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54 創造神爆誕?

「師匠、僕は師匠の謎がわかった気がします!」


翌日、起きるなりケンちゃんが目を輝かせながら言ってきた。

「うんうん、さすが名探偵ケンちゃんですね〜」

寝起きの頭の回転数はいつもの半分以下。

それでなくても落ちてきた理解力で、何のことかピンときてなかった。

「私に謎なんてありませんよ〜、見たまんま、そのまんまの麻美さんですよ〜」


勘のいいケンちゃんは、この状態の私に何を言っても無駄だと察したのかその後は何も言わなかった。

私も私で、そんな朝の会話を覚えているはずもなく、いつも通りのルーティンをこなして過ごしていた。


昼食後、ソファでひと休みしていると、

「師匠、師匠の謎が解けた気がします」

ちょこんと隣に座って、そんな風にケンちゃんが切り出した。

そういえば、朝もそんな事を言っていたかもと思い出す。


「通常魔法を使うときは、五属性の理論に沿って魔力を変換します。

火ならこう、水ならこう、と。だから“理論の構築”が必要なんです。

でも師匠は違いますよね?師匠は、思い浮かべたものを、そのまま魔法として具現化しているんじゃないかと。

属性の型を使っているように見えて、実際は使っていないように思うのです」


うーん、確かにそうかもしれない。

だって、魔法理論?習ってないし。構築するもなにもやり方が分からない。

頷くだけにとどめて、話の先を促す。


「だから、火も水も風も土も、全部“それっぽいのに違う”んです。

雷だって、師匠は扱ったことのない属性なのに“出したい”と思った瞬間に出せました。

つまり、師匠はそもそも五属性の枠にいなかった。理論の外側にいるんです。

師匠の魔法は、五属性とは別の“超属性魔法”なんじゃないかと。

もしそうなら、理論なんて必要ありません。

“できると思えばできる”――そんな、理を超えた具象化魔法ではないでしょうか」


「え、えっと。それって、つまり、私はめちゃくちゃ変ってこと?」


ケンちゃんの言葉に戸惑いながらそういうと、

ケンちゃんはもげるんじゃないかってくらい、横に振った。


「違います!変なんかじゃありません。最強なんです師匠は!

五属性の理論に縛られず、“こうなれ”と思ったイメージをそのまま現実にできるなんて......

そんな魔法、僕は聞いたことがありません。

普通の魔法使いが一生かけても辿り着けない領域です。

師匠は、“超属性魔法”の使い手で、魔法理論の外側にいる、特別な存在なんだと思うんです!」


その言葉に、みとがしっぽをゆったりと振りながら言った。


「ケンの言うとおりだな。麻美の魔法が、常の属性とは少し違うことは、前々から感じていた。

火にも水にも似てるが、どれでもない。“麻美の魔法”としか言いようがなかったからな」


こつぶも頭を大きく縦に振りながら被せるように同意した。


「ぼくもなんとなくそう思ってたよ。

麻美の魔法って、いつも麻美の色が強いんだよね」


みんなに同意してもらい少し嬉しそうなケンちゃん。


「だから、師匠。

もし本当に“イメージしたものを具現化できる”なら、色々試してみませんか?」


「色々ねえ......。

変身魔法とか?あ、じゃあ若返りとか!?」


犬モンたちが「おお〜!」と盛り上がる。

なによ、50歳目前のおばさんで悪かったわね。

ケンちゃんは少し戸惑いながらも、真剣にうなずいた。


「師匠なら、そういったものもできるかもしれません」


「じゃあ、ちょっとやってみるね」


私は深呼吸して、

“若返った自分”を頭の中でイメージした。

肌つやつや、髪さらさら、体力無限、寝ても疲れない、誰もが振り返って見る若かりし頃の私......いや、ちょっと盛ったかもしれないけど。


胸の奥がふっと熱くなり、

次の瞬間、体が光に包まれた。


「わっ......!」


光が収まると、犬モンたちが一斉に目を丸くした。


「麻美......! ちっちゃくなってる!」


「うわ、若い! ていうか可愛い!」


「すごいわねぇ......ほんとに変身したわ」


ケンちゃんはぽかんと口を開けたまま固まっていた。


「し、師匠......本当に......若返ってます!」


どのくらい若返っているのか自分ではわからない。

両手を見ると確かに小さい?

くるりと一周回ってみたり、ジャンプしてみたりする。

なんか身体が軽いかも!

その時だった。


ピコ......ピコ......


胸のあたりが光った。


「......え、なにこれ」


「麻美、そこ、なんか光ってるぞ」


「えっ、ちょっと待って、なんで!?」


見ると透明な卵型のブローチ?のようなものが、胸元にあってピコピコ光っている。


「し、師匠......これは......何の意味が......?」


「わ、わかんない!!だって私の魔法だよ!?

あー!!もしかして!?」


私はピコピコ光る胸元を見下ろしながら叫んだ。


「これ......ウルトラマンじゃん!!」


ケンちゃんはウルトラマンを知らないので、

キョトン顔で完全に置いてけぼり状態だった。


「う、うるとら......?」


「いや、いい!説明すると長いから!!」


そして――


ピコ......ピコ......(消灯)


点滅の速さが一段速くなりやがて光がふっと消えた瞬間、

私の体が光に包まれ元に戻ったのがわかった。


「うわっ!」


バランスを崩した私をケンちゃんは慌てて支えてくれた。


「し、師匠......!だ、大丈夫ですか......?」


「うん......ただ......

若返りが多分、3分しか持たなかったね......」


私は膝に手をつきながら、ふぅ〜っと息を吐き出した。


「ヤバい。変身と聞いて完全に......ウルトラマンのイメージが先行したパターンだこれ......」


ケンちゃんは意味がわからないながらも、

とりあえず優しく微笑んだ。


「師匠。今回は初めてでしたし、次はきっと、もっと安定した変身になりますよ!そしてもしできるなら......」


少し照れたように続けた。


「次は、僕にも変身魔法かけてみてください」


私は思わず笑ってしまった。


「いいね、それ!変身した姿なら騒ぎにならないかもしれないし、次回は二人で変身して町にお出かけしてみようか!」



なにそれ、ちょっと、いや、かなり楽しそう!

久しぶりにめっちゃテンションが上がってしまった。



ウルトラの母がいて〜♩

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