いきなり決戦?
その世界は、灰と赤のコントラストで覆われていた。
上半分は灰色の空、下半分は赤色の大地が続く世界。
一年の殆どが雲に覆われているために太陽の恵みは遮られ、恵みのはずの雨が激しく降り注いで全てを押し流した後には植生に適さない赤色の大地しか残らなかった。
そんな世界ゆえか過酷な生存競争を生き抜いた種しか存在しない世界であり、人は滅多に住んでない。
代わりに住んでいるのは魔物、そして魔族であった。
人そこを魔界と呼ぶ。
魔の者たちが住む世界という意味を込めて。
そんな魔界は今、戦乱の中にあった。
「「「おおおおおおおおお!!!!」」」
枯れた大地を数多の魔物や魔族が覆い尽くす。
彼らは互いに二つの勢力に分かれ互いに争っていた。
互いに組み合い噛み合い斬り合い食べ合い押し合いへし合い焼き合い凍らせ合い殺し合い。
まさに修羅場。あるいは地獄。よくある戦場の光景。
「「魔族に栄光あれ!」」
彼らは戦う。大義のため。譲れないものがあるため。守るため。生きるため。
「「幸太郎を殺せええええ!!」」
「「幸太郎様を守れえええ!!」」
「いやちょっとおかしくない!?」
陣取った丘の上で幸太郎が叫んでいた。
「なんで自分を巡って相争うことになってんの?魔族が?魔物が!?人間を??!!」
幸太郎はカードを取り出して、ビーイングを召喚する。
あらわれた異形は一礼して、すぐに前面に移動する。
多数の異形が幸太郎を囲っていた。
それらは全て幸太郎が呼び出したビーイング達だ。
それは自分の身を守るためだった。
幸太郎はそうして味方の魔族が時間稼ぎしている間に準備を整えていた。
「ははは、流石は幸太郎様ですな。これ程の魔物を従えているとは」
「黙れ元凶。あんたのせいでこんなことになっているんだろうが!」
となりの魔王に幸太郎は叫ぶ。
魔王があんなことをしなければ、このような事態には陥ってなかった。
「畜生俺が一体何をしたというんだ…」
幸太郎は心底嘆きながら自分と魔王の身を守るためにマナが貯まる度にビーイングを召喚し続けた。
発端は数ヶ月前に遡る。




