産地を狙って戦争してたのだろうか?
パンとワインが上流階級のステータスだったのだ。
ワインは先行した文明であるギリシア時代の遺産である。
アレクサンダー大王、万歳! である。
こっちにもいたのだろうか?
パルチアとはざっくり言ってしまえば、バビロニアやペルシャであり、昔のメソポタミアである。
そう言えば、ペルシャもアレクサンダー大王が滅ぼしたんだっけ?
考古学者は発掘できないと文明がなかったように言うが、数万年に及ぶ狩猟民族の歴史の後は、遊牧民族の歴史であり、その後、農耕民族、都市国家が生まれていくが、実際は平行している文化である。
都市国家が滅んで牧畜に戻ったりもしている。
だから、発掘できない文明などいくらでもある。
定住しなければ国家も民族も文化も風習もないかのようであるが、それは発掘できないだけで、紀元前8千年にメソポタミアがあったように、同じ頃から周辺にはスキタイやサマルタイが遊牧民として住んでいた。
定住していないが、ちゃんと文化は持っている。
彼らは今頃はサカ人と呼ばれて、ティルクや月氏に追われて南下している。
原因は匈奴の侵入である。
匈奴が去ると、今度は北に押されたティルク系と繋がったゴート人(ゲルマン人)が押し出てくるから、ローマ帝国も大変である。
ついでに言うと、中国人を漢民族というが、春秋・戦国時代で漢人と言えば楚の国の人であり、中原の周から見れば南蛮の国である。
秦の始皇帝にやられて復讐に走ったのが楚人だったと思う。
項羽も劉邦も楚人だった。
四面楚歌って言うしな。
元々、中原に住んでいた人々は華夏族と呼ばれている。
堯・舜・禹の時代から夏王朝へと続くからだろう。
その後、漢が前後で四百年も続いたせいで漢民族になったのだろうが、更にその後は、五胡十六国や隋唐(鮮卑)、元、清(満州族)など異民族の国ばかりである。
華夏族どころか漢民族も怪しいものである。
だが、血統は濃くなる方が問題であり、異民族の血が混ざった方が良いわけだから、きっと数千年前の狩猟民だった頃の人類は、獲物と異民族(部族)の血を求めて彷徨ったとも言える。
基本的に、子供が作れるのは同種である。
それに、仮にだが、イケメンや美人の方が子孫を残せるチャンスが高いとするなら、俺だって2千年後の世界に生まれたのだから、淘汰により相当なイケメンであるはずなのだ。
そうでないと論理的におかしい。
もし、この仮定が間違っているとするなら、別にイケメンや美人でなくても、子孫を残せると言うことだから、誰も、何も悲観することはないと言うことになる。
いや、ウメみたいにお尻が大きいのも子孫を残しやすいか?
と言うか、残したい。
沢山、残したい。
「伯爵様?」
「ああ、何だっけ?」
今は夕食後で、挨拶に来た人間族のじいさんに酒を振る舞ってから帰したところである。
無事に氷見村の村長ということになって喜んでいるようだった。
七尾に親戚がいるから、そこの娘を嫁にもらってくれとか言っていた気がするが、態々人間族を存続させる必要は無いと言っておいた。
そのうちに納得するだろう。
俺は、大分、フリーズしていたようだ。
接待は殆どキリたちに任せっきりだった。
「伯爵様、今夜はちゃんと抱いてくださいね」
「何だって!」
「だから、キリも抱いてください」
キリは、部屋にかい巻き布団を並べながら、世間話でもするように言った。
風呂上がりで、匂い立つように色っぽい。
まるで…… まるでなんだ? 奥さんが今日は抱いてと言うみたいか?
いや、奥さんなら言われなくても抱くだろう。
それとも、わ・た・し♪ みたいなことを言われない日は駄目なのだろうか?
毎晩お願いするとか?
毎晩お願いされるとか?
いや、奥さんいたことないからわからない。
いや、奥さんはいたのだが、セックスレス夫婦だったんだっけな?
何故、セックスレスだったんだっけ?
