アロイスの考察 ③ アロイス視点
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そしてあの、封印の日…………。
ティチューバは、すっかり復活を遂げ、レーアに狙いを定める。
伸びる黒い手にから、レーアを守るため、とにかくレーアを遠くに飛ばす。
こんな手は、いくらでも、自分で対処できる、そう思っていた。
魔法で、黒い手を跳ね除けてから、レーアが転がった先を確認する。
マグナスが、レーアを、後ろから抱えるのを見た俺は、嫉妬に心がゆがむ。
俺の、汚い気持ちを、見逃さなかったティチューバが、俺の中にどんどん入り込んできて、魔法がうまく発動できない。
黒い悪意で、全身を包まれそうになった時、顔を覆っていた手が、一瞬はがれた。
必死に、俺の方へ手を伸ばす、レーアが見える。
「レーア逃げろ!」
「アロ。嫌だー、いかないで、マグナス離して!離して!」
そこで俺は、完全に暗闇に飲まれた。
自分の中が、空っぽになり、何も感じない…………。
しばらくすると、誰かの声が、ジージーと鳴る音の隙間に、とぎれとぎれに、聞こえる。
「アロ…………。アロ、死な…………ないで、私を…………一人にしな…………いで」
眠いんだ…………少し、眠らせてくれ。
眠りたい俺を、誰かが暖かな手で、何度も叩く。
「アロ、アロ 息をして!アロ」
何かが、ちぎれて、はがされるたび、暖かな魔力が流れ込んでくる。
アロ…………俺を、アロと呼ぶのは…………。
嫌だ!絶対にアロは渡さない!
アロ。眼を覚まして!
…………ああ。私はアロが好きなんだ。
失いたくない。
離れたくない。
魔力と共に、レーアの気持ちも、俺に流れ込む。
レーア!
「アロ。わたしアロが大好き!一緒に帰ろう!」
レーアの叫ぶような告白と、アンクレットの石が。はじける音で、俺に感情が流れ込む。
どんどん流れ込む、レーアの魔力と、気持ちを、自分に混ぜる。混ぜる。混ぜる。
レーア、一緒に帰ろう。もう二度と離さない。
誰かに譲ろうなんて思わない。
強くレーアを抱きしめると、真っ白な光に、二人とも包まれて、闇は浄化された。
俺と、レーアは、透明になった、水の中。
レーアを抱えて、水面を目指す。
「「がは」」
水面に出ると、みんなの歓喜の声が上がる。
その後、俺達は、無事に、ティチューバを、封印することが出来た。
レーア。もう逃してやれない…………。
✿ ✿ ✿
城に戻ると俺は、国王陛下と王妃様に、レーアとの婚姻を申し込む。
陛下はもともと、レーアを、他国に嫁がせる気はなく、公爵を継ぐと決めた俺が、レーアの伴侶となる事を、黙認してくれていた。
王家からの条件は、婚姻は、レーアが18歳になってから、婚約は、公爵の許可があれば、直ぐにでもしてよいと了承を得る。
俺は、国王陛下からの書状を持ち、久しぶりに父上を訪ねる。
「この馬鹿者が!公爵を継ぎたいと言ってから、一度も仕事を学ぶこと無く、どれほど家を空けている!
家を継ぐと言う事は、この公爵家に係わる、門下の貴族、使用人とその家族、多くの人生を、預かることになる、生半可な気持ちで、なりたいと願い、慣れるものでは無い」
「父上について、仕事に邁進します。そのためにも、ルシア王女殿下との、婚約をお認め下さい、国王陛下からの書状です」
書状を、一読した父上は、にやりと笑う。
「殿下からの気持は、受け取った」
「アロイス、私からの条件だ。リファン公爵家の仕事を、すべてこなすことが出来れば、ルシア様との婚約を認めよう。しかし、ルシア様が18歳になるまでに、仕事をすべて、覚えられなければ、この話は無しだ」
「リファン公爵家のために、尽力します。せめて婚約だけでも、お認め下さい」
「いいや、許さん。今まで私は、お前に寛容すぎた。このことは譲らないぞ」
何度も説得したが、父上は態度を、変えなかった。
「まあまあ。せっかく私に、可愛い娘ができると思ってきたのに…………。アロイス、あの顔をしているときの旦那様は、絶対に譲らないわよ、ここで粘るより、一日も早く、公爵家の仕事を、覚えた方が早いわ。私の優秀な息子なら、簡単でしょ」
「母上…………。」
「わかりました、よろしくお願いします」
「あーそれと、ルシア様には、ちゃんと仕事が、できる様になってから、プロポーズしろ!今のお前は、彼女を養う職がない」
「…………。」
「ルシアちゃんを、お茶に誘いたいの~。ちゃんと紹介してね~」
俺は何も言わずに、父の執務室を後にした。
ぜったに、半年で仕事をマスターして見せる。いや3ヵ月だ。
アロは、何も言えないまま、レーアを学院に繰り出さなければならなくなり、必死で頑張ります。
(@_@)
この後学院編を始めます。
投稿は不定期になりますが、完結させますので、よろしくお願いします。




