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冥婚から始まる皇妃戦略 - 棺桶で叩き起こされた最強の妻  作者: 白狼九音
第一卷 冥婚から始まる鎮魂歌
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20/28

番外 雲霓劇場——赤

私が裏壁から第一公主府に飛び込んだ時には、もうすっかり暗くなっていた。

仕方ない。表門は遠すぎるし、迂迴するのが面倒だったんだ。

着地の瞬間、習慣で周囲を見渡す、誰もいない。

よし。それから自分のこの赤い服を見下ろして、王二狗のあの言葉を思い出し、口元がひきつった。

「郡主様の服、赤すぎますって」

ちっ。一言悪態をついた。

十七年生きてきて、初めて赤い服が問題だよ。

渡り廊下を抜ける時、わざと足音を殺した。

人を驚かせるのが怖いからじゃない、私の歩き方は、元々音がしない。

頭の中でまだ考え事をしていたからだ。

天極閣。

あの鳴り矢。あの黒い影。あの一矢。

あの時、私は十分に素早く対応した。

石が奴の手首を直撃した。でも追わなかった。

追えなかったんじゃない。

そこに留まらなければならなかったからだ。

もし二番目の奴が彼女を害そうとしたらどうする?

だから私はただ、あの黒い影が營壁の向こうに消えるのを見つめ、それからずっとしゃがんだまま、ずっと見つめ、ずっと守り続けた。

あの女が大勢に囲まれて營門を送り出されるまで、あの周虎という男が自ら彼女の馬の手綱を取るまで、あの馬が官道の彼方に消えるまで、

それから私はようやく立ち去った。


道中ずっと考えていた。なぜ天極閣はあの女に手を出そうとしたのか?

あの女が彼らの邪魔になることなんてあるのか?

三兄がいなくなった以上、あの女はただの後家だ。何ができるっていうんだ?

まさか……

まさか彼らは何かを知っている?恐れている?


私は玉嬛姉さんの寢殿の扉を押し開けた。


嬛姉さんは椅子にだらりと橫たわり、本を読んでいた。

物音がしても、目蓋すら上げない。

「帰った?」

「うん」

「怪我は?」

「ない」

「人を殺した?」

「してない……って、違う、嬛姉さんなんで私が外出してたって知ってるんだ?」

嬛姉さんはページをめくり、淡々とした口調で。

「あなたが今朝出かける時、私の瓦を三枚踏み割ったわよ。今月のあなたの俸祿から差し引くから」

「それは事故だって!」

「先月も壁を越える時に、二枚踏み割ったわよね。あの時も事故だって言ってたわよ。請求しなかったけど」

「嬛姉さん……」

「先々月は、四枚」

「まさか數えてるの!?」

「數えてはいないけど、覚えてるわ」姉さんはようやく目蓋を上げて、私を見た。

腹が立って、私は彼女の向かいに座り、菓子を一つ食べてから、

彼女の茶碗を奪い取って一気に飲み干した。

姉さんは空になった茶碗を見て、何も言わなかった。

私は茶碗をテーブルに叩きつけた。

「今日すごいものを見たんだ」

「へえ」

「そんな冷たい!?何を見たか聞かないの?」

「あなたが言いたくなったら言うでしょ」

天敵だ。こいつはいつもこうやって私の短気な性格を抑えつける。

深く息を吸い込んで、今日あったことを最初から最後まで話した。

彼女が府門を出るところから。


彼女が營門を出た時、私はもう後ろにいた。

いや、正確に言うと、私は最初からずっと後ろにいた。

夜が明ける前に家を出たんだ。大叔母が「あなたの兄嫁が一人で軍營に行くって、もし何かあったらどうするの」って言うから、口では「私の知ったことか」って言いながら、體は素直に馬に飛び乘ってた。

ところが途中で、急に姿を現すのが嫌になった。

ただ見てみたかったんだ、このかよわそうな女が、

一人で軍營に乗り込むって大それたことを、彼女は私が守るって分かってるはずなのに、

なぜ私に內緒で行くんだ!

一人で?彼女に何ができる?