クズ頭は動揺しておかしくなっている。
前からおかしかったけれど。
そもそも、キリは奥さんじゃないし、処女だろう?
なんで、こんな話になっているのだろうか?
「ど、どうして、そんな話になるのかな?」
「だって、私みたいな者でも、周王国の御使者様に望まれたら困るでしょう?」
「望まれても断る覚悟でついてきてもらったんだよね?」
「でも、伯爵様の紋章があれば、最初から阻止できるかもしれないのでしょう?」
「こ、殺されたりしなければだけど……」
「では、殺される前に抱いてくださいね」
何だか、決定事項のようだった。
ええと、なんでこの4人を選んで連れてきたんだっけ?
伯爵の世話をするためだよな。
それから、使者がスケベ男で、女が欲しいと言い出した時に、妹だとクズの紋章があるから、ええと、俺を殺して奴隷にする可能性があったからだよな。
それから、何だっけ?
年長で仕事ができるからだよな。
うん、正常だ。
正しいチョイスだよなあ。
キリは囲炉裏の火を調整し、布団を5人分並べている。
何故、5人分なんだろうか?
隣の部屋もあるんだよね。
こっちの部屋の方が暖かいからとか?
いや、まだ寒くはないだろう。
そこに風呂上がりのハギが現れた。
胸をタオルで隠しただけの恰好である。
下は丸出しで、超色っぽい。
ハギは明るい美人で、身体つきも中肉中背というのか、グラビアモデルっぽくて悪くない。
おっぱいも悪くない。
太股もスラリと長く、悪くない。
いや、悪くないと言えば、女中はみんな標準以上で悪くない。
ハギはその悪くない中でも悪くない。
何言ってんだ、俺?
「伯爵様、今夜はちゃんと抱いてくださいね」
「ええっ!」
「だから、ハギを抱いてください」
「キリが先ですよ」
「じゃあ、ススキもです」
「ずるいわ。ボタンも!」
部屋には次々に風呂上がりが現れた。
タオル以外は全裸である。
いや、全裸でタオル1枚と言うべきか。
「まあ、順番はお好みでいいわよね」(キリ)
「4人は多いかしら」(ハギ)
「全部で十回とかの夜があったとか」(ススキ)
「あの時は3人だったと聞いた」(ボタン)
「今夜は4人だけど」(キリ)
「4回なら大丈夫ね」(ハギ)
「私、初めてなので、取りあえず1回かな」(ススキ)
「みんな初めて」(ボタン)
「上手にはできないけど」(キリ)
「随分と見てきたけどね」(ハギ)
女中、いや、今は女中頭になった4人は勝手に盛り上がっている。
何故、こんなことになっているんだっけ?
みんな、ちょっと冷静になろうよ。
「みんなは、何処かに嫁に行く予定はないのか?」
「嫁に行くにしても、最初は伯爵様がいいです」
「まず、試してみないとね」
「やらないとわかりませんし」
「やってみてから」
不倫もなければ、結婚すらグループ婚みたいなものだから、処女性など問題にならないのだろう。
でも、何かしら拘りはないのか?
嫁とか、妻とか、グループ婚の意味は、流石に女中たちには通じるようになってきた。
邸では、全部、妹を指す言葉だが。
一夫多妻もグループ婚のひとつらしい。
「普通の女の子は、どんな風に嫁に行くんだ?」
「そうですねえ……」
キリが首を傾げると、ハギたちも集まってきた。
ガールズトークでも始めるような感じである。
男の前で、全裸でと言うところが少し変だが。
いや、大分変かな。
ズキズキしてきた。
上も、それから下も。
「まずは、お祭りの夜とかに相手を見つけます」
「うちの村は、離れの小屋に未婚の男たちが待っているらしいわ」
「うちは林の中だって」
「大体、年長のお姉さんが連れて行ってくれるのよね」
「そうそう、男の子も年長が集めてくれるって」
「でも、大抵は暗くて相手が良く見えないって言ってた」
「後ろ向きだし」
「ええっ、そうなの?」
「何処も同じみたいね」
「キスはなし?」
「普通はなしね」
「そうなんだー」
「伯爵様が特別なのよ」
「やっぱりね~」
「す、凄いものね」
いや、普通だと思うぞ。
それに、段々俺に対する説明でなくなっているからね。
「キスは前戯と呼ぶらしいわ」
「きゃあ、お戯れって意味?」
「モモが嫌がるやつね」
「お戯れがキスだと知ったら、モモも変わるわよ」
「お戯れしてください、とか」
「前があるなら後ろもあるの?」
「あるんじゃないかな……」
本当にガールズトークぽくなっているからね。
略すと『ギャルとく』だろうか?
