表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/158

伊丹空港

 伊丹空港は大阪都心北北西の大阪府と兵庫県の境にある国内線用の空港である。2本の滑走路を有し、滑走路の間隔が480mのクロースパラレルの空港である。


<諸元>

・面積    380ヘクタール

・滑走路

  A滑走路  2,700m(長さ)×60m(幅)

  B滑走路  3,000m(長さ)×60m(幅)

・搭乗橋   30基

・発着回数  13万5,000回(2019年)

・利用客数  1,650万人(2019年)

・貨物取扱量 11万5,000トン(2019年)


 面積は関東国際空港の面積約6,200ヘクタールに比べ16分の1程度と矮小である。それでも、かつては国際線も運行しており、ジャンボジェット機ボーイング747(以下B-747)が頻繁に往来していた。最盛期の1991年には年間発着回数19万回で年間利用者数が2,300万人に達するほどであった。

 A滑走路は2,700mと短いが燃料搭載量が少なくて済む国内近距離線であれば、B-747でも離着陸が可能であった。こうして2,700mのA滑走路が国内線用で3,000mのB滑走路が国際線用という形で使い分けされた。

 現在では国際線運用はなくなりB-747も退役したため、特に路線の長短に関係なくA・B滑走路が使われている。


 空港へのアクセスは一般道・高速道路・鉄道・モノレールと整備されている。

 鉄道は宝急電鉄空港線が担っており、ルートは梅田―十三―神崎川―服部寿―曽根―岡町―豊中―伊丹空港―石橋―桜井―牧落―箕面である。

 モノレールは大阪府主体となって運営されている。ルートは伊丹空港から近畿環状道路に沿って、万博公園を経て関西鉄道久宝寺口駅の34kmである。


 元々、伊丹空港は大日本帝国陸軍の飛行場であったが、敗戦後アメリカ軍に接収される。その後、日本に返還され滑走路整備や空港ターミナルビル建設などの拡張工事が行われ、1969(昭和44)年に再開港となった。

 拡張工事期間中でもジェット旅客機の運用は並行して行われた。それと同時に市街地が拡大し空港周辺もベッドタウン化の波が押し寄せる。こうして住民との間で騒音問題が発生する。1969(昭和44)年12月14日には空港周辺住民が政府を相手取り、夜間空港使用の差し止めと損害賠償を求める提訴した。


 そうした中で迎える1970(昭和45)年の大阪万博では、新幹線とともに「万博最初のパビリオン」と呼ばれるほどに盛況を博し、大阪の空の玄関としての大量の国内外の万博訪問者を捌いた。

更に1977(昭和52)年にはB-747が大和航空で運用される。B-747は大型でエンジンが四発ということもあって、騒音公害がより酷くなっていった。

 この騒音公害で住民はより強い憤懣を持つようになり、空港周囲では飛行差し止めを求める周辺住民によるデモが頻繁に行われる。そして空港に隣接する周辺自治体の市長や市議会議員は選挙対策から、伊丹空港廃港を訴えるようになった。更に市議会において伊丹空港廃港通告決議まで行われる事態に発展する。


 このように緊張状態の中で、時の運輸大臣であった南野隆弘が

「元々、空港が先にあって、住民が後から住むようになったに過ぎない。分かって住んでいるのだから文句言うべきでない。嫌なら引っ越せばいいことだ」

と、住民の神経を逆なでする発言をしたことで、住民の怒りが爆発してしまった。

 結果、大臣の発言撤回と辞任を求める大規模な反対デモが発生する。空港ターミナルビル・駅・駐車場などがデモ隊によって包囲され、空港業務が一時麻痺する事態にまで発展した。結局、機動隊が出動して、強制的に解散をさせられる。しかし、これで解決する訳がなく住民との対立は、より一層根深いものとなってしまった。

 また国会においても、南野の発言は問題発言として強く追及されてしまう。こうした事情から南野は辞任することとなった。その後を引き継いだのが砂岡で、砂岡はこの事態収拾に勤めることになった。


 砂岡は周辺住民を宥めるため、21時から翌7時までの間を離着陸禁止した。これで周辺住民の怒りは多少鎮静化するものの、騒音公害の根本的な解決にはならなかった。

 そもそも伊丹空港問題の原因の一端は砂岡にもあった。砂岡の運輸大臣就任はこれまでの論功行賞というよりは、撒いた種を刈らせるためであったといえる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