ブチギレせつなくん
囲まれた精霊たちから放たれた攻撃をせつなは左腕で魔法を、右腕や体で剣を受け止めた。だが攻撃を受ける前にフブキが肉体固定を増やしたため左腕は
少し焦げた程度ですみ、剣での攻撃は体に食い込んでいるが切断されてはいなかった。攻撃を仕掛けた精霊たちはその事実に驚愕しその隙にせつなが攻撃をしても精霊にはギリギリ避けられた、せつなは攻撃をしようと体を動かした時に違和感を感じた、その違和感の理由はすぐにわかった
「肉体固定を耐久力強化に変えて」
フブキに向かって小さくつぶやく
「その前に剣が食い込んだら自分の体に違和感を覚えなさいよ…」
「肉体固定を解除してもらっていいか?」
「アッハイ…」
(………)
今のせつなに何も言えないフブキは素直に付与魔法を変更し、その様子に王兎は呆れていた。肉体固定が解除され、動きやすくなったせつなは精霊たちの攻撃を最小限の動きで避けながら反撃し、強化魔法で強化された体で殴り飛ばしていく。その様子に王兎は疑問を感じていた
(せつな、強くなっていないか?)
「別にせつなくんは怒りで強くなるタイプじゃないはずなんだけど…確かになんか強いわね」
この世界でせつなをずっと見ているフブキからしても今の戦いは、盗賊や騎士団長との戦いよりも強くなっていた。別に攻撃をかわし続ける集中力などは変わっていないのだが、明らかに筋力が強くなっていた。その証拠に殴られた精霊はかなり吹っ飛ばされていた。筋力が明らかに強くなっている事実も、今フブキと王兎が今何について会話しているかもせつなは理解していた
「なんでこんなに力が強くなっているかは俺も知らんが今は都合がいい」
そう呟きながら精霊たちを殴って吹き飛ばしていくが吹き飛ばされていく護衛たちに王妃はさらに腹を立て護衛の精霊たちを睨め付ける。その恐怖からか精霊たちは殴られた傷をすぐに回復してせつなに攻撃をし続ける。傷が回復する理由は精霊族は精霊力の量=体力のため怪我をしても勝手に精霊力が使われて回復するから精霊族を倒すには大量に怪我をさせて精霊力を削るか、魔法を大量まで使わせる以外にない
「精霊は精霊力がが尽きないと怪我も治るのほんとだるいな」
「魔法を使うと体力が減るくらいしか欠点がないからこそ最強種族の一角って言われてるのよね」
フブキが誇らしくせつなに伝える
(一応私の魔法で拘束すれば無力化できるけど…)
フブキは心の中でそう思いながらもせつなにその提案はしなかった。なぜなら却下されることわかっていた。フブキはせつなの思っていることが直接伝わるため今回の戦いは自分の力(付与魔法は除く)だけで全部潰すと考えていたからだ。だから王兎の手助けを必要ないといい、フブキに攻撃魔法を頼みもしなかった。そしてその状態で精霊族と戦い、攻撃を受けつつせつなは精霊を圧倒している。戦っている精霊たちも圧倒的な強さとせつなからずっと放たれる赤黒い殺意、攻撃をしても攻撃されようとも変わらない不気味な顔の恐怖で、次第に精霊たちは段々と戦う気力がなくなっていき、とうとう王妃が圧をかけても戦わなくなった
「やっと精霊量が少なくなったか…」
せつなへの恐怖で精霊たちは戦わなくなったことにせつなは気付かずに戦いは終わった
「邪魔しなくなったなら帰らせてもらうな」
最後に王妃に圧をかけ、部屋を出て行った。せつなが出ていく姿を悔しそうな顔をしてみていた王妃だった。
城を出るため案内された道を辿り逆走している時に王妃とよく似た精霊とすれ違った。せつなとすれ違った精霊はすれ違った人間からあり得ない精霊力を感じ、引き止めようとしたがもうそこに姿はなかった。
一方せつなの方ではフブキが反応した
「あっ…」
「どうしたフブキ」
「いや…なんでもない」
絶対なんかあると思ったがフブキがいいと言ったからせつなは気にせず城を出ていった
「別にあの子が私の妹とかじゃないからね?」
((………))
その言葉にせつなと王兎は何も言わなかった