JR○日本で売り出しそうだ。
いや、ソフト○ンクだろうか。
そう言えば、アルコールが入っていないのを『ソフトドリンク』と呼ぶけれど、アルコールが入っているのは『ハードドリンク』と言わないよね。
うーん、何か、話の輪に入れないなあ。
裸を観察しているだけって、滾ってきて良くないのだけれど、会話スキルがないのだ。
「まあ、そんな感じで初体験すると、次は男に誘われて小屋に行くようになるのよね」
「少し年上の男たちのグループに入ることも多いわ」
「誰にも誘われないと叔父さんに嫁ぐとか」
「そう、うちの村でもそう言われてた」
「何となく、嫌だったね」
「うん、嫌だった」
「嫌だと、兄に頼むらしいのよね」
「やっぱり、兄がいると安心よね」
「そのまま、兄のグループって多いわよ」
「兄がいれば、安心して独立させられるしねえ」
「でも、同年代の男の子が不機嫌になったり、泣いたりしない?」
「まあ、男は15歳まで待つのだから、それまで仲良くしたり一緒に遊んでいても無理よね」
「10歳ぐらいから男の子と遊ばなくなる子もいるわ」
「私は女中に選ばれた時に、沢山の男の子たちが確認に来たわ」
「私も」
「私だって」
「ハギ狙いは多かったね」
「キリはお子様だったのでは」
「ええっ、ちゃんと泣いてくれた男の子もいたよ」
「年下でしょ」
「そうだったけど、いいじゃない」
そんなに簡単な話なのだろうか?
それから、叔父さん人気ないな。
男の子は身近な女の子たちが去って、初めて大人になろうと努力するんだろうなあ。
「兄がいない場合はどうするんだ?」
「兄のいる子にくっついていけばいいんですよ」
キリが何でもないことのように言う。
初体験はともかく、結婚までもそれでいいのだろうか?
それでも、奴隷時代よりはずっとマシなのだろうか?
「その、奴隷だとどうなるんだろう?」
「族長が分配するとかでしたか?」
「良くは知らないけど、そんな感じなのかしら?」
「伯爵様の方が詳しいんじゃないですか?」
「いや、噂だけで俺も良く知らないんだ」
「ならば、経験者を呼びましょうか」
ハギがそう言って、部屋を出て行った。
おーい、全裸のままだぞー。
キリは囲炉裏の調節をし、ススキとボタンは酒の用意を始めた。
話が長くなると思ってのことだろう。
すぐに、ハギが奴隷紋の手伝いを二人も連れてきた。
こちらも風呂上がりなので、昼間のような泥をかぶったような状態ではなく、二十歳前後の色っぽいお姉さんたちだった。
ちなみに、全裸である。
すげー色っぽい。
それも、半端ではない。
少女が少女に見えるのだ。
何だか、余計に居心地が悪くなっていくような気がする。
俺の右側にキリとハギ。
左側にススキとボタン。
向かい側に三ケ村のフィティ。
たれ犬耳の元性奴隷だという。
褐色の肌の、もの凄い美人である。
その隣に、黒部村のシア。
元奴隷の移民で、移民には珍しい猿人である。
こちらは色白の美人だった。
全員で囲炉裏を囲んで、酒が回される。
つまみは炒り豆とスルメだ。
囲炉裏で炒ったり炙ったりする。
フィティとシアは、最初だけ俺にきちんと挨拶したが、後は無礼講のようだった。
普通に女中たちと仲が良さそうである。
駆け付け一気飲みして、フィティが口を開く。
「性奴隷は器量が良いと7歳ぐらいで売られていきます。領民の村だと主人は限定されず、他の性奴隷に育てられながら色々と仕込まれます」
色々って、やっぱり色々なんだろうな。
俺にも一人だけ毛色の違う妹がいるから、何となくはわかる。
抱くのと、好きにするのは少し違うのである。
