アイアンゴーレム討伐戦 (前編)
王都のギルドの壁をデコピンで破壊した福田だったが、国宝級の結晶を換金したおかげで弁償代を払ってもお釣りが山ほど返ってきた。一躍、謎の富豪クランとなった『フレンドゲーターズ』は、さらなる資金稼ぎと悠の育成のため、王都周辺の難関クエストを受注した。
ターゲットは、荒野に生息する『マジック・アイアンゴーレム(魔鉄兵)』。
木下「……みんな、気を引き締めて。今回の相手は村の近くにいた岩の奴とはワケが違う。全身が希少な魔戦鉄でコーティングされているよ」
【クエストボス:マジック・アイアンゴーレム】
• 知力:D / 体力:S / パワー:A / スピード:C
【特殊能力】物理・魔法攻撃を80%カットする絶対鉄壁。
悠(体力D・パワーE・スピードE)「物理カット80%!? 前のウサギ狼より硬いじゃねえか!」
福田「へっ、上等だ。80%カットされたところで、残りの20%に俺のパワーSを叩き込んでぶっ壊してやるよ!」
地鳴りを立てて巨大な鉄の塊が迫る。福田は拳を握り締め、正面から自慢のストレートを叩き込んだ!
バキィィィィンッ!!!
凄まじい金属音が荒野に響き渡る。だが、ゴーレムはほんの数歩よろめいただけで、その頑強な巨体(体力S)で福田の拳を弾き返した。それどころか、カットされた衝撃が福田の腕を痺れさせる。
福田「チッ、マジで硬え! 殴っても殴っても、手応えが鉄柱を叩いてるみたいだ!」
木下「福田くん、一旦下がって! 僕の『脳内構成』で弱点を探したけれど……ダメだ、この個体は隙がない。外皮の厚みが均一すぎて、悠くんのピンポイントの体当たりでも体勢を崩せないよ。僕の魔法も、パワーDの出力じゃ装甲を焦がすことすらできない」
青野「俺の建築スキルでも、あんな動く鉄の塊を閉じ込める壁は一瞬じゃ作れねえぞ!」
ゴーレムが巨大な鉄の拳を振り上げる。ターゲットは、前衛で足止めをしている福田と、少し後ろにいる悠だ。スピードCとはいえ、その巨体から繰り出される攻撃範囲は広く、今の悠のスピードEでは完全に逃げ切れない!
瑛人(ALL F)「うわあああ! 来るぞ! 福田でも崩せないなら、俺たち今度こそペシャンコだ!」
木下「……シミュレーション終了。今の僕たちの手札じゃ、完封される確率が98%だね。……瑛人くん、これ以上の戦闘を継続するには『遠距離から装甲の同じ場所をピンポイントでブチ抜く超火力』が必要だ。今すぐ、あの男を呼んで!」
瑛人「あの男って誰だよ!?」
木下「クラスで一番のガンマニアで、部活のアーチェリー部でも国体レベルの精度を誇る……山田くんだ!」
瑛人「よし、拉致るぞ!! 山田ぁぁぁぁーーーッ!!!」
絶体絶命の荒野に、瑛人の魂の叫びが響き渡り、空間がベリベリと裂け始める――。
(中編へ続く)