それから私は彼女について行った。

彼女が道を塞ぐのを見た。「わらわは第三皇子妃だ」と言うのを見た。淑妃の連中が固まるのを見た。

彼女が上著を引き剝ぐのを見た、

あの血痕を見た時、私自身が固まってしまった。

後で気づいたんだ、あれは彼女が自分の舌を噛んで塗った血だって。

あの時は本物だと。

「この女……自分にここまで厳しいのか?」人垣の後ろにしゃがみ込み、小さな聲で呟いた。

それから私は見続けた。彼女が軍營に入るのを。

私は壁を越えて入った。

姉さんの言う通り、私は壁を越えるのに慣れてる。

誰にも気づかれない隅っこを見つけて、二秒もかからなかった。

それから私は物見櫓の後ろに隠れた。

彼女が三萬人の前に立つのを見た。彼女の背中を見た。あの兵士たちの目つきを見た。

彼女はまったく怯まなかったんだ。

それから彼女は手紙を燃やし始めた。

一通一通、手紙を燃やしながら、あの兵士たちの名前を叫んでいた。

火の光が彼女の顏を照らしていた。何の表情もなかった。

でも私が物見櫓の上にうつ伏せになりながら、急に気づいた。あれは何の表情もないんじゃない。

彼女はすべての表情を押し殺しているんだ。

それからあの若い兵士が立ち上がった。

「殿下は私のこと覚えてるんですか?」

その時、私はすでに槍の柄を握っていた。

誰かがもし手を出そうものなら、飛び出して、一突きで殺してやるつもりだった。

でも私はできなかった。

彼女が本当にやってのけたから。

彼女があの言葉を言った時、私は屋根の上ではっきりと聞いていた。

「殿下は覚えている。彼はあなたたち一人ひとりに手紙を書いた。

彼は私に伝えさせた、私が彼の代わりに來たんだって」

その時、屋根の上にうつ伏せになったまま、涙がこぼれ落ちるのに気づいた。

「ちっ。この女……やるな」と小さく罵った。


それから三萬人が一斉に彼女にひざまずいた。

「王妃のために命を捧げ!」

その聲は私の耳がキンキンするほど響いた。

私はあの女の背中を見ていた。三萬人の前に立ち、

風が彼女の衣の裾をなびかせている。

急に思った。彼女もそんなに冷たい人間じゃないのかも。


「それから?」と嬛姉さんが尋ねた。

「それから?それからあの王二狗を見たんだ」

「一通目の手紙の?」

「そう。そいつは地面にひざまずいて、犬みたいに泣いてたんだけど、突然、顔を上げて、私が隠れてる方を見たんだ」

「それがどうした?」

「でもそいつは何も言わずに、また下を向いて泣き出した。

私はほっとした。ところが、突然立ち上がって、

私の隠れてる場所に向かって突っ込んできたんだ!」

私は手振りをつけて説明した。「十歩!五歩!三歩!私はやつを気絶させようと準備した、そしたら突然、私の前に立ち止まって、顔を上げて、櫓の上の私を見て、小さな聲で言ったんだ。『郡主様、私あなたをご存じですよ。隠れないでください。見えてますから』って」