サリはさりげなくサービスしてくれて、俺の知識や経験値を上げてくれていた。
しかし、目の前に元とは言え経験者がいると、とても恥ずかしくてどうして良いのかわからない。
二人は、美しいと色っぽいが同義語のようなタイプである。
玄人っぽいのは苦手なはずなのだが、二人にはきっちりとした性格が見て取れるから、ちょっといいなと心がざわついて困る。
「おっぱいがふくらむ前に、村の幹部の相手をさせられます」
「早くない?」
「痛くないの?」
「性奴隷は嫌がるという選択はできないのですよ」
「うーん」
「それはちょっと」
「むしろ、幼いうちから教え込まれた方が楽なのかもしれませんよ」
シアが参加すると、余計にリアルな感じがした。
俺はここで聞いていていいのだろうか。
本当は聞きたくないのだが、奴隷解放を目指す者としては逃げてはいけないような気がする。
「ええっ?」
「やっぱり奴隷も同じなの?」
「奴隷は10歳になると族長の相手に選ばれます」
「うちなら村長ってこと?」
「それも嫌かな」
「10歳は早すぎじゃない?」
「男女のことなど何も知らないうちにする方がいいのですよ」
「何故?」
「どうして?」
「妊娠する心配がないから、分配に不公平感がないでしょう?」
「性奴隷も、誰かが独占しないように幼い頃に経験させるのです」
「それに、早くからすると、妊娠しづらいと言いますよね。迷信でしょうけど」
確かに妊娠は確率的なものであるが、早くても11歳のイベントで、それ以前はあり得ない。
だからか、確率が低くなる可能性はある。
それとも、母体保護プログラムでもあるのだろうか?
ガールズトークは酒と共に進んでいく。
凄い話も平気でしている。
最初はテーブルに伏せてお尻を持ち上げるようにして待つとか、3人続けてとかもあるらしい。
族長のオルドと同じ話である。
「痛いんですよね」
「最初だけだわ」
「でも、3人なんてねえ」
「まあ、すぐに終わるわよ」
ロリコンは早いのだろうか?
それから、良くなる方の話に移っていった。
13歳なら自分からおねだりするくらいだとか、子供を産んでからは蕩けるから、弾けるように感じるようになるとか、俺ものどをゴクリと鳴らして、キリにアイコンタクトを取られてしまった。
反対側からボタンも見つめてきていた。
死ぬほど恥ずかしかったが、逃げ出せる雰囲気ではない。
ある意味で、修羅場に近いのかもしれない。
ただ、キリもボタンも、見ているとドキドキする。
横から見るおっぱいは、小さめでも凄くいいし。
「でも、そんなに感じてばかりいたら、仕事にならないのですよ」
「ええっ、感じないの?」
「そ、そんなことできるの?」
「気持ちよくならないの?」
「気持ちよくなっていたら仕事になりません。感じ過ぎる性奴隷は長生きしないと言われていますよ」
フィティが一気に杯をあおる。
いける口のようだ。
シアはちびちび飲んでいるが、酒瓶が空くのが早い。
ああ、白酒ではなく、高級な黄酒の方だ。
紹興酒に近いと言えばいいだろうか。
何年ものかは、聞くのは止めた。
こんな機会は二度とないだろうし、いい思い出になるだろう。
もしかしたら、酔い潰れるという可能性だってあるかもしれない。
「ああ、ハギには無理そうね」
「そ、そんなこと……」
「声も大きいし」
「そんなに大きくは」
「いいえ、大きいわ」
「もう、まだしてないのに……」
「やる前からわかるって凄いかも」
「いやだぁ、やめてぇ」
「男が素早く満足する技術や演技もありますよ」
「知りたい」
「わたしもしりたーい」
「教えて」
「ちょっと興味あるかもー」
