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魔女のいない世界で  作者: 海乃果
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魔女の館

 下りのホームで各駅停車を待つ。


 どうやら雨はやんだようだ。


 府中駅から目的地の平川城址公園駅までは15分、駅を降りてから魔女の洋館までの距離は歩いて10分というところだろうか。


 乗り換えてからは、乗降口付近で2人で立っていた。


 南側を向いているので、一瞬魔女の洋館の近くを電車が通過する。


 そちらの方を注意して見たが、特に変わったものは見つからなかった。


 そして、平川城址公園駅に着く。


 降りる人はまばらで、瞬と凛は揃ってホームに降りた。


 駅から出ると大きなロータリーが目に入った。


 歩いて10分だが、少し迷ってタクシーを使う。


 客待ちしていたタクシーの運転手は愛想の良いおじさんで2人にどこに行くのか?などと聞いてくる。


 瞬は住所を告げて、降りずにまた駅に戻ってほしいと伝える。


 「ははーん、お二人さんも魔女の館の見学者かい?」


 「はい、まあそんなところです」


 タクシーを走らせながら運転手が話してくれる。


 「40年前は大変だったんだ、その時の洋館もなぜか取り壊されずに残っているんだよな」


 「運転手さんは何か知っているんですか?」


 「まあ、知っているといえば、多少は、地元の人間だからねえ」そう言って、少し口ごもる。


 話しているうちに洋館の建っている区画まであと1ブロックというところまで来た。


 信号待ちで止まる。


 瞬と凛は魔女の館と呼ばれている洋館を凝視する。


 古い洋館でレンガ造りだ。


 洋館の壁にはあちこちにつたが絡まっている。


 特に警備や監視している者はいないようだが、監視カメラくらい設置されているのかもしれない。


 タクシードライバーは気を利かせてゆっくり魔女の館の前を通り過ぎて行く。


 瞬がスマホのカメラで洋館の玄関などを撮影し、凛はムービーモードで録画している。


 敷地内の樹木は生い茂ってはいるが、何十年も放置されているような感じではない。定期的に手入れがされているのだろう。


 通り過ぎると、一度広い通りまで出て、Uターンして今度は反対車線を戻りながら魔女の館の前を通り過ぎる。


 瞬と凛の役割は先ほどと同じだ。


 瞬はできるだけ多くの写真を撮った。


 タクシーは魔女の館の前を過ぎるとやや速度を上げ駅の方に向かう。


 駅に着くまでの間運転手から少し話が聞けた。


 夕凪しずかという人物については、事件の後は見たものはいないということで、さっきの洋館が何故取り壊されないのかについては地元の者でもよく分からないそうだ。


 タクシー料金は1,500円くらいだったが謝礼の意味も込めて2,000円渡し駅で降りる。


 時計を見ると11時になっていた。

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