13 はじめの一歩
そんなこんなで、こっちの世界に来て数日が経った。
少しずつだけど、犬モンたちとの生活(お世話)にもリズムができてきた。
そして——
名前をつけたことで、なんだか距離がぐっと縮まった気がする。
「みと、あおさ、おかめ、とろ豆、こつぶ〜。ごはんだよ〜」
名前を呼ぶと、5匹がそれぞれ“らしい”動きで駆け寄ってくる。
近頃はそれぞれの性格も見えてきた気がする。
みとはクールに、でも誰より速くごはんを食べにくる。
あおさはテンションMAXで跳ねながら。
おかめは控えめに、でも嬉しそうに体をななめにしながら。
とろ豆は全力疾走しすぎて途中で転びそうになりながら。
こつぶは私の足に飛びついてとにかく甘えながら。
名前ってすごい。
ただの“犬モン”だったのが、
急に“うちの子”になった感じがするなあ。
そんな日々を過ごしているうちに、
最初は怖くてログハウスの敷地から一歩たりとも出ようとしなかった私も、
だんだんと外の世界が気になり始めた。
だって、みと達は毎日、
「森行こうよぉ」
って顔してるんだよね。
たしかにそろそろ村とか他の人もいるか探してみないとなあ。
いつまでも怖がってひきこもってても世界は広がらないよね。
「そうねえ~。そうだよねえ。うーん。じゃあ、今日は......お散歩ついでに、
食材探しも兼ねて、君たちの森を案内してもらおうかな」
こうして、ついに、ようやく、重い腰を上げて、しぶしぶ新たな第一歩を踏み出した。
森の中で出会うのは、熊さんかな、それとも、、、




