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20.5話 ひとりじゃない夜 byシュラディオル=エンヴァル=オルステイン........以下省略
ケンちゃん視線のお話。
......静かな寝息が聞こえる。
同じ場所に誰かがいて眠るのなんて、初めてのことだ。
(それにしても......今日は色々なことがあった......)
こうして静かに横になっていると、
森で起きたことの現実味が少しずつ薄れていく気がした。
あの魔法は、なんだったのだろう。
数えきれないほど本を読んだけど、
どこにも載っていなかった。
それに、聖獣が本当に存在しているなんて。
しかも5匹も。
あの人は、それを当然のように従えていた。
食事で満たされたのも、初めてで......
......不思議なひと。
でも、一緒にいると、なんだか暖かくなる。
それから時々ふわっと香るあの匂い。
......あれは、”祝福”だろうか。
聖獣についての本に書かれていた、
この世界にはない特別な匂い。
明日起きたら......
弟子にしてくださいって言ってみようか。
あの素晴らしい魔法を学びたい。
あの光のように、誰かを守れるようになりたい。
でも......
僕みたいなのが教えを乞うなんて失礼だろうか。
そんなことを考えていたら、
包まれるように繋がれている左手の感覚が、
じんわりと身体に広がっていく。
今まで感じたことのない、
穏やかで柔らかい空気。
その温かさにくるまれながら、
静かに眠りに落ちていった。
おやすみ、ケンちゃん。




