魔女ウルスラ
私は、魔女ウルスラ。
王国魔術師団に所属している。
年齢? 女性に年を聞くもんじゃない。
ま、特別に教えてやろう。百から二百の間だ。熟女ってやつだね。
先日、勇者って奴と聖女が来た。
勇者は、ちゃらちゃらした若者だ。
聖女は、あれは男嫌いの潔癖症かな。
運悪く、勇者の勘とやらで、メンバーに選ばれてしまった。
断れば、神殿からにらまれそうで、面倒なので参加することにした。
そうだ、腐れ縁のエリスも巻き込んでやろう。
弓士として紹介したら、あっさり決まった。
彼女とは、以前にパーティを組んだこともあるし、実力的には、問題ない。
問題なのは、勇者の方じゃないか?
試しに鑑定眼で見てみた。
......弱い。
見習い冒険者程度だ。
見どころのあるのは、素早さと運ぐらいか。
攻撃を肩代わりできる能力は便利だな。
盾ぐらいにはできるかな。
魔王討伐の旅が始まって、すぐに気付いたことがある。
勇者がめちゃくちゃ女好きだということである。
最初は、聖女を口説いていたが、男嫌いで潔癖症の聖女は、怒って勇者の在り方について説教を始めた。
職業柄、神殿関係の奴は説教が好きだよね。
勇者も説教に辟易して、一日で諦め、矛先をこちらに向けた。
やめてくれ、そんなケツの青いひよっこなんか趣味じゃない。
エリスも私と同じだ。
年下すぎる男はお呼びじゃない。
剣士のオリビエも聖女と同じく、くそ真面目だから、勇者の生活態度に関して意見していたな。
結局パーティメンバーには誰にも相手にされないので、途中からターゲットを宿の女中や町娘に変えたらしい。
若いって、元気でめげないね。
打たれ強さは、勇者としての長所かな。
そんな暇があったら、もうちょっと剣の腕を上げてくれ。
勇者以外のメンバーは、まずまず優秀だといえよう。
エリスの弓術、私の魔術、オリビエの剣術、イレーナの聖魔法はなかなかのものだ。
以前私が参加した勇者パーティのメンバーと比べても遜色ない。
連携もうまくいくようになった。
足を引っ張る勇者には、おとり役を任せた。
魔獣の注意を引き付けるだけの簡単な役目だ。
「皆を守れるなら、本望だよ!」
勇者だけがおとりだと気付いていない。
どこまでお目出たいんだ、おまえは!
そんな勇者パーティーでも、幸運に恵まれ、魔王城までたどり着いた。
勇者の運のせいか?
魔王城に乗り込むと、玉座の間らしき部屋に魔王がいる。
物凄いオーラだ。
魔力の圧だけで肌がピリピリする。
遠目に見ても、強者だということが分かる。
目の良いエリスが言う。
「魔王は、女だ。しかし信じられないほどの魔力を感じる。
強いぞ。」
それを聞いた勇者の目の色が変わった。




