ボーナス
色々考えながらウインドウショッピングをしていると、夕方の6時になってしまっていた。
凛は結局何も買わなかった。
金曜日の給料日までは我慢しなくちゃね、などと自分に言い聞かせるように呟いていた。
もう少し遊んで行こうかと瞬が提案するが日報の提出もあるし、今日はこの辺で帰ろうということになった。
新宿駅東口から駅に入り山手線のホームを目指す。
東口からだと、ほぼ新宿駅を横断するような距離を歩くことになる。
月曜日の夕方6時過ぎということもあって通勤や通学の混雑がすごい。
2人は人波に流されながらも山手線のホームに到着する。
サイン音とともに発車する山手線。
瞬は凛を壁際に寄せて自分は人混みから凛を守るように立っていた。
凛は少し恥ずかしそうにして、瞬の上着の端を掴んでいた。
池袋で大量に人が降りていき、少しだけ車内の混雑が緩和された。
そこから少し山手線に乗り駒込駅で降りて、地下鉄南北線に乗り換える。
スーパーで買い物をしてからマンションに着くともう7時半になっていた。
家に帰ると2人とも少しほっとする。
「我が家に帰ってきたね、瞬」
「ほんとだなあ、凛、なんだか今日は長かった気がする」
「うん、なんだろう、本当に長い一日だった」
「俺は日報を作らなきゃ」
「あ、うん、私はスーパーで買ってきた食材で何か作るね」
「あ、よろしく」
「はーい」
凛がキッチンに向かうのを横目にパソコンを広げる。
すると林三佐からメールが送られてきていた。
日野市の探索についての労いとボーナスとして明日の朝10万円の入金があるとのことだ。
すぐに凛を呼びこのことを告げる。
「わあ、すごいじゃん!」
「うん、なんだかこのお金はありがたいな、稼いだっていう気持ちになれるかも」
「瞬のことを認めてくれる人がいるんだから、ね」
「ああ、本当だな、嬉しいことだよ」
「でも、一番認めているのは私だからね」
「それが一番嬉しいよ」
「ん」
凛は瞬の唇に唇を重ねた。




