episode.27 He's more like a creator, not a player.
すみません、予約日時間違えてました。
「なるほどね…ねぇロティ、ミランに渡したっていうリスト、私にも見せてくれる?」
ミランさんとの再会とその時話した内容を伝えた所、カイン様がそんな事を仰ったわ。
どうしましょう…渡しちゃったから手元に無いのよね…。
「お見せしたいのですけれど、ミランさんに渡してしまったのですわ。改めて作る事は出来ますけれど、少しお時間を頂かないと…」
「ああ、そっか…。セバス、学院の名簿を持ってきてくれ」
「かしこまりました」
ん?名簿?
全校生徒の名簿ってこと?
貴族の子供が通う学院の名簿となると、普通は学院外部には持ち出せないものなのよ。
中には身分を隠して通っている他国の王族なんかも居る事があるらしいし。
だから勿論卒業アルバムなんてものも無い。
ううん、国の影ってそんなモノまで所持出来るのねぇ。
と、関心している内にセバスチャンが即行で名簿を持ってきたわ。
「ロティ、これを見てリストに書いた名前に何でもいいから印を付けておいてくれる?」
「わかりましたわ。これならば書くよりも簡単ですから、明日にはお渡し出来るかと思いますわ」
恐ろしい事に、生徒の名前の横に親の名前と職業(宰相とか、どこどこの文官とか)まで書いてあるもの。
ミランさんに渡したリストは生徒本人よりも、その親の職業を調べて書いたから。
「あぁ、そうだ。例のお花畑だけど」
oh…出たわ、お花畑王子。
今日は会わなくて安心してたのだけれど、何かやらかしたのかしら。
「何かありましたか?」
「実は今日、言動を確認する為にラルフに1日見張らせたんだ。本当は今日からラルフにロティの護衛について貰う予定でいたんだけど、お花畑の調査が先かなと思ってね。それにラルフが彼についてれば、もしお花畑がロティに接触しようとしても、阻止出来るから」
なるほど…でも、それは正しいかも。
わたくしも早いところ彼が転生者なのかは知りたいし。
「そうなのですね。それで、何かわかりましたの?」
わたくしがカイン様に問いかけると、壁際にいたラルフがスっと前に出て跪いたと思ったら「それについては僕から報告を」という事で報告を聞くことに。
「今日お花畑様は学院をお休みされておりました。ですので学院の寮にいるお花畑様にへばりつき、魔道具で撮影をしました。部屋で1日ブツブツと独り言を言っていたのですが、僕には分からない単語ばかりでして。長にお伝えした所、奥様に見ていただいた方がわかる、とのことでしたので、見て頂いてもよろしいですか?」
あら、休みだったから会わなかったのね。
ていうかラルフ、『お花畑様』って。笑わせないで?
ふむ。撮影ってことは、わたくしが売り出してバカ売れしちゃった所謂ビデオカメラの様な魔道具で撮影したのね、きっと。
「ええ、勿論よ」
ちょうどカイン様が食事を終えたから、テーブルの上をセバスチャンに片付けてもらって、カイン様とエッタとラルフとわたくしで映像を見ることに。
『なんで俺の最推しのロティちゃんが既婚なんだよ!ありえねーだろ』
最推して…。
『つーかシュヴァリエ侯爵って、確か続編の攻略キャラだよな…あれ?でもあの設定ってボツになったんだったか?』
ん…?
もしかしてこの方…製作者側?
『あー、くっそー!どうせなら国王の落胤なんかじゃなくてアレンかキースに転生してりゃーロティちゃんと早く会えたのに!そしたら俺がロティちゃんと結婚出来たのに!』
それはねーわ!ですわ!
「よし、こいつ、消そう」
「カイン様!?」
目が据わってますわ!?
「僕も消そうかと思ったんですけど、どうやら自分の出自をご存知のようでしたので、とりあえず長に報告してからと抑えました」
抑えてくれて良かったわ!
「ええと!とりあえず消すのはお待ちになって?カイン様、この方は多分、わたくしと同じですわ。ですが、立場が少し特殊のようです」
「ロティが言うなら…。それで、特殊って?」
ラルフの前で話していいのかしら…?
エッタはカイン様に前世の事を話した後、わたくしから話したから知っているのだけれど…。
チラリとラルフを見てみると、キラキラしたお目目で待機しているわ…犬?犬なの?
「えっと…」
「ああ、そうか。ラルフには話していないんだったね…今後ロティを守るためには話した方がいいと思うんだけど、ロティはどう思う?」
「ええ、わたくしもラルフには話しておいた方がいいかと思いますわ」
分からないまま守ってもらうのは、こちらとしても面倒な気がするもの。
いちいち説明したり、誤魔化したりするのも難しいですし。
「なら…エッタ、後でロティの前世の話をラルフに話しておいて」
「かしこまりました」
「て事で、とりあえず今の話を聞かせて?」
「はい。ええと、彼はおそらく…製作者ですわ」
「製作者…小説とか、遊戯の?」
「そうですわ。彼の言動から考えますと、おそらく小説ではなく遊戯の方かと。元の遊戯があって、そこにわたくしが出ていたのでしょう。その続きの遊戯の登場人物にカイン様がいらっしゃるのだと思いますわ。ですが、『ボツになったんだったか?』と言ってましたので、遊戯のストーリーを作る立場では無かったのだと思います。遊戯そのものを作る立場か、単に制作会社…ええと、パトロン的な立場?だったのかもしれませんわね」
わたくしの拙い説明を聞いたカイン様が、口元に拳を当てながら「なるほど」と呟かれたわ…こんな説明でわかるなんて、さすがカイン様。
インテリイケメンなカイン様素敵過ぎ…好き。
「てことは、詳しくは分かっていないわけか。推しっていうのは?」
「あ、推しと言いますのは…なんて言ったら良いのかしら。贔屓にしている…とでも言えばいいのかしら…」
「ロティが推しってことは、お花畑がロティを贔屓にしている…って意味?例えば好きな役者を指すような」
「そうです!さすがですわ、カイン様!」
「なるほどね…やっぱり消そうかな?」
「ですね!」
「カイン様ぁぁ!?ラルフぅぅ!?」
「消しましょう」
「エッタぁぁ!?」
「え、ダメ?」
頭こてん、てしないでってばぁ!
そのカイン様、可愛すぎるんですから!
「ダメです!彼の事はどうでもいいですが、そんな事で消しちゃダメです!」
「そんな事って。俺にとってのロティは俺の世界の全てなんだ。毎日伝えてるのに、まだ伝わってなかった?」
えっ…やだ、キュンてしちゃったわ…!
って、顔が近い、近いですわ!!
「つ、伝わってますっ!」
こんなに近くにカイン様のご尊顔は心臓潰れちゃいますから!離れて下さい!
…ん?エッタがラルフに顎でクイッて扉を指したかと思ったら、2人で音もなく出ていったわ…あら?
「ロティ、どうやら伝わってなかったみたいだから、今日の所は話はこれくらいにして、ロティに俺の想いをじっくり伝えることにするね。さ、行こうか」
「え?」
伝わってますって!
って、気付けばまたもやお姫様抱っこされてたわ!?
最近お菓子の食べ過ぎで少し太っちゃったの、バレたくないのにっ!
わたくしの願い虚しく、下ろしては貰えませんでしたわ。




