入学式
読んでいただきありがとうございます。
「しかたない。俺もレーアの友達に挨拶に行く」
私を抱えたまま、アロが立ち上がると、瞬間移動で学院に戻ってきた。
既に入学式のため、在学生たちはホールに入っており、入学する学生たちは入場を待って、ホールの外に並んでいる。
!!
「ルシア!こっちよ」
私達に気がついて、ソフィアが手を振る。
他の生徒たちも、ソフィアの声にこちらを振り返った。
私達の姿を見て、学生たちがどよめく。
「キャー。黒いダイアよ」
「ルシア様、を抱えておいでよ」
「やっぱり婚約されるのでわなくて!」
「もしかして今日、発表かしら?」
「ルシア様可愛い」
みんなが口々にしゃべりだす。
アロは騒めきを気にすることなく、私をソフィアの隣に降ろす。
「アロ兄さま!約束と違いますよ」
「ソフィアこそ、約束が違うな」
アロの低い声が響いて、ソフィアがフリーズする。
「アロ。私のお友達よ」
「レーア。また後でね」
アロは私の頭に軽く手を置いてから、ホールへと入って行った。
「うー。アロ兄さま、さすがの恐ろしさね」
ローラが、私の横に並ぶ。
「子供の頃から本当に、他人に厳しいのよ」
「あー。背中が凍ったわ」
ソフィアが両手を摩る。
さあみなさん、もうすぐ入場ですよ。
担任の先生の声が掛かり、私達は2列に並ぶ。
私は列の最後に、ソフィアと並んで、入場することになった。
ホールに入ると、2年生、3年生に拍手で迎えられる。
クラスは一学年2クラスで、一クラス30人ほどだ。
在校生の列の先に、生徒会役員が並び、ノアお兄様が、キラキラの笑顔で私に手を振る。
もう。ノア兄さま!みんなの注目を浴びて、なんだか恥ずかしい。
…………。
在校生の間を進みながら、アロの姿を探す。
見つけたアロの姿は、まさかの学院長先生の隣。
「アロ兄さま、もしかして…………。」
ソフィアがポツリとつぶやいた。
入場が始まり、学院長先生のあいさつ。
次に、今年度生徒会長になったノア兄さまが登壇して、挨拶と学院生活の注意点について説明した。
その後、一年生代表として、レイモンドがあいさつし、予定された入学式の式次第は終了したが、学院長先生からお知らせがあると、アナウンスが入る。
アナウンスと同時に、学院長先生が、再度壇上に上がる。
…………そしてその後ろに、アロが続く…………?
「あー。やっぱりよ~。ルシア、アロ兄さまは、学院についてくるつもりよ」
ソフィアが、私の耳元に顔を寄せ囁いた。
私が、目をパチクリしてソフィアを見ていると、学院長の話が始まった。
「入学式と同時に、みなさんに喜ばしいお知らせがあります。隣に登壇されました、リファン公爵家次期公爵、アロイス様が、当学院の特別講師を、引き受けてくれることになりました。アロイス様は、長い間魔塔長として、その魔力と技術をふるっていらっしゃいましたが。この度、次期公爵となるべく、その職を辞されました。お忙しい公務を、縫う形ではありますが、特別講師として担当していただくのは、1年生の魔法学と実技演習となります」
学院長が、アロの方を向く。
「では、アロイス先生、ご挨拶をお願いします」
アロは、学院長に頷くと、真直ぐに私の方を見た。
「リファン公爵のアロイスです。この度、特別講師を引き受けることとなりました。よろしくお願いします」
眼をそらさずに、アロを見つめていると、うっすらとアロの口角が上がる。
僅かな笑みに、令嬢達から悲鳴が上がった。
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