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国策テレビ

 CCC株式会社は、1968(昭和43)年に設立されたテレビ番組の制作プロダクションである。主な出資者は京葉電鉄と広告代理店の帝報である。CCCはCreative Communication Companyの頭文字を取ったものである。設立に当たって音頭を取ったのは、砂岡である。ある意味、民間資金による国策会社であった。

 設立時には京葉電鉄からは秘書室長であった市村が社長として送り込まれ、帝報からは番組製作担当として飯垣幸次郎が副社長として送り込まれた。市村は資金管理を始めとした各種マネジメントを担当とし、実際の番組制作の指揮は副社長の飯垣が担う。


 設立の目的は関東国際空港のイメージアップを行うためである。設立された昭和40年代は、まだ海外旅行は庶民にとっては縁遠い世界であった。そんなエリートしか利用しない飛行機や空港は、一般庶民にとっては騒音を撒き散らかす迷惑施設でしかなかった。そのため、庶民からは敵意の対象になりやすかった。実際、各地で騒音訴訟や空港建設反対運動が発生していた。


 その状況を改善すべく、当時普及しつつあったテレビを通じてイメージアップを図ろうとした。そのために海外紀行番組や空港を舞台としたドラマを製作放映することで、飛行機や空港に対する反発を低減もしくは好印象を持たせようとした。そこで専門の番組制作会社を設立させた訳である。


 設立当初のCCCは手探りで番組製作をしていた。取り敢えず視聴者に海外を紹介することが主眼に置かれた。海外紀行番組「尾高よしこの世界旅行」が製作放映された。最初に製作された番組ではあったが評判は上々で、これを中心軸に会社は発展していくようになる。


 そして、もう一つのイメージアップとして千葉学術研究都市のPRがあった。千葉学術研究都市は東京都心と関東国際空港の中間地点に新首都を建設する計画がオイルショックで頓挫し、学術研究都市に計画が変更されたものである。

 CCC設立前に新首都構想(後の千葉学術研究都市)を市村が帝報を通じ、新聞・雑誌などで広くアピールをしていた。これをテレビでも展開することになった。

 映画「ガズラ」、特撮テレビドラマ「ギャラクシーマン」を手掛けていた角田雄二が率いる角田プロダクションに依頼して、学術研究都市をプロモーションする映画を製作した。そしてテレビ放映や全国各地の博物館などに提供したりした。


 このように最初期は牧歌的であったが、この様相が一変するようになる。その契機が関東国際空港建設反対運動で発生した「三丸丘事件」であった。三丸丘事件は反対派が内紛を起こして、内輪揉めで反対派2,000人以上が死亡する悲惨な事件があった。

 建設予定地で人が対象に死亡するという、空港のイメージが最悪なものになった。政府はこれを早急に挽回しなければならない事態となった。


 そこで政府はCCCに着目して全面支援を行うようになる。文部省を通して空港建設や学研都市建設の教育映画を製作し、各学校に配布上映を行う。またテレビ番組製作で関係する省庁、海外取材時には外務省が全面協力するといった調子である。

 また番組のスポンサーとして、政府が前面に出ると国会で労農党に追及されかねない。そこで政府と関わりが深い企業(土木関連、防衛関連)に「お願い」をして、スポンサーを引き受けさせた。


 関東国際空港の開港の年となる1972(昭和47)年には、テレビドラマ「空港刑事」を始めとして、幾つもの空港関連や海外を扱ったテレビ番組が製作放映されるようになった。

 こうして、完全に国策テレビと化したCCCであった番組内容は、北朝鮮のようにプロパガンダを押し付けるようなものでなく、あくまで視聴者が楽しめる娯楽色が強い内容であった。

 こうした努力が功を奏してか、飛行機や空港に対する庶民の敵意は次第に鎮静化していった。そうした中で京葉電鉄から送り込まれていた市村はCCCから離れ、京葉電鉄の副社長となる。後任は副社長の飯垣がCCCの社長となった。


そして、国民的ドラマが誕生する。

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