チーズフォンデュ
ホームに戻った2人は上りの電車を待つ。
新宿行きの準特急がホームに入ってくる。
それに乗り込むと車内は空いていた。
凛を左側に座らせて瞬は周りの様子を見る。
おかしな様子はないようだ。
凛にぐいっと頭を引っ張られる。
「今度は瞬が寝ていていいよ」そう耳元でささやく。
瞬は凛の肩に頭を預けて、その心地よさにすぐに寝入ってしまった。
優しく頬を叩かれて目が覚めると新宿駅の直前だった。
「おはよう」
「おはよ」
凛はぎゅっと瞬の肩を抱きしめた。
新宿駅に着くと凛が瞬のことを引っ張ってお店に向かう。
南口のルミネにあるお店がお目当てらしい。
2人は人混みの中南口を目指す。
明るい店内に入ると午後1時を少し回ったところで昼のピークは過ぎているようだった。
テーブルに着いた2人はチーズフォンデュを頼み料理が運ばれてくるのを待つ。
「ねえ、瞬」
「ん?何」
「こっち向いてよ」
「あ、なんか照れる」
「いいからこっち向いて」
「こうで、いいか?」
「うん、やっぱりかっこいい」
「そうか?」
「かっこいいよ、素敵なだんなさまだ」
「ありがと」
話しているとチーズフォンデュが運ばれてくる。
2人はテーブルに並べられた食材をチーズにたっぷり漬けて口の中に入れる。
「美味しい!」
「ああ、美味しいな、凛」
「なんか、こういうの幸せだな」
「そうだな、こんなのが幸せって言うのかもな」
「瞬は研究者になりたいんだよね?」
「でも、その道に進むと稼げるようになるまでかなり時間かかるかもしれないけど」
「大丈夫、私が公務員になるから、収入は安定するでしょ?瞬をサポートしてあげるよ」
「なんだか、それは悪い気がするな」
「大丈夫、瞬なら大学の教授にだってなれるよ」
「そうかな?そうなれれば嬉しいのだけど」
「絶対大丈夫」
「ああ、そうだな大学の教授になってみせるよ」
「うん」そう言った凛の顔はとても嬉しそうだった。




