26 新しい朝がきた
久しぶりのお肉はたまらなく美味しかった。
脂がのりすぎてない赤身肉って、なんであんなに最高なんだろう。
加齢でカルビが二枚しか食べられない身体になっていた私には、もう感謝しかない。
柔らかくて、味が濃くて、塩胡椒だけなのにめちゃくちゃ美味しかった。
ベッドに横になって1番最初に思う事がお肉って......我ながら若いな。
犬モンたちが聖獣だったことは驚いたけど、お肉を食べるあの時ばかりは完全に“ただの獣”だった。
ケンちゃんも、あのクセ強リポートを封印して静かに食べていたけど、絶対あれ夢中になってたんだろうな。あの子、ちゃんと"美味しい”って顔してたもんね。
ケンちゃんの表情を思い出してちょっと笑みが溢れた。
それにしても......ケンちゃんって何者なんだろう。
あの丁寧すぎる言葉遣いに、育ちの良さが滲み出た立ち振る舞い。そして、あの整った顔立ち。キッズモデル総負けの知的イケメンボーイだよね。
絶対イイトコのお坊ちゃんだと思うけど、隔離されてて森に放置って......そんな話ある?
呪われてるってなに?ご両親はその時どうしてたんだろうか。
ケンちゃんの事も、この世界のことも、私はあまりにも知らなすぎる。
もっと知識がないと、ケンちゃんも自分も守れない。
町長さんに本をお願いするにも......そういえば私、字が読めないんだった。
明日、ケンちゃんに文字教えてってお願いしてみようかな。
そんなことをのらりくらりと考えていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。
――ベロンベロンベロン......
「だっはぁ!?、だから顔を舐めて起こすなっつーの!」
今日もいつも通りの朝が来た。
「おはよう!ケンちゃんよく眠れた?
朝ごはん食べたら、今日から魔法の練習してみようと思うんだけど、どうかな?」
顔を洗って、着替えをして(今日から白T、ジーパンじゃない!)、みんなの朝食の準備開始だ!
その生活、以前と同じじゃない?




