緊急事態
壁に衝突し見事に血だらけになったせつなはフブキの回復魔法で回復しながらその場の状況を理解するため周りを見渡した。見渡した結果おおよそ予想通り、盗賊たちができるだけ多くの獣人を連れ去るために準備をしていたようだとせつなは感じた。ただせつなが周りを見渡す時に獣人たちと顔が合うと皆、絶望したように顔が青ざめた。
(そりゃせっかく助けに来た奴が盗賊と同じ人間だったら絶望するか)
そう思い盗賊の方を見るとこちらも顔が青ざめていた
(え、なんでこっちも)
「そりゃ血だらけのせつなくんのような顔が急に来たら怖がるでしょ」
(あーー…)
その説明にせつなは納得しつつも悲しい気持ちになっていた
「まぁいいや、おい盗賊、お前らに聞きたいことがある」
「あ、ああ!?なんだゴラァ」
せつなの顔に盗賊はビビりながらも威勢だけの返事で答える
「なんで子供を攫うようなことをした?」
「そんなもん金になるからだ、俺は…金がないんだ!そのせいでこんなことしないと稼げないんだ。それ以外に理由がいるかよ」
その返答にせつなの雰囲気が変わり今にもブチギレそうだったせつなの様子に。フブキは終わったと思ったが王兎からの念話でいつもならブチギレそうなせつなに物申さないフブキがせつなに大声で喋りかけた
「ちょっとせつなくん今からバトルの中止して!!」
(何フブキ、僕は今からこいつをボコボコの冷凍ナスにして罪を償わせて更生させるつもりだから)
「まだ冷静なら都合がいいわ!今から王兎ちゃんがこの洞窟に向かって「黄金砲」打つから捕まった子供達を頼むって言ってきたよの!」
(黄金砲ってあのフローズンでホワイトベアーを結構グロい殺し方したやつだよな?・・・)
「はあああああ!」
その声は洞窟中に響き渡った
「お、おい、いきなりどうした」
いきなり大声で喋ったせつなに驚き狼狽えながらもせつなに喋りかける
「どうしたじゃない、死にたくない奴は檻の中に入って僕の後ろにいて!」
その言葉に最初に盗賊に喧嘩を売っていた獣人の子供はその言葉が信用できない人間が言ったため、自分たちを騙す言葉だと思い檻の中から出ようとした、だがせつながその子供の服の背中側を掴み後ろ側に引き戻した。
「マジでお前死にたいわけ!?」
「お前ら人間なんて信用できるか!」
その時「ドゴッ」と洞窟を震わす大きな音が響き渡った
「ほら今からやばいの来るからさっさと僕の後ろ行って!」
せつなが飛んできた方向から黄金に輝く出口の光が見えなくなるほど大きい光がこちらに向かってきている
「ちょっと待って何あれ!」
飛び出した獣人の子はその光を見て腰を抜かす
(僕が前見た黄金砲より太くなってね?)
「獣人になったから最大出力が上がったんでしょ」
(とりあえずフブキは壁出して!)
「わかってるけど全然貫通してくると思うわよ」
(ほんとフブキは魔法にだけは正直だな)
せつなの前に3枚の氷の壁が現れた
(ってなんで3枚だけなんだよ!3枚じゃそりゃkんつうしてくるだろ!)
「仕方ないでしょ洞窟の中なんだしこれ以上壁出せないわよ」
(なら短剣出して!気合絶刀でなんとかやるから)
「短剣じゃ全力で作っても速攻で壊れるわよ」
(なら僕の両手凍らせて!それなら腕力上昇も加わってすぐには吹き飛ばないだろ!)
せつなはそう言いながら左足を軸にして足元に円を書いた
「私も死にたくないしわかった!って何足元にまる書いてる余裕ないでしょ!」
(この円あった方がどれを削ればいいかすぐに判断しやすくなるから必要なの!)
フブキはせつなの両手を氷で包み、炎:腕力強化、土:耐久力上昇、雷:体感速度上昇、音:消音を付与した。
(なんか増えてね?)
「静かな方が集中しやすいかなって」
(逆にやりづらくなると思う)
「あっそ」
フブキは音:消音の付与魔法を解除した。
そんなコントをしているうちに王兎の黄金砲がフブキの作った壁にぶつかり貫通してきた
「きたわよ!」
(わーってる集中…)
「気合絶刀」
足元の円の内側に入った黄金砲を部分的に凍った手で殴り少しずつでも削っていく。殴った部分が相殺され、相殺した黄金砲の一部の後ろのまた一部の黄金砲をまた殴り、相殺するのを繰り返す。そうして獣人になって強化された王兎が放った全力の黄金砲を相殺し続ける。
1分後、王兎が洞窟の中にいるせつなの様子を見にきていた
「ようせつな、さっきぶりだな」
せつなの手は黒く焦げていて足元にはバラバラに割れた氷が地面に落ちており、息を荒げながら尻餅をついていた。
(マジで死ぬかと思った…)
「それ5分前くらいにも聞いたわよ」
(5分後にもう一回本気で思うとは思わなかったよ)
「とりあえずせつなは元気そうで何よりだな」
その王兎の言葉にせつなは半ギレで王兎を指差しながら無表情で答えた
「マジで王兎なぁ!今日血を吸うの禁止な」
「せつなくん?王兎ちゃんへの罰軽くない?」
(だってこれぐらいしか思いつかないし)
「承知した、今日の夜12時までなら我慢しよう」
「ぐっ、まあいいや、でも僕一応仲間なんだしもう少し労わって」
「何を言う、お前らなら大丈夫と思って我はやったのだが」
「私も今回は本気で死ぬかと思ったからね!」
(さっき面白そうとか言って僕を吹き飛ばしたうちの1人が何言ってんだ)
その様子を見ていた王兎を追ってきたギルバとせつなの後ろにいた檻の中にいる全員がが同じようなことを考えていた
(一体なんなんだこいつら)




