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寿命365日の最弱ウミウシに転生した元プロゲーマー〜今度こそ世界一位をハメ殺す〜  作者: 神城ラグ
『第二章:深海エリアへの進出と強敵との遭遇、ライバルとの実力差の測定』
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第十九話 最適解

観測不能領域を後にしたノアは、ゆっくりと上層へ戻っていた。

 目的地は水深三千メートル付近。


 理由は単純だ。

「今のままじゃ足りない」

 脳裏に浮かぶのは、あの光景。

 巨大な深海ボス。

 規格外の一撃。


 そして。

 それを正面から弾き返した小さな影。

 アイン。

 前世で一度も勝てなかった男。


 だが。

 今は考えない。

 考えたところでレベルは上がらない。

「必要なのは経験値だ」

 ノアは思考を切り替えた。

 アイン対策は後回し。


 まずは強くなる。

 それが最優先だった。

 現在レベル50。

 次の進化は60。

 進化による性能向上は大きい。

 寿命を消費する欠点はあるが、それでも価値がある。


 だからこそ。

 今は最短で60へ到達する必要があった。

「格下は論外」

 経験値が入らない。

「格上すぎても効率が悪い」

 時間がかかる。

 寿命も減る。


 つまり。

 必要なのは絶妙なライン。

 勝てる。


 だが強い。

 そんな相手だった。

《未来フレーム予測》起動。

 ネオン紫の予測線が広がる。

 海流。

 生体反応。

 魔力反応。

 すべてを統合する。


 そして。

 ノアは一つの反応を見つけた。

「いたな」

 水深三千メートル。

 深海の裂け目付近。

 異常な電流反応。

 普通の生物ではあり得ない数値だった。

 ノアは《亜音速航行》を起動する。

 海中が爆ぜた。

 数分後。

 目的地へ到着する。

 そこは奇妙な場所だった。

 周囲に生物がいない。


 いや。

 正確には近寄れない。

 海水そのものが微弱に発光している。

 青白い電光。

 バチバチと走る火花。

 離れた位置にいた小魚が一匹。


 その瞬間。

 弾け飛んだ。

 黒焦げになって沈んでいく。

「なるほど」

 ノアは静かに分析する。

「縄張りそのものが即死フィールドか」

 さらに奥。

 巨大な岩陰。

 そこから途轍もない電流が漏れていた。

 まるで海そのものが脈打っているようだった。


 そして。

 次の瞬間。

 バチィッ――!!

 深海全体を照らすほどの閃光。

 ノアの視界が白く染まる。

 未来フレーム予測が警告を鳴らした。


【危険個体を検知】

【推定レベル:60】

【高濃度電撃反応】

 ゆっくりと。

 岩陰から巨大な影が現れる。

 長大な身体。

 青白い発電器官。

 赤く光る双眼。

 その周囲だけ海水が激しく放電していた。


【個体名:深層雷帝ウナギ】

【Lv60】

 ノアの口元が歪む。

「ちょうどいい」

 レベル60。

 進化までの最短ルート。


 そして。

 格上討伐による大量経験値。

 条件は完璧だった。

 電流が海中を駆ける。

 巨大なウナギがゆっくりと口を開いた。

 対するノアは笑う。

「経験値になれ」


 深海に紫色のノイズが走る。

 戦闘開始まで。


 あと一瞬だった。

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