第12話 04 天翔ける光の帝王
「ここらでいいか・・・」
レオンは開けた大地を確認すると剣戟を緩め、ウェインとその大地へ降り立った。
息を切らすウェインは一度後ろへ下がり剣を構えなおすが、レオンは構えない。
「帰ってもいいぞ、お前とは戦う気はない。」
レオンが静かにそう伝える
ウェインは言葉が出なかった。
”まぁ・・・彼女は元から戦う気のないのだからこれでいいだろう・・・”
レオンは頭の中でそう呟く
対して、情を与えられた格好となったウェインは、あまり納得いかない表情で
”シルフィーネには圧倒していたが、こいつには・・・レオンには勝てないのか・・・”
そう思っていると
「シルフィーネはふざけていたから、お前を甘く見てたのかもな。」
見透かされたような発言をレオンから投げかけられた。
「なんだと!」
あの鍔迫り合いを見ても自分が圧していたのだ、ウェインは自分がシルフィーネに劣るということを認められない
「まぁいいさ。今度半分本気のシルフィーネと闘ってみることだ。彼女は本気の時よりもその方が手を付けられないくらい強いぞ。」
ウェインにはまったく意味が解らなかった。本気を出すよりも強い状態が存在するというのか・・・・
いろいろと思考が交錯したが、今はこの相手をどうするか・・・・と悩んでいると
レオンがキングオブスカイを鞘に納める
「な・・・なにを・・・」
戦いの最中に武器を収めるレオンにその声を出すのがやっとだった
「言ったろ、お前と闘う気はないと。」
本当に闘う気はないみたいだ
ウェインにもそう感じる。
「一度・・・」
ウェインが言葉を発する
「ん・・・?」
「一度、切りかかっていいか?お前との実力の差を知りたい。」
かなり都合のいいことをレオンに問うた。
するとレオンは再びキングオブスカイを鞘から抜き構える
「いいだろう、俺もその剣の強さを知りたいからな。」
ウェインがラグナロクを構えると、レオンが目を顰める
”これが・・・ギムの剣か・・・”
彼が帯刀していたのは見たことがあるが、実際の力はどれ程のものなのか・・・また、彼以外が振るうとどれ程の威力が発せられるのか・・・
「俺は待ち受けた方がいいのか?攻撃した方がいいのか?」
冷やかすようにウェインに問う
「普段の闘いのようにしてくれればいいさ。」
ウェインはそう答えると
「その代わりこの一撃は俺の最高の剣戟で切る!」
言葉と共にウェインが紅いオーラを纏うラグナロクで切りかかる
「頼むぜ、キングオブスカイ。」
その言葉と共にキングオブスカイを持つ右手に集中し力を込める
”真面目に対応しないと負けるな・・・”
「天翔ける光の帝王!」
その言葉に反応するように、唸り声のような音とと共に青白い光を放ち始めたキングオブスカイを振るう
ガキン!!と大きな音が響き、辺りに大きな地響きが起こった
カラン・・・・と乾いた金属音が響いた。
辺りに起こった赤と青白い光と地響きは収まっていた。
そこにはキングオブスカイを無造作に持つレオンと、右手首を押さえるウェインの姿があった。
「本気で切りかかっても通用しないんだな・・・」
ウェインが地面に落ちているラグナロクを一瞥し呟やく
その言葉にレオンが顔を顰める。
実際は・・・
”まともに受ければ危なかった・・・”
というのが正直な感想。
剣戟を真正面から受けずに少々角度をつけ、刃を受け流しながら振り払ったのだ。
再びウェインが弾き飛ばされたラグナロクに一瞥すると
「どうする・・・?今なら簡単に俺を始末できるぞ。」
レオンに向けてそう言う
すると、レオンはキングオブスカイを鞘に納め
「言ったろ、帰っていいぞ。あの5人と一緒にな・・・。」
かなり向こうでは防戦一方のエドがミガル相手に苦戦している
ウェインは届かない力に悔しくて天を仰いだが、
「ここで見逃すことを後悔させてやるさ・・・。」
そう言って5人とエドの闘っている方向へと背を向ける
「貸し借りは好きじゃない、あの魔術師の命は取らないようにするさ。」
そう言うと旋毛風を残しウェインは消えた。
一人残ったレオンはウェインの向かった方角を見つめ
”あれがラグナロクか・・・”
頬を伝う冷や汗がその威力を物語る
暫くすると、6人の気配が辺りから消える
一人残った気配はエドだろう。
かなり疲弊しているが五体満足そうだ
「しばらく待てば来るだろう。」
そう言うと、踵を返しシルフィーネ達の待つ方向へと歩き始めた。




