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寿命365日の最弱ウミウシに転生した元プロゲーマー〜今度こそ世界一位をハメ殺す〜  作者: 神城ラグ
『第二章:深海エリアへの進出と強敵との遭遇、ライバルとの実力差の測定』
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第二十二話 誤差

深海をネオン紫の軌跡が駆ける。

 進化を終えたノアは、水深四千メートル付近を移動していた。

 視界には無数のログ。

 海流。

 振動。

 生体反応。

 全てが鮮明に見える。


 だが。

 その中に一つだけ異質な反応があった。


【生体反応を検知】

【推定レベル:68】


 ノアは進路を変える。

「次の経験値か」

 海中を駆ける。

 数分後。

 目的地へ到着した。


 だが。

 そこには何もいなかった。

 巨大な岩場。

 深い海溝。

 暗闇だけが広がる。

「逃げたか?」


 その瞬間だった。


【危険】

【危険】

【危険】


 未来フレーム予測が悲鳴を上げる。

 同時に。

 横合いから巨大な衝撃が突き刺さった。

 ドゴォォォォォォォン!!

 ノアの身体が吹き飛ぶ。

 海底を削りながら転がった。


「っ!?」

 反応はできた。


 だが避けられなかった。

 ノアは体勢を立て直す。

 そして見た。

 暗闇の中。

 ゆっくりと旋回する巨大な影を。


【個体名:深淵鮫】

【Lv68】


 灰色の巨体。

 鋭い牙。

 傷だらけの外皮。

 歴戦の捕食者。


 だが。

 ノアが気になったのは別だった。

「おかしい」

 未来フレーム予測は動いていた。

 攻撃も予測していた。


 それなのに。

 完全回避できなかった。

そして深淵鮫が消える。


 いや。

 消えたように見えただけだ。

 未来フレーム予測は反応している。

 紫色の線も表示されている。


 それなのに。

 身体が追いつかない。

 ドゴォォォォォォォォン!!

 三度目の衝撃。

 ノアの身体が吹き飛ばされた。

 紫色の外殻が砕ける。

 深海に破片が散る。


「……おかしい」

 速度じゃない。

 未来フレーム予測は機能している。

 攻撃も見えている。

 回避ルートも表示されている。


 だが。

 避けた先へ牙が来る。

 まるで。

 俺の行動をわかっているように。

 深淵鮫は静かに旋回する。

 追撃しない。

 焦りもしない。


 ただ獲物を観察している。

 余裕だった。

 レベル差だけではない。

 捕食者としての格が違う。


「未来を見てるのは俺だけじゃない……か」

 あり得ない。


 だが。

 そうとしか思えなかった。

 深淵鮫が再び動く。

 海流が揺れる。

 巨大な背びれが闇を裂く。

 未来フレーム予測が警告を鳴らした。


【死亡予測】

【死亡予測】

【死亡予測】


 赤い線が視界を埋め尽くす。

 だが。

 ノアの口元は歪んでいた。

 恐怖ではない。

 歓喜だった。

 久しぶりだった。

 攻略法が見えない敵は。


「面白ぇ」

 ネオン紫の瞳が細くなる。

「やっと見つけた」


 深淵鮫が迫る。

 ノアも動く。

 深海に二つの影が交差した。


 攻略開始。

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