アイアンゴーレム討伐戦(後編)
ゴーレムが消え去った跡には、クエストの達成証明となる魔鉄の破片と、そして見たこともない豪華な装飾が施された「金色の宝箱」がポツンと残されていた。
青野「おい、ボスドロップの宝箱だぞ! 鍵はかかってないみたいだ」
悠が恐る恐る宝箱のフタを開けると、中には、内側から虹色のまばゆい光を放つ、拳大の不思議な結晶が入っていた。
木下「……待って、それの情報を『脳内構成』で解析するよ。……っ、信じられないな。これはフレンドリア・ワールドに極稀にしか存在しない超レアアイテム、『覚醒の宝石』だ」
瑛人「覚醒の宝石? なんだよそれ」
木下「使用した者の潜在能力を強制的に引き上げ、固有スキルの『システム枠』を拡張する神の遺物だよ。……この中で、一番ステータスが足を引っ張っていて、なおかつスキルが拡張されたら一番リターンが大きい人物といえば……」
全員の視線が、ポテチの袋(空っぽ)を握りしめたままの瑛人へと集まった。
瑛人「えっ、俺!? いいのかよ、俺ALL Fのゴミ虫だぞ!?」
悠「いいから使えって、瑛人! お前が強くなれば、俺たちのチームはもっと無敵になる!」
瑛人「よし……! ありがとなみんな。じゃあ、使うぞ!」
瑛人が覚醒の宝石を胸に当てると、結晶が液体のように瑛人の身体に溶け込み、まばゆい光が彼を包み込んだ。
ピコン! ピコン! ピコン!
システム音が鳴り響き、瑛人のステータスが書き換えられていく。
【瑛人のステータス覚醒】
• 知力:F → E
•体力:F → E
• パワー:F → E
• スピード:F → E
【時間制限召喚】が解放!
• 追加効果:ガチのピンチや名前を思い出さなくても、1日3回、1回につき10分間だけ、こちらの世界の友達を「お試し」で自由に出し入れできるようになる。時間終了後は元の世界へ自動で帰還する。
瑛人「うおおおおおっ!? 力が湧いてくる! それに、スキルが進化して『時間制限召喚』ができるようになったぞ! ピンチじゃなくても、10分間だけ誰でも呼べる!」
木下「素晴らしいね。これで『ちょっと手を借りたいだけの友達』を、彼らの日常生活を完全に破壊することなく、10分間の日雇い感覚で拉致できるようになったわけだ。ものすごい人権侵害だけど、僕たちの効率は天文学的に上がったよ。あはは」
悠「これで瑛人も一般人だ! 俺も負けてらんねえな!」
福田「がはは! 最高のご褒美じゃねえか。瑛人もALL Eになったし、小野も増えた! よし、全員揃ったところで……」
全員「「「「「王都で一番高い肉、食おうぜ!!!」」」」」
新メンバーの小野を加え、さらに瑛人がチートな進化を遂げた『フレンドゲーターズ』。彼らの快進撃は、もう誰にも止められない――!




