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獣乱のゲノム  作者: 大野 響
ナモスタン編

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34/43

翼竜

 グラム達の部屋に複数の大ネズミが入って来ると、ゲルドゥが両手から風を起こして大ネズミを吹き飛ばした。それは宮殿の柱に当たり、ヒビが入ると、辺りは少しずつ崩れ始めた。

「ゲルドゥ、もっと慎重にやれ!宮殿が壊れるぞ!」

 ゲルドゥを叱るグラム。

「キャー、助けてー!」

 やって来た大ネズミに喰われそうになり、柱に上っていたレイラが、髪に食いつかれて悲鳴を上げた。

「ゲルゲルビーム!」

 手から起こした大きな波動で、辺りの大ネズミをあらかた吹き飛ばしたゲルトロー。

 助かったレイラがホッとしたのもつかの間、すぐに新しい大ネズミ達が部屋に入ってきた。


 大ネズミで溢れ返る宮殿内。ゲルアン達3人は、大ネズミに何度も攻撃を加えるが、数が多過ぎて埒が明かない。

「ネズミがさー」

 とゲルアン。

「多過ぎるよねー」

 とゲルドゥ。

「もう飽きたー」

 とゲルトロー。


 「おい、ふざけるな、どうにかしろー!」

 怒声を上げるグラム。

「グラム様、もうすぐ軍が到着します!」

 後藤がグラムに報告した。

「ちょっと待って、宮殿が!」 

 天井にヒビが入っているのを見上げながら、レイラが叫んだ。

 大ネズミの大群により宮殿は揺れ、とうとう大きく崩れ始めた。


 ドドーン、と音を上げ、宮殿は完全に崩れてしまった。

 土煙の中から、なんでもない様子で姿を現したゲルアン、ゲルドゥ、ゲルトロー。

 大きな机の下にもぐり込んだおかげで、命拾いしたグラム、後藤、レイラ。

 その周りには大ネズミが溢れ、西側から更に大ネズミの大群が北に向かっているのが見えた。


 北側からは、ナモスタン軍の戦車や装甲車が多数やって来た。しかし、大ネズミの大群に襲われ、次々に壊されて多数の軍人が食われた。

 慌てた様子で、大ネズミの大群にミサイルを発射するナモスタン軍。

 爆音と爆風が響いた。だが、周辺の大ネズミが倒れただけだった。

 西から北へ向け、続々とやって来る大ネズミ。


 その様子を眺めていたゲルアンが、一際大きな大ネズミの背に乗っているペイトンを見つけて指差した。

「あれー?ペイトンじゃん!」

「ホントだー!」

 とゲルドゥ。

「軍を守れ!ペイトンを倒せー!」

 グラムが強い口調で命令した。

「はーい!」

 とゲルアン達が応えた。


 ゲルアン達3人が走ってペイトンを取り囲むと、「ゲルゲルパワー!」

 と言って、ゲルアンがペイトンに殴りかかった。

 殴りあいとなる、ゲルアンとペイトン。

 ペイトンを手助けするようにやって来る大ネズミ達を、ゲルドゥとゲルトローが大きな波動を起こして吹き飛ばした。

「ゲルゲルビーム!」


 ナモスタン軍は、車輌に搭載されていたミサイルを、大ネズミの大群に向けて再度発射した。

 再び爆音と爆風が辺りを包んだ。倒れる複数の大ネズミ。しかし、西から来る大ネズミの大群は途切れなかった。


 殴り合うペイトンとゲルアン。ペイトンは大ネズミから飛び降りて、本格的な対人戦となった。

 ペイトンがレーザー銃を撃つと、至近距離でゲルアンに当たった。しかし、ゲルアンは倒れてもすぐ立ち上がり、不敵な笑みを浮かべた。

「そろそろおしまーい!」

 ゲルアンが右手から出した波動で、その場から吹っ飛ぶペイトン。

 倒れたペイトンに、ゲルアンがトドメの一発を放とうとしたその時、ゲルアンの頭上で何かが光った。



 ミサイルの爆風が収まると、倉庫の窓からはペイトンとゲルアンの戦闘の様子が見て取れた。

「ペイトンが、男の子と戦ってる。あれ、3人いる」

 ミランが呟くと、隣のダリヤの指差が震え始めた。

「あいつ···ゲルアンだ···」

「ダリヤ、彼らのことも知ってるの?」

 ミランがダリヤに尋ねた。

「···一緒に閉じ込められていた子が、あいつらに、食われた···」

 ダリヤは顔面蒼白して涙目になった。

 他の少女達も、同じような顔をしている。


「···ひど過ぎる!」

 ミランは激高して倉庫の壁を叩いた。

「おい、上を見ろ。あれは···翼竜か?」

 ガラスの外を見ていた森田が、目を凝らしながら言った。

「え!?」

 その場にいた全員が驚いて窓に張り付いた。すると、空にはいつの間にか、沢山の翼竜が大ネズミの上を羽ばたいていた。

 翼竜は、ケツァルコアトルス程度の大きさで、空の上を自由に飛んでいた。

「翼竜なんて、さっきまでいなかったぞ!」

 驚いて声を上げるアラン。

「雲の上を飛んで来たんじゃない?」

 とミラン。

「あの翼竜、女が乗ってる」

 森田がそう言って翼竜に乗った女を指差した。すると、ドーン、という音がしてゲルアンが倒れた。

 それは、一頭の翼竜に乗った女が放った、ロケット砲だった。



 頭上からのロケット弾をまともに受け、その場に倒れたゲルアン。

 驚いてゲルアンの下に駆け寄るゲルドゥとゲルトロー。

 見上げると、そこにはいつの間にか複数の翼竜が飛んでいた。

 一頭の翼竜の上には、ロケット砲を持った女が乗っている。

 驚くゲルドゥとゲルトロー。

 翼竜に乗った女は、ゲルドゥとゲルトローに向けて、もう一度ロケット砲を撃った。だが、女の存在に気付いた二人はその場から逃げて助かった。


 女を乗せた翼竜はいきなり地上スレスレに飛んだかと思うと、倒れていたペイトンを救出してそのまま飛んで行った。

「えー、ちょっと」

 とゲルドゥ。

「まだ行くなよー!」

 とゲルトロー。


 女とペイトンを乗せた翼竜は、そのまま雲の合間に消えた。その他の翼竜も雲で見えなくなったと思ったら、空から降ってきたロケット砲がミサイルを載せた車輌を爆破し、ナモスタン軍が吹っ飛んだ。


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