それから女同士でゴニョゴニョやり出して、
「きゃー」
「そんなこと!」
「できるかな」
「すごい」
などと、合いの手ばかりが聞こえてきた。
しかし、やっぱり性奴隷は簡単ではないのだ。
一見、性奴隷は普通の奴隷よりも羽振りが良く見えるのだが、階級が上と接しているだけで、決して待遇がいいわけではないのだろう。
美人に生まれついただけなのに。
やっぱり、奴隷制度は廃止だな。
「まあ、姫様方は自然と伯爵様を味わえばよろしいのですよ」
「そうですねえ、奴隷じゃないのですから、普通に楽しめばいいのです」
「ひ、姫様?」
「私が姫様?」
「ちょっと良い感じ」
「悪くないかも」
「どうせ、今夜から姫様でしょう?」
「そうですね、羨ましいです」
妙なガールズトークが始まった頃から、俺は少しずつ囲炉裏端から戦略的撤退をしていたのだが、今では全員が囲炉裏のこっち側にいる。
途中でお尻の下のタオルを取り替える度に、俺の近くに座り直すからだ。
実は、もう、これ以上は下がる場所がない。
かい巻き布団の端であり、壁際である。
全裸の女が6人もいて、目の前でガールズトークを繰り広げていたら、男なら逃げるか襲うかの2択しかないのではないだろうか?
何しろ、滾ると言うのか、興奮を隠しきれないのだ。
「でもでも、伯爵様は全然女中を抱いてくれないんですよ」
「そうそう、水を出して終わりなの」
「どうしたらいいのでしょう?」
「私たちが嫌いなの?」
「そうですねえ……」
フィティが俺を睨むように眺める。
ちょっとキョドってしまった。
冷や汗が流れる。
俺にもタオルが必要かもしれない。
取りあえず、もう少し飲んでおこう。
俺は手酌で酒をお替わりした。
味など、全然わかりませんでした。
「多分、女を抱くのに理由や言い訳が必要なタイプなのでしょうね。感情面での経験値が低いというか、相手の気持ちがわからない男というか。嫌われるのが怖いのかもしれませんね」
「つまり?」
「単なる、根性なし。つまりは、へたれですね」
どきん!
「だから、ゴニョゴニョするといいでしょう」
「本当に?」
「ええ、大丈夫」
「じゃあ、キリからね~」
キリが立ち上がり、俺にしがみついてくる。
「伯爵様ぁ、キリのことぉ、お嫌いですかぁ?」
「い、いや、嫌いじゃないぞ。酔っていなけりゃな」
真面目で優等生タイプのキリが甘えたような声を出すなど、予想外だった。
だが、これもいい。
「じゃあ、好き?」
「あ、ああ、好きだな」
目が泳いでしまった。
「なら、ちゃんと証明して!」
「で、でもだなあ」
「証明して! してくれないと使者の奴隷になりますから!」
確かに周の使者に奴隷は禁止できない。
「うーんと、俺でもいいの?」
「は、はい!」
キリは飛び込んでくると身体と唇を密着させてきた。
気持ちは恥ずかしかったが気持ちは良かった。
俺の気持ちはともかく、身体の方はずっとスタンバっていて、抱きしめてキスしたら止まらなくなった。
ずっと、4人とはキャーキャーふざけてばかりいたが、今ではこうなることを待っていたような気さえする。
嫁に行かす気など、全然なかった。
言えなかったけど。
キリの小さなおっぱいもお尻も、柔らかくて気持ちよかった。
キリは小さく喘ぎ続けて、可愛かった。
身体は熱くなるばかりである。
「キリ!」
「ひっ!」
俺はキリを強く抱きしめた。
いつもは一番大人っぽいキリだが、今日は可愛くて、少女らしかった。
涙を浮かべながらも、覚悟はしているようだった。
「伯爵様、や、優しくして、ひぁ、うぐぅ」
情け容赦なくキリを抱いた。
