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140字の戯言  作者:


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10/12

91~100

91 休日の高速道路 140字の戯言


あまりにも遅い車を抜くほかは、制限速度よりは高いが警察に止められない速度で走行車線を走る。

平日は確実に抜かれるが、休日は意外と並走したり時には自然と追い抜いたりもできる。

休日は意地でも追越車線に入る人が多く、走行車線は空いていて走りやすい。

その事実に気付く人は意外と少ないようだ。




92 宣伝 140字の戯言


油汚れに強くなったと皿に付く油がさっと浮かび上がる。

シャツの黄ばみまですっきり白くなる。

磨き残しがありません。

効果がアップしたと大々的に宣伝しているけど、同じ商品の宣伝で同じような文言を並べていた。

一〇年ほど昔の同名商品は本当は効果がほぼなく、宣伝は虚偽だったのかなといつも思う。




93 正常性バイアス 140字の戯言


普段は何も買って帰ってこない主人が、時々コンビニに寄ってスイーツを買ってくる。

今日は悪い事をしましたと白状しているのと同じよ。

妻は態度を変えずにいるからバレないと思っているけど、細かな表情の違いで全てお見通しさ。

狐と狸の化かし合いは、自分だけはバレないという過信がさせるものです。




94 相合傘 140字の戯言


急な雨の日に小学校へ傘を持ってきた保護者は、教室前の黒板に名前を書いておく。

でもある土砂降りの雨の日、黒板に僕の名前がなかった。

どうしようと思いながら校舎を出ると母が笑顔で立っていて、一つ傘に入った。

ランドセルはびしょ濡れだったけど、いつもより楽しかった帰り道を忘れることはない。




95 捨ててはいけない 140字の戯言


どうしても捨てられない物がたくさんある。

五〇年ほど昔のシャープペンシルからキャラメルのおまけまで多数ある。

古くて壊れ使わない物は邪魔だから整理してと言われるが、思い出が詰まった物は捨てるべきじゃない。

いつしか紛失することもあるけど、震災で瓦礫の一部に変わった悲しさを経験したから。




96 その一言 140字の戯言


誕生日のプレゼントのやり取りも随分長い間していない。

恋人から夫婦に、そして家族になり何十年も経つと特別な日のやり取りは消え去った。

特別なことはなくとも、「ありがとう」や「おはよう」と言葉を交わせておれば何も思わない。

でも、誕生日の朝に「お誕生日おめでとう」とだけ忘れず伝えている。




97 努力なしで永遠の美 140字の戯言


永遠の美を保つ魔法の薬が手に入った。

美と若さを手に入れた私は還暦を超えても街で声を掛けられる。

でも見た目は若いがナウなヤングの言葉はわからず、物忘れもひどく体力は年齢以下。

気が付くと同年代も離れて行った。

今は見た目ではなく、内面の美と健康を若い頃のように蘇らせる薬を探している。




98 ニュースもフィクション 140字の戯言


SNSにたびたび出てくる偏向報道の文字。

民放国営を問わず事実を伝えない、隠す、歪曲していると言われる。

ニュースとして見ればそう思うだろう。

でもテレビが得意なのは昔からバラエティとドラマ。

ニュースも実は同じように作るフィクションであり、ニュースショ―として見るのが正解かもしれない。




99 道具のせい 140字の戯言


上手くボールを取れないのをグローブのせいにして買い替え、上手くボールを打てないのもバットのせいにして買い換えた。

子供の頃からこんな調子の私は何事も途中で投げ出していた。

道具のせいにして買い換えても、結果は同じだから逃げるのです。

友人はプロになった今も昔のグローブを使い続けている。




100 頑張ろうと思いたい春 140字の戯言


気温が安定しない三寒四温の春先だけど、少しずつ気温は上がっていく。

心も芽吹くように春はワクワクやソワソワすることが多く、新年度を新たな気持ちで頑張ろうと思ったものだが、昨今はくしゃみが止まらず自動鼻水製造機と化している。

目や鼻をどうにかしないとスタート地点にたどり着けない春です。



次回は101~110です。

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