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獣乱のゲノム  作者: 大野 響


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奇襲

ミランはマモルをおんぶして、牧草フォークを持っています(前エピソード修正済み)

また、森田がもっている武器は衛兵から奪った「柄の長い剣」に修正しています。

 宮殿跡地近くの住宅街には、いくつもの悲鳴が響いていた。

 ゲルアン達3人は、楽しそうに人をきり裂いては地面に血を流した。

「キャーッ!!」

「やめろー!」

 逃げ惑う人々は、涙を流して震えていた。

 すると、ゲルアンにはアランが、ゲルドゥには森田が、ゲルトローにはミランが、それぞれ背後から斬りかかって奇襲した。



 森田は、泣いている子どもを殴ろうとするゲルドゥの背後に現れ、その心臓目掛けて剣を突き刺した。

 バタン、とその場に倒れるゲルドゥ。だがすぐに頭を動かして刺すように森田を見た。

「お前誰だよー!」

 顔に怒りを浮かべるゲルドゥ。

 森田もゲルドゥを睨みつけながら、体中を何度も突き刺した。


「ゲルドゥ、そいつは森田だぁー!獣衛隊で一番強い男だぞ、油断するな!」

 少し離れたところで戦闘の様子を見ていた後藤が、ゲルドゥに向かって声を張り上げた。


 ゲルドゥの右手がわずかに動いたのを見て、森田はすぐにその場から離れた。

「ゲルゲルビーム!」

 ゲルドゥの右手から放たれた波動で、辺りの建物は爆破され、飛び散った。

 どうにか逃れた森田の頬にも、切り傷が出来て血が滴った。

(小さいミサイル1発分の威力があるな)


「森田?んな奴知らねーよ」

 ゲルドゥは口を開け、舌を伸ばして森田の剣を奪おうとしたが、森田は素早くその舌を切った。

「痛ーっ!もうやめてよー」

 ゲルドゥは起き上がると、森田に殴りかかってきた。

 殴り合う二人。

「俺は獣より、対人戦のほうが得意なんだよ!」

 森田は、そう言ってゲルドゥの腹に強烈なキックを食らわせた。

 ゲルドゥは吹っ飛んで倒れたが、また起き上がって森田に向かってきた。

(心臓を突いたおかげで弱ってはいるが、それでもこの破壊力。まともに戦ってたら危なかったな)

 森田がゲルドゥの右手パンチを避けたところで、ゲルドゥの左手が一瞬光った。

(まずい!)


「ゲルゲルスーパービーム!」

 ゲルドゥは左手からレーザーのような光を発射し、辺りを一直線に焼き尽くした。

森田は光に剣を向けて衝撃を抑えたが、それでも防ぎきれずに遠くへ飛ばされた。


 弧を描くように飛びながら、態勢を立て直す森田。落ちる前に地面に剣を立て、衝撃を和らげて着地した。

 着地と同時に、足元の砂をすくい上げる森田。


 ゲルドゥは飛んで行く森田を見てニヤリと笑うと、勝ったつもりで右手を顔に、左手を腰につけてポーズを決めた。

「僕って強ーい!カッコイイ!」


「まだ戦いは終わってない!」

 ゲルドゥのところまで急いで戻った森田が、ゲルドゥの両目に砂をかけた。

「うわっ、見えない!」

 慌てるゲルドゥの頭に、剣を突き刺す森田。するとゲルドゥの顔は動きが止まったが、両手両足だけは動き始めた。

(まだ動くのか!?)

 再び格闘し合う森田とゲルドゥ。

(頭を刺してから、明らかに動きが鈍くなってる。今だ!)

 森田は一瞬の隙を突き、ゲルドゥの腹を切った。

 上半身だけとなったゲルドゥは、空中に両手を上げた。



 長い舌で死体の血を吸っていたゲルアン。その心臓に向かって、背後から鉄の棒を突き刺したアラン。

 ゲルアンは一旦倒れたが、また起き上がって右手に集めた光を放った。

「ゲルゲルビーム!」

 ギリギリで避けたアランが態勢を崩した隙に、ゲルアンはアランから鉄の棒を奪い、その棒をアランの頭目掛けて振り下ろした。

(しまった!)

 ゲルアンに頭を思い切り叩かれるアラン。

 アランは頭を押さえ、その場にうずくまった。

(うう、さっき砲弾を食らったはずなのにこの威力かよ!ネズミやワニとは動きが違うし、もっと相手の行動を読まないと···!)

「だっせー!バーカ!」

 嘲笑うゲルアン。


「ゲルゲルパワー!」

 追い打ちをかけるように、ゲルアンがアランに殴りかかってきた。

 アランは体中から針を出し、ゲルアンの顔にも拳から放った針を突き刺した。

「痛っ!痛いよー!なんだよお前!ハリネズミかよ!」

 両手と顔に針が刺さったゲルアンは、痛みで泣きながらアランを罵倒した。


「俺の針は、こんなもんじゃない!」

 反撃に出たアランは、両腕から出した針を薄く鋭い刃物のような形に変形させると、高速のパンチを繰り出した。

「超切波!」

 ゲルアンの体中を、殴ると同時に切り刻むアラン。体中に穴が空き、頭も右半分が吹っ飛んだところで、ゲルアンは両手を上げた。

 


 ゲルトローの頭に刺さった、ミランの牧草フォーク。

 ミランがフォークを抜くと、ゲルトローの顔は蒼白となったが、体は動いてミランの腰にゲルトローの蹴りが入った。

 ミランは吹き飛ばされそうになり、羽根を羽ばたかせて空中を飛んだ。

(頭を刺したのに体が動くって、どういう構造してるわけ!?)


 まぶたをうっすらと開けたゲルトローは、高くジャンプしてミランのすぐそばまでやって来た。そしてミランの顔に拳を向けた。

「怒ったぞー。僕は怒った!ゲルゲル、パワー!」

 ゲルトローが高速のパンチを繰り出すと、ミランに背負われていたマモルが頬をぷくっと膨らませた。

「やめて、だめー!」

 マモルはミランの顔の前に右手を出すと、その掌から大きな波動が出てゲルトローが一気に吹っ飛んだ。


「なんだよ、なんだよ、なんなんだよ、お前は!」

 ボロボロになったゲルトローが、涙目になって空中に両手を上げた。


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