10・心配するヒトと高笑いするヒト
次の日の朝、俺の目覚めは最悪であった。夢でも俺は恵聖を振る夢を見たのだ。未だに現実の恵聖と夢の中の恵聖が泣いている声が耳から離れていなかった。
俺は恵聖の事を考えていた。恵聖はちゃんと立ち直れるだろうか。けど、恵聖は強い女子だったと思う。だから今日から元気に登校して、啅人と付き合い始めるだろう。俺はそう簡単に考えていたのだった。
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告白の日から数日が過ぎたのだが、明らかに恵聖の様子がおかしいように見えた。
振ったのをまだ気にしているのか、学校で何かあったのかは分からない。
「俺の気にしすぎかな・・・・・。」
俺はそう小さく呟いた。
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休み時間の話である。俺は一人の女子とすれ違った。その女子のことは知っている。恵聖と同じクラスの女子だ。前に恵聖の事を意識して何度か恵聖のクラスの前を通ったときに、とても目立っていた女子だ。確か周りにいた女子が"加賀美様"と言っていた。
「あの・・・・。えっと、加賀美さん?」
俺は思わず声をかけた。
「あら?お話したこともないのに私の名前を知っているなんて、光栄ですわ!」
加賀美さんは目を輝かせて凄い勢いで半回転して俺を見た。
「お、おう。ちょっと聞きたいことがあって・・・・・・。」
「な、なんですの?なんでも聞いてくださいませ!私の好きな食べ物ですか?好きな映画ですか?」
俺が聞こうとしたら、何故か一人で盛り上がる加賀美さん。
「いえ、そうじゃなくて・・・・・。聞きたいのは恵聖の事なんだけど・・・。ちゃんとクラスメイトとかと仲良くしていたりしてるかな?と思って・・・。」
そう、俺は加賀美さんが一瞬嫌そうな顔をしたのを見逃してしまっていた。
「ええ!私達は恵聖さんととても仲がいいのですよ?オーホッホッホ!」
そう言って加賀美さんは高笑いをしていた。そっかそれなら良かった。
俺も安心して笑顔になったのだった。




