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獣乱のゲノム  作者: 大野 響
ナモスタン編

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37/43

薬の力

今更ですが、初期エピソードの「八王子訓練場」に少しだけ話を足しました。

(世界の母国語が英語になってる、というエピソードです。)

 ゲルアン·ゲルドゥ·ゲルトローの三人が両手を上げると、上空に竜巻のような大きな渦が出来た。

「ゲルゲルストーム!」

 ゲルアン達3人がそう叫ぶと、大きな渦巻きがアラン達に向かって放たれた。


「うわぁっ!」

 逃げることもできず、右腕を顔の前にして防ごうとするアラン。

 その時、マモルが両手を前に出して空中に光のような波動をゲルアン達に放った。

「ダメダメ、ブー!」


 空中でせめぎ合う渦巻きと光。わずかに渦巻きの力が上回り、アラン達は爆風に見舞われた。

 体に傷は受けたものの、致命傷は負っていない。マモルが光の波動を出してくれたおかげで、渦巻きの力が弱まり、命拾いしたアランとミラン、森田。

(マモルのおかげで、助かった···)


 ゲルアン達とアラン達の戦いを少し離れた所で見ていた後藤は、ペイトンがレーザー銃を落としたままだったことに気付いた。

「あ、あれは」

 後藤は恐る恐るレーザー銃に近付くと、アランに向かって銃を撃った。

 

 銃が放たれたことに気付いた森田は、アランを突き飛ばしたが、代わりに自分が撃たれてしまった。

 左肩を撃たれ、その場に倒れる森田。

「班長!」

 アランは森田を撃ったのが後藤だと気付くと、後藤に向かって走った。

 すると、ゲルアン達がやって来て前を塞がれた。


「おいおい」

 とゲルアン。

「どこに行く」

 とゲルドゥ。

「つもりー?」

 とゲルトロー。

 

 そこへ、前を塞いでいたゲルアン達に向かって突然、背後から鍬が投げられた。

 鍬が頭に当たり、その場に倒れるゲルドゥ。蚤や鋤といった農耕具や、石がゲルアン達に振り注いだ。


 農耕具を投げていたのは、カルムとダリヤ達少女だった。

「なんだよ、お前らはー!」

 怒ったゲルトローがカルムのところへ行こうとすると、ミランとマモルがその前に入ってカルム達を守った。

 

「そこをどけー!」

 森田が負傷して激怒したアランは、目の前にいたゲルアンの顔を殴った。

 ゲルアンもアランの顔を同時に殴ってきたため、二人とものけぞって一旦離れた。

(さっきから、こいつらは頭を吹っ飛ばしても心臓を潰してもすぐ再生しやがる。だったら同時でどうだ!)


 合間に後藤が何度もレーザー銃を撃ってきたが、素早くかわすアラン。


 アランはゲルアンの下へ行くと、両手の針を刀のように鋭くしてその頭と心臓を同時に殴った。

「超切波」

 目を見開き、頭と胸から血を流したゲルアンは、そのまま息絶えた。


(アラン、よくやった!)

「これで、終わりだ」

 アランの同時攻撃を見ていた森田は、右手で剣を持って立ち上がり、走ってゲルドゥの心臓に突き刺した。

 ゲルドゥの頭に刺さった鍬の柄に乗り、体重をかける。

 頭を割られ、心臓を刺されたゲルドゥも、その場で血を流し動かなくなった。

 森田はミランに向かって言った。

「ミラン、マモル、頭と心臓を同時に狙え!」


 ゲルトローの心臓に、ミランが牧草フォークで突き立てる。同時にマモルが至近距離から波動を放った。ゲルトローは頭と体がバラバラとなり、その場に倒れた。


 近付いてくるアランに対し、震えながらレーザー銃を構える後藤。

「こ、こっちに来るなぁ!」

 後藤の背後に隠れるようにして、小さくなるグラムとレイラ。

「クソっ、最終手段だ」

 後藤は胸ポケットから小さな瓶を取り出すと、中から薬を取り出して口に入れた。

「だめよ、それはっ!」

 レイラが慌てて止めたが、後藤は飲み込んでしまった。

「レイラ、じゃーな」

 その言葉を最後に、後藤は体が1.5倍に大型化し、服が破けて筋骨隆々な姿となった。


「なんだよ、これ」

 後藤の突然の変化に、アランは驚いて一歩後ずさった。

 突然大型化した後藤は、目が魚のようになり、手指の爪が鋭く伸びた。興奮しているのか、息も荒い。

 後藤はギョロリとした目でアランを見ると、高速の拳を繰り出してアランをボコボコにして遠くへ飛ばされた。


(これは、薬の力!?)

 少し離れた所にいたミランは、突然強くなった後藤に驚いて目を見開いた。


(恐らく、筋力増強剤のようなものを使ったな)

 森田は満身創痍の体から力を振り絞って、後藤に立ち向った。

 森田は剣を振るい、後藤は爪で互角の戦いを繰り広げる。

 そこへ、ミランも加勢した。

 森田とミランに押される後藤。すると指の爪でミランの羽根を切り裂いた。

 辺りに散る、ミランの羽根。

 焦るミラン。

(これじゃ、飛べない)

「あっち、行ってー!」

 マモルが手から波動を出したが、疲労のためか威力は弱かった。


(マモルもさすがに疲れたか)

 肩で息をしながら、森田はまっすぐ後藤を見つめ、いきなりジャンプして空中で回転した。そして目に見えない程の速さで剣を振るうと、後藤の手指を一気に切断し、そのまま首に切りかかった。


 後藤の首を半分ほど切ったところで、怒り狂った後藤に空中で叩かれ、森田は地面に体を打ちつけた。

「うおぉぉぉー!」

 首から血を吹き出しながら、雄たけびをあげる後藤。


(顔が、青ざめてきた)

 ミランは後藤の顔色が悪いことに気が付いた。


 後藤に飛ばされたアランは、瓦礫にぶつかって頭から出血していた。それでも立ち上がると、後藤の下へ走った。


 爪を失い、出血しながらうめく後藤。だんだんと醜い顔へと変わり、知性も失っているようだった。


 アランは地面に倒れた森田と傷だらけのミラン、マモルの様子を遠目に確認した。

(みんなもう限界だ。だから、絶対、お前は俺が倒す!!)

 アランは全身から針を出すと、飛び上がって両足揃え、後藤の腹に一直線になって向かった。

 

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