「ひっ、ひっ、ひっ、あぁ、凄いぃ、ひぁ」
キリは泣いていたが、嫌がってはいなかった。
有能な秘書タイプだが、夜は逆に甘えるタイプなのかもしれない。
「うぁぁーんん」
キリはちゃんと終わり、俺もちゃんと終わった。
傍らで目を閉じるキリはとても愛らしかったが、余韻に浸る間もなく、俺はハギに引き剥がされて、下半身を拭われていった。
キリはススキとボタンに持ち上げられて、布団の端の方に寝かされていた。
「ハギの順番ですよ、伯爵様」
「ええっ、ちょっと」
「ハギの順番ですよね♪ でないと奴隷に……」
ハギは手拭いにぎゅっと力を入れて、俺ごと握りしめると、恐ろしい笑顔で言った。
「はいぃー」
ちょっと声が裏返ってしまった。
ハギは処女のくせに、恐ろしく経験値が高いのだ。
更に恐ろしいのは、もの凄く感じやすく、反応も凄い所である。
声も大きい。
「ああー、伯爵様ー」
大きめのおっぱいも、くびれたウエストも、長い脚も、何処でも感じてくれて、無意識に声を出す。
「あぁー、ああーん」
流石に破瓜の時は痛がるかと思ったのだが、違った。
「うぁ、ああーん」
最初に軽くいっているし、その後も何度も何度も絶頂を迎えているのがわかる。
その度に背中にツメを立てるようにしがみついてくるからだ。
「あっ、ああっ、ああん、また! あっあっ、もっと、ああーん、またいくー、ああ、またー」
ある意味、終わりがないのだった。
きっと、俺のペースがハギのペースになっていくのだろう。
いい女過ぎる。
「ああああぁー」
俺が終わると、『もっと』とは言わずにハギは力尽きた。
凄くいい。
俺もハギのおっぱいを掴んだまま、ハギの上で荒い呼吸を繰り返していた。
しかし、平和は長くは続かないのだった。
「もう無理です!」
「我慢できない!」
ススキとボタンによってハギから引き剥がされると、二人に交互にキスされて、両方のおっぱいを揉みしだきながら、両方を同時に抱くことになった。
ススキは身体に骨がないかのように柔らかく、ボタンの肌は吸い付くような感触だった。
甲乙つけがたい。
いや、甲も乙も、おつである。
「ひぁぁぁぁー」
「あぁぁぁーん」
しかし、ススキがダウンするとシアが乱入し、ボタンを終わらせるとフィティが乱入してきた。
「ま、拙いですよ」
「夜の支配者は女なのです。諦めなさい」
そうだったのか!
それで逆らえないんだな。
本当か?
フィティは美しい野獣の顔をしていた。
女豹とかかな?
俺はシアを貪りながら、フィティに貪られていた。
甘美で、柔らかく、激しい天国は、終わりがなかった。
終わっても、終わらなかった。
その後、復活したハギまで乱入してきたのだ。
まあ、これが、どれほど良い世界なのか、人に伝える能力を持たない俺はクズだった。
女はすべからく、いい女なのだ。
女はすべすべで、いいものなのだ。
熱く、柔らかく、いい匂いがする上に気持ちいいなど、これ以上のものは存在しない。
男にとっては女が、女にとっては男が、それぞれ神が与えてくれたご褒美というやつに違いなかった。
しかも、お互いがお互いを与えられるのである。
好き嫌い言うやつは、一度食べてみてから言う方がきっとお得だと思う。
食わず嫌いは損すると思うよ。
「うぁぁん、凄いのー、凄いのー、こんなの、こんなの、初めて、あぁ」
「ひぁぁぁ、あん、あんっ、わたし女に、女にされちゃうー、あん、あん」
「あーん、あーん、あーん、あぁーん」
まあ、感想は個人的なものです、とかかな?
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