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King of Sords  作者: カピパラ48世
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第13話 01 ヘッドロックは突然に・・・

「んー-------!!」

力強い背伸びの声が聞こえる

淡い日差しが目に飛び込んでくる


「・・・ん・・・?」

欠伸の主シルフィーネは、ぽかんとする

目の前の光景が全く記憶の無い情景だった


ふかふかのベッド、淡い水色のシーツ、高価そうな天井・・・

自身にしては、いつも着ている赤い服装でなく、清潔感のある白い服装になっていた。


「・・・え・・・え~っと・・・」


シルフィーネはちょっと悩むと、ちょっとためらい気味に、もう一度ふかふかのベッドに潜り込む。

「むふっ♡」

枕を抱きしめ二度寝をしようとすると・・・

「・・・・」

じっとりとした視線を感じ強張った。


ガバッと起きて視線の感じる方向を見ると、そこには前後逆に椅子に座り背もたれに両腕を組み不機嫌根顔をそこに乗せたレオンが見えた

その手前には・・・イリアの背中がある。


「えっ・・・どういう状況よ・・・」

その声がきっかけか、イリアが勢い良く振り返ると、

「この子は返さないから!!」

そのままシルフィーネをまるでヘッドロックでもするように抱き寄せる

「ぎゃふっ!」

思わず声を上げるシルフィーネに頬を摺り寄せレオンに睨みを利かす。

「そいつは物じゃない!」

レオンが小さく噛みつくように抗議する


「えっ・・・ええっと・・」


シルフィーネが事の顛末がわからずに狼狽えた。


「あー!!そうだわ!!」

突然イリアが何かを思い出したかのように大声を出す

「それよりも貴方!!この子の麻痺の原因は何なのよ!!」

「ちっ!!」

いきなりの質問にレオンは舌打ちする

「またダンマリ!!」

イリアの口調がきつくなってくる。耳元で騒がれるには大きい声だ

「・・・ちょっ・・・ちょっと!!」

目眩を感じながらイリアの質問に横槍を入れる

「えっ?何を・・・」

シルフィーネはイリアの質問をもう一度聞く

「あなたの麻痺の事よ!」

強い口調はそのままでシルフィーネの問いに応える

「ひっ!!」

思わず大声にびっくりして可能な限り退いた

イリアはそのシルフィーネの姿を見て動きが止まる。

そして一拍の呼吸の後

「あ・・・あぁ!!大声・・・ごめんなさい!!」

怯えるような声を出したシルフィーネをあやすように声で取り繕うと強く抱擁する

「こら!痛い!痛い!」

「んー-------!!シルフィーネちゃん可愛い!!」

「こら!こら!!・・・イタタ・・・アンタやっぱり力あるわねぇ!!」

聞く耳を持ってもらうまでシルフィーネは抵抗した。



部屋の中が賑やかになって来たので、ヒューイとエドも部屋の中に入ってきた

流石に女性の寝ている所にいるのは・・・ということで、同性のイリア姫と付き添いのレオンを残して二人は部屋の外で待機していたのだ。

4人に囲まれた中心には・・・


疲れた顔のシルフィーネがいた


あの後・・・イリアを落ち着かせ、レオンを宥め・・・・

「疲れた(ちかれた)・・・」

呟きがイリアの声でかき消される

「そうよ!あなたの麻痺の原因を教えなさい!!」

シルフィーネはその問いにキョトンとした表情を受かべ

「ああ・・・魔力麻痺の事ね・・・」

そう言うとレオンの方を見る

「・・・」

レオンは黙って左手を隠す

その仕草を見たシルフィーネは小さく笑う

「なんなのよ・・その・・魔力麻痺って!」

シルフィーネは視線をイリアに戻し、にへっとした笑みを向ける

「・・・☆!・・・」

理解の出来ていないイリアに、左手の指をまっすぐに上に向け手の甲を見せた

「えへへへ・・・」

何かを見せたいのだろう・・・と思っていたが、

「あ~!!薬指に指輪!!」

思わず声を上げる

「えへへへ・・・これはね、レオンとの契約の指輪(エンゲージュリング)なの!!」

とても嬉しそうにイリアに話し始める

「そ、そうなのね・・・」

イリアも、びっくりはするものの、どこに魔力麻痺の話があるのかいまいち掴めない様子で思考の整頓ができないでいる

「これね、双方の想いが繋がるとそれぞれの願いが通じるの。」

更に違うワードの説明が始まる

「私の想いが、『レオンの助けになりたい』だったの。」

その想いが通じ、レオンが困っているときにはシルフィーネに意思が伝わるというのだ。

「うーん・・・」

まだよく話の道筋がわからない・・・が、信頼し合っているのだなとイリアは思う

「それでね、」

なぜか井戸端会議で主婦が嬉しそうに「やーね~!」という仕草でシルフィーネが話を続ける

「彼の想いが『私を護りたい』だったのよ!」

「は・・・はぁ・・・?」

とりあえず相槌をするイリア、

「そしたらねぇ!レオンが強い力を使うときに私の魔力が反応しちゃうと、麻痺するようになっちゃったのよ!」


「・・・・」


イリアがあんぐりした表情を浮かべた


「なんで護りたいが麻痺になるんだ!?」

ヒューイが疑問の眼差しでレオンに言う。

そう!!そうよ!!意味わからないわ!!

イリアも同じ意見だ

その反応にレオンは素知らぬ顔をしてそっぽを向く

しかし、イリア、ヒューィ、エドの3人の疑問の眼差しが止まらない・・・

チラリとベッドの方を見ると嬉しそうに笑顔を浮かべるシルフィーネが見える

「・・・」

すると・・・顔を背けながら


「・・・おかげで・・・護りやすく・・なった・・・」


と消え入るような声でレオンが返事をする

その消え入るような返事を聞き、イリアがシルフィーネに視線を向ける

そこには自慢げな表情で嬉しそうにしているシルフィーネ・・・


そして納得する


ああ・・・この人は・・・大怪我しても、自分の出来ることを探して動き回っちゃう人だ・・・・

この人は・・・護るのが大変な人だ・・・


焦点の見えない瞳でシルフィーネを見つめる


「まぁ、エリサが言うにはお互いの魔力が感知できることが条件なんだけどね」

シルフィーネが付け足した

「・・・どういうこと・・・?」

イリアが聞き返す

「そうね・・・私の魔力が空っぽになってたり、距離が遠かったりするとレオンの魔力の影響が弱くなるって事じゃないかしらね・・・」

実際は試したことが無いから知らないということだったが・・・


イリアが溜息をつきながら二人を交互に確認する

そっぽを向いたまま椅子に座るレオン、

嬉しそうな表情を浮かべこちらを見るシルフィーネ、

「あなた達の想いを叶えた神様は、よっぽどあなた達を理解していたのねぇ・・・」

イリアが少々呆れて言うと

「そうね。エリサはとても親しい『疾風の姫』なのよ。」

エメラルド色の瞳をした小柄で褐色の肌の女性を思い浮かべシルフィーネは微笑んだ

距離が遠いと影響が小さくなるという現象・・・

実はレオンがヨルドとウェインを相手にしていた時に起こっています・・・。

その時シルフィーネはヴォルザードと対峙してましたね。

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