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絶望の定義

騎士団長は驚いていた

「首を切り落とすつもりだったんだが…まさかあの状況から生き残るとは」

「それでも左腕は吹き飛んだけどな?」

せつなの左腕は斬られ、その断面から血が溢れ出ていた

「ごめんせつなくん私が体感速度上昇を解除しなければ…」

(いやそう頼んだのは僕だし、フェイントを警戒してなかった僕の責任…これは僕の自業自得だから気にすんな)

「とりあえずせつなくん流石に逃げたほうがいいよ」(焦)

とフブキはかなり焦った様子で空間魔法の詠唱を始めるも、せつなが話し掛ける

(なぁフブキ…この腕治せるか?)

「生やすのは無理…でもくっつけることなら!」

その言葉を聞いてせつなは安心し、再び戦闘態勢になった

「せつなくんまだやる気!?流石に逃げようよ」

騎士団長は左腕を失いながらも表情を変えずに再び戦闘体制になったことを疑問に感じた

「ただの危機感がないだけの小物か…なら俺が直々に教えてやろう。今が絶望する瞬間というものということを!」

その言葉を聞いたせつなの雰囲気がかわった

「何言ってんだ?直せるものが壊れた程度では…僕の中でそれは絶望とは言わない」

なんの力もないせつなの雰囲気が変わっただけだ、強いて変わったところは目が少し影が差し込んだ程度、ただそれだけだがその顔は絶望を何度も経験した顔だと騎士団長はわかった

「せつなくん…続けでいいのよね?」

(フブキ、中級魔法でも直撃すれば大ダメージになるんだよな?昨日言ったあれで殴る。あと体感速度上昇にしてくれ)

「いや、あれ結構難しいのよ?それに治せるとしてもめっちゃせつなくんにとって危険だし…」

(何ってんだ、10歳の頃から痛みをあまりを感じなくなった…死んだ時ですら!あの時の痛みと比べたら…危険とか言われても…治るのならそれでいい、痛覚なんてものは…あの時と一緒に溺れていったよ)

そのときせつなは昔飼っていた一匹のペットのことを思い出していた。別にせつなは痛みを感じないわけではない、ただ痛みを痛いと思うだけ…

「せつなくん…わかった…なら始めるわよ」

フブキは渋々承諾しながら体感速度上昇に変え、せつなの右手が水に覆われた

「貴様、何をしようとしている?だがその前に俺の剣が貴様の首をはねる!お前らもうあの厄介な短剣は無い当たらなくていいからもう一度魔法を放て」

「わかりました、今度は乱射します」

と騎士たちは再度魔法の詠唱を始めたがせつなは微動だにせず、氷の短剣を出すわけでもなく、ただ立っていた

(諦めたのか?…いやあの雰囲気は諦めた者が出せる雰囲気では無い…)

騎士団長はせつなの行動の理由を考えるも首をはねればいいと考え、騎士たちの魔法の詠唱が終わった

「団長!詠唱が全員終わりました!」

「なら放て!今度こそ首をはねる!

魔法が一斉に放たれ、一緒に騎士団長も同時にせつなに向かった。

(右、右、しゃがみ、左)

せつなは放たれた魔法を最小限でかわし続けたが騎士団長が剣の間合いに入ってきて剣で斬りかかったが、これもせつなは擦り傷を作りながらもかわし続けた。飛び交う魔法もありながら交わし続ける

(こいつ、さっきよりも反応が良くなっている?)

騎士団長の剣をさっきよりも余裕を持って交わし続けていることに気づいた。騎士団長と魔法を最小限でかわし続けているせつなは剣を右に半歩避けた瞬間、剣がせつなの首を目掛け向かってきた

「またフェイント!?」

フブキがそう思った瞬間、すでにせつなは体は屈めていたため剣はせつなの頭の上を通過した。騎士団長の顔には驚きを隠せていなかった

「その攻撃は…さっき覚えた「水華一閃(すいかいっせん)」」

せつながそっと呟き、騎士団長の腹部に右アッパーを放ち、拳が

腹部に触れた瞬間手を覆っていた水が爆発し、その爆発でで双方吹き飛ばされた

騎士団長の腹部はあざが出来ていた、そして倒れ込んでいる一瞬の隙に騎士団長の足元から樹形縛りが発動し、騎士団長を拘束した。

その様子を見ていた騎士たちはかなり驚いていた

「団長が近接戦闘で一撃もらうだなんて…」

一方せつなの腕はアザだらけになっていたがフブキが回復させていた

「貴様…何を…した」

拘束され、声が掠れながらもせつなに今起きたことを聞いた

「殴った瞬間水魔法を発動させただけだ」

「なぜ…だ?そんなことしたら貴様も魔法を喰らうぞ」

この世界は近距離で魔法を放つのは危険な行為だ、なぜなら当たれば術者も魔法の餌食になるからだ。その上、腕に魔法をとどまらせ、触れた瞬間に魔法を発動させるのは面倒な技術、昨日の夜中せつなは盗賊での戦いで自分の攻撃じゃ圧倒的に攻撃力が足りないと感じたためフブキに腕に魔法自体を付与させることを逆立ちをしながら提案していたが、その時は当然フブキは却下していた

「さっき言ったろ…直せるものが壊れた程度で泣いたり騒ぐほど、僕は普通じゃない」

その言葉を言った時、せつなの目にはまた影がさしていた

「俺の負けだ!さっさと殺せ!」

(こいつこういうところは潔いんだな)

「良く悪くも単純って感じね…」

(めんどくせぇ)

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