9 両親の誇りと、待ちどおしい再会の日
父は、箱から取り出した最高級の魔鉱石を愛おしそうに見つめました。
「まったく、あいつは……。Aランク冒険者の俺でも命懸けじゃなきゃ手に入らないような素材を、河原で拾った石ころみたいに送ってきやがって…」
「ふふ、マリナらしいわね。でも、このお薬のレシピ……本当にすごいのよ。街の病院でも治せなかった病気が、マリナの指示通りに作ったお薬で治っちゃったんだから」
母は自慢の娘の成長が嬉しくてたまりません。
定期便が届くたび、両親は確信していました。
娘はただ生き延びているのではない。
妖精の国で、誰よりも「強く、賢く」育っているのだと。
「マリナの手紙によると、妖精の郷の魔法をマスターしたら、自分の力で次元の壁をこじ開けて帰ってくるって書いてあったな」
「ええ。あの子のことだから、本当にやってのけるわね」
二人は顔を見合わせ、頼もしい愛娘の未来に微笑みました。
「フェリクス。お姉ちゃんが帰ってきた時、恥ずかしくないように、俺たちももっと強くなろうな」
「うん! 僕、もっとお薬の勉強をして、お姉ちゃんをびっくりさせる!」
フェリクスは小さな拳をぎゅっと握りしめました。
ガゼルの家は、いつでもマリナを迎え入れる準備ができています。
そして妖精の郷では、そんな家族の待つ人間界へ帰るため、一人の「最強幼女」が着々とその力を蓄えているのでした。




