いざ、王都!
村のギルドの受付嬢は、カウンターに置かれた特大の最高級魔力結晶を見て、泡を吹いて気絶しかけていた。
受付嬢「こ、こんな国宝級の結晶、うちの村のギルドじゃこれ以上換金できないわよ……! 買い取るには国家予算が必要だわ! お願いだから、中央の『王都』にある本部へ持って行ってちょうだい!」
ということで、換金証明書を発行してもらった5人は、住み慣れた青野特製のコテージに鍵をかけ、いよいよ旅立つことになった。
木下「みんな、準備はいいかい。ここから王都(中央の大都市)までは、普通に馬車を使うと1週間かかる距離だ。……だけど、僕の『脳内構成』でルートを最適化したよ」
瑛人(ALL F)「最適化って、どう行くんだ?」
木下「モンスターの出現ゾーンの隙間を縫い、直線距離で最短の崖をいくつか飛び降りれば、僕たちの足(スピードD〜E)でもわずか2日で王都に到着する計算だよ。あはは」
悠(体力D、パワーE、スピードE)「直線距離のゴリ押しだし、崖から飛び降りるの前提なのが相変わらず狂ってる!!」
福田(パワーS・体力S)「がはは! 面白そうじゃねえか。崖くらい、俺が全員おんぶして飛び降りてやるよ。よし、出発だ!」
こうして、荷物を福田(パワーS)が軽々とまとめて背負い、5人の王都への引っ越し旅がスタートした。
木下のナビゲートは恐ろしいほど正確だった。
「あと3秒で右の茂みからAランクのドラゴンが通り過ぎるから伏せて」「今から福田くんが左の岩盤を殴って壊して、そこにできた空洞に隠れて」といった神がかった指示により、5人は傷一つ負うことなく、信じられないペースで未開の地を進んでいく。
道中、崖を飛び降りる際は、青野が固有スキル『神速建築』を発動。
落ちる瞬間に地面にクッション代わりの「超フカフカな巨大木製すのこベッド」を一瞬でクラフトし、全員ノーダメージで着地するというチートコンボも炸裂した。
青野「俺の建築スキル、完全に福田たちの安全ネットにされてるな……」
そして旅を始めて2日目の夕方。
山を切り拓いた最後の崖を登りきった5人の目の前に、ついにその姿が現れた。
悠・瑛人「う、うわあああああッッッ!!!!」
地平線の果てまで続く、白磁の巨大な城壁。
その中には、何千、何万もの石造りの美しい建物が立ち並び、中心には天を突くような巨大な王城がそびえ立っている。世界中の冒険者や商人が集まる、文字通りの大都会。
木下「到着したね。ここがこの世界の中央大都市、王都『グラン・フレンドリア』だ」
悠「へえ、フレンドリアか。なんか良い名前だな」
木下「うん、僕の『脳内構成』でこの世界の歴史を読み解いたんだけど、この世界は『フレンドリア・ワールド』という名前なんだ。直訳すると『友情の世界』。ただ、世界システムをハッキングしてみたら、世界の最高神(謎のおじいさん)が『日本の男子高校生たちが友情パワー(強制拉致)で無双するのを見て楽しむために作った世界』っていうとんでもない理不尽設定が組み込まれていたよ。あはは」
瑛人「やっぱりあのクソじじいの私物化ワールドじゃねえかァァァーーーッ!!!」
悠「友情ってレベルじゃねえよ! 完全に瑛人のスキルで友達を拉致して増殖させるの前提の世界じゃん!!」
福田「がはは! いいじゃねえか、友達は多い方が楽しいだろ! よし、王都に着いたことだし、まずはあのバカでかいギルドの本部に行って結晶を金に換えるか。そのあとは……」
全員「「「「王都で一番高い肉、食おうぜ!!!」」」」
拉致された友達がどんどん増えていく運命の世界『フレンドリア・ワールド』。
その中心地へ、フレンドゲーターズはいよいよ足を踏み入れるのだった――!




