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獣乱のゲノム  作者: 大野 響
帰国編

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復活の行方

獣乱のゲノム、次話で最終回です。

次回作は、異世界ものにしようと思ってます。

 防衛隊の本部近くまで、走ってきたアランとミラン、マモル。

 戦車や戦闘機が出動し始めていることに気付き、咄嗟にビルの陰に身を隠した。

「こんな平時に戦車が街を走るか?何があったんだ」

 訝るアラン。

「ちょっと待って、凛から連絡が来てる!」

 スマホのメッセージ音に気付いたミランがスマホを覗くと、大トカゲが山里で暴れている動画が流れてきた。

 メッセージには、『助けて!』とだけ書かれている。


「ヤバイ!!」

 声が揃うアランとミラン。

「この戦車、大トカゲを討ちに行くのかも」

「だったら先回りしないと!急ぐぞ!」

「うん!」

 アランとミラン、マモルは山里に向かって走り出した。


◆


 巨体を揺らしながら、山から市街地へと向かう大型トカゲ。長い舌を伸ばし、悠々と木々をなぎ倒して行く。

「だめです、トカゲは完全に人間の味を覚えてしまいました!もう制御不能状態です!」

 トカゲの飼育係が叫ぶと、裏黒と小間使は車に乗って逃げ出した。

 その場に残った加治屋達防衛隊員が大トカゲに向かっていくが、銃は弾かれ、隊員は次々に食い殺された。

「チッ、無能が。使い物にならん」

 安全な場所まで退避した加治屋は、大トカゲに食われそうになる隊員を見ながら吐き捨てた。


 里で畑仕事をしていた農民達に、迫る大トカゲ。なぎ倒した木々や、転がり落ちる岩によって、農民達が多数負傷した。


 現場までやって来た凛や里山動物研究所の研究員は、逃げ惑う農民達を誘導した。

(隊長の依頼でトカゲを追っていて良かった。一人でも多く助けなくちゃ)

「みなさん、川の橋を渡って逃げて下さい!早く!」

 凛は力の限り叫んで、農民達を逃がした。


『ジュルルッ』

 大トカゲの長い舌から、不気味な音が漏れる。

 凛は持っていた鎌を振るい上げ、大トカゲに飛びかかった。

(大丈夫。私だって、元獣衛隊なんだからー!)

 

 凛の鎌が、大トカゲの長い舌をスパッと切った。

「やった!」

 凛が喜んだのも束の間、大トカゲの牙が凛の背中に突き刺さった。

「あっ」

 その時、戦闘機がやって来て大トカゲに向かって弾を連射した。

「ヴァッ」

 動きを止めた大トカゲ。

 凛は地面に叩きつけられたが、大トカゲが止まったおかげで致命傷を負うことなくその場にうずくまった。


 加治屋の下に、裏黒から電話が入った。

『トカゲの開発には税金30億がかかってる。殺さずに生け捕りにしろ』

 裏黒の言葉に、顔の皺を深める加治屋。かしこまりました、と言って電話を切った。

「戦闘機に伝えろ、ミサイルは使うな!」

「はい!」

 側にいた隊員が返事をした。


 地面にうずくまっている凛を、踏み潰そうとする大トカゲ。そこへやって来たアランとミラン、マモル。

「凛に、触んなー!」

 アランは叫び、大トカゲの目に向かって針を飛ばした。

 剣を振り上げ、大トカゲと戦うアラン。

 ミランは凛を抱えると、安全な場所まで運んだ。

 アランは大トカゲの首を切ろうとするが、長い尻尾を振って体当たりされた。地面に打ち付けられるアラン。

 そこへ、大トカゲの牙が迫ってきた。

 アランは足を噛まれると同時に、大トカゲの喉元を剣で突いた。

「グァァー」

 大トカゲの声が辺りに響く。

 残りの力を振り絞って牙から足を外したアランは、そのまま地面に落ちた。


 目を丸くして、手を震わせる加治屋。

「さ、30億のトカゲを···!あいつらを、殺せ!」

 加治屋は、アラン達を指差した。

「え!相手は一般市民ですよ!?」

「構わん、あいつは赤い雨を降らせた獣衛隊の一味だ!」

 加治屋の指令により、アランの下へと向かう戦闘機。

 戦闘機から弾が放たれると同時に、アランは何者かによって、蹴り上げられた。


 蹴られて、大きく跳んで行くアラン。

(あれ、今のって···まずい、このままじゃ地面に激突する!)

 

 アランは地面に落ちるギリギリの所で、やって来た菅原と志穂によって助けられた。

(助かっ···た)


「ナイスキャッチ!」

 と志穂。

「当然」

 ドヤ顔の菅原。

 アランは、二人を見て喜んだ。


 アランを蹴った人物が、マモルに向かって叫んだ。

「マモル、俺をあの戦闘機の所まで飛ばせ!」

 マモルによって飛ばされたのは、人間の姿に戻った森田だった。


 森田は空中で持っていた剣を振るい、戦闘機の翼を切断した。

 墜落する戦闘機。

 

 大口を空け、落ちてくる森田を待つ大トカゲ。そこへ、ミランが飛んできて森田を助けた。

「班長、おかえりなさい」

「待たせたな!」


 森田はミランの手によって地上に折り立つと、大トカゲの首を切った。首を切られ、絶命する大トカゲ。


 すると、新政府が作った残り2匹の大トカゲも森田の下にやって来た。

 更に、遅れてやって来た戦車が森田に向かって砲弾を撃った。


 窮地を悟ったマモルが、砲弾に向かって両手から光を放つ。一旦拮抗する光と砲弾。しかし光の力に負け、砲弾は弾けて飛び散った。

 

 森田は大トカゲAに剣を振るい、大トカゲBを蹴りつける。

 森田の剣が大トカゲAの目に入り、大トカゲAは体をブルンブルンと震わせた。

 剣を目に刺したままの森田は、大トカゲに振られて地面に激突した。


「班長!」

 ミランは助けに行こうとするが、大トカゲBによって阻まれてしまう。


 森田は渾身の力を込めて、地面から上半身を起こした。だが、大トカゲAの尻尾が森田に向かって来る。


 後からやって来た多数の戦車も、森田に狙いを定めた。


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