姉さんの口元がひくついた。

「私がどうやって見えたのか聞いたら、そいつは言ったんだ、」

自分の服を見下ろして、歯を食いしばった。

「『郡主様の服、赤すぎますって。櫓の上は灰色の壁で、あなただけちょっとした赤一點なんです。盲目でもなければ見えますよ』って」

嬛姉さんがついに笑った。本当の笑顏だった。

「あなたは見つかったのね?」

「見つかったんだよ!でも飛び降りた後で、あの野郎が私に聞いたんだ、殿下は本当に自分の母親の腳が悪いって知ってたのか?って」

一瞬間を置いた。

「嬛姉さん、三兄は本当に知ってたの?」

彼女はほとんどためらわない。

「知ってたわ」

「どうして分かるんだ?」

「あの手紙は、彼が下書きを書いていたからよ。私、見たもの」

うん……王二狗のあの顔が頭の中でぐるぐる回る、彼があの質問をした時、目の奥にあったもの。私は忘れられない。

「私は教えてやったんだ。三兄は知ってるって。三兄は何でも知ってるって。それで彼は泣いたんだ。また私が彼を叱ってやった。泣くなって」

嬛姉さんは頷いた。何も言わない。

「それから、一人の男を見たんだ」

「へえ」

「一人の兵士が、人垣の端っこで、こっそりと後ろに下がっていった」

私はまた菓子を一つ食べ、體を起こして座り直した。

「そ奴の動きが変だったんだ。用を足しに行くのでもないし、交代で出て行くのでもない。後ろに下がりながら、何度も振り返って、目がきょろきょろしてた」


姉さんの目つきが変わった。

「私は後をつけた」

「奴は營舎の後ろまで下がると、急に足を速めて、營地の北側に走った。

私は後ろについて、音も立てずに」

「彼は營地の端まで走って、止まり、あちこちを見回した。それから懐から一つの物を取り出した、」

私は一瞬間を置いた。

「鳴り矢だ。知らせを送るやつ」

嬛姉さんの眉がぴくりと動いた。

「彼は鳴り矢を空に向け、今まさに引き絞ろうとした。

私は片手で彼の肩を押さえた。彼が振り返り、私の顔を見た。にっこりと笑ってやった」

「『知らせを送りたいのか?』と私は尋ねた、奴は幽霊にでも會ったみたいな顔で、もがこうとした。私、雲霓様に敵おうなんて、十年早いんだよ」

彼の表情を真似てみせ。

「『誰の者だ?』」

「彼は歯を食いしばって、何も言わない」

私はため息をついた。

「こういう口の硬い奴が一番嫌いなんだ。それから一拳、腹に叩き込んでやった」

手振りをつけて、一拳、奴はエビみたいに曲がった。

「もう一度聞くぞ、誰の者だ?」

「て、天……天極閣……」

嬛姉さんのまぶたが、ついに動いた。

「天極閣?」と私は尋ねた。

「そ、そうだ……彼らが私に、見張って、狀況があったら知らせろと……」

それから「よし。じゃあ、お前はもう知らせられないな」

奴が反応する前に、私は彼を気絶させた。

それから縄でぐるぐる巻きにして、口を塞いだ。

それから彼の懐からあの鳴り矢を取り出して、見てみた。

私は懐からその鳴り矢を取り出し、テーブルの上に置いた。

嬛姉さんは一目見ただけで、觸れなかった。


「練兵場に戻ると、あの女はまだあの兵士たちと話していた」

私の聲は急に低くなった。

「今回は、もっと隱れた場所を見つけて、引き続き見張ることにした」

「それから遠くに、營壁の上に小さな黒い影があるのに気づいた」

一瞬間を置いた。姉さんが私を見ている。

「その黒い影は弓を持っていた。弦は既に引き絞られ、矢じりは向けられていた、」

「彼女に向かって」

私の口調が速くなった。

「そう!考えるより先に、地面の石を掴んで奴めがけて投げつけた!」

投げる仕草をしてみせた。

「石が奴の手首に当たったんだ!矢は彼女の耳元をかすめて飛んでいき、地面に突き刺さった」

嬛姉さんの指が椅子の上で軽く二度叩かれた。

「彼女は見たのか?」

「うん、一瞬間を置いて、それから私に気づいた」

「その後は?」

「その後?てっきり彼女がこっちに來て何があったのか聞くと思ったんだ。ところが彼女はそうしなかった。ただ一目私を見て、それからまたあの兵士たちと話し続けた」

「へえ、その目つきに何か違いはあったか?」

「うぅぅぅ——驚きがあった、感謝があった、それから一種の、」

うまく言えなかった。

「一種の……安心した感じ?」

「安心……ね」

「私はしばらく呆けて、それから我に返って、あの刺客を見に行った」

「逃げてた」

「追いかけたけど、追いつけなかった」

「それで帰ってきたのか?」

「そうだよ。あの刺客は逃げた。追いかけてみたけど追いつけなくて、あの女を守る方が大事だと思ったんだ」

「逃げたなら逃げたでいいわ。誰の者かさえ分かれば」

「嬛姉さんは分かるのか?」

「天極閣の者がそこに現れたのよ、誰の者だっていうの?」姉さんは笑った。「あの七人のバカ息子たち、暇を持て余しすぎなのよ」

「嬛姉さん、なぜ奴らは彼女を殺そうとするんだ?」

「彼女が一言言ったからよ」

「何て?」

「『殿下の代わりに來たの』」

「それだけ?」

「それだけよ」と姉さんは言った。「その一言の意味が分かる?」

「いえ。」

「彼女は、この三萬の精鋭を、自分の手に握ろうとしているということよ。三萬の精鋭に加えて、彼女の父は宰相という勢力、さらに三弟の背後にいる者たち

——ふん!眠れない奴もいるだろう」

なるほど、そんなこと考えたこともなかった。

ただ思っていたのは、この女はすごいな、一人で三萬人をまとめたんだなって。

三萬人をまとめた後にどんなことが起きるかなんて、考えたこともなかった。

「あの人たちは彼女を殺そうとするのか?」

「させないわよ、私がいるもの」と嬛姉さんが言った。

嬛姉さんは茶碗を手に取ったが、空っぽなのに気づいてまた置いた。ぼんやりするのは珍しい。

「それで、姉さんは何が言いたいんだ?」

「參った!この女が私の義姉になるのは、認めてあげる!」

「それからは?」

「うん……これから彼女のことは、私のこと」

姉さんが笑った。今日初めて彼女が笑うのを見た。

「さっきあなたが石を投げたことも、すごいと思ったわ」と姉さんは言った。

「な、なんで知ってるんだ?」

「あの刺客よ」と姉さんは言った。「彼が逃げる時に、一つの物を落としたの」

「何を?」

「あなたが使ったあの石。あなたの指紋がついてたわ」

「嬛姉さん、情報網、ちょっと出來すぎなんじゃない?」

「仕方ないでしょ」

腹が立って白目をむいた。でも心の中では、あの女に対する感心が、また一つ増えた。

姉さんみたいな人間は、めったに人を褒めたりしないからだ。さっき「すごい」と言った時、その口調は本物だった。姉さんに「すごい」と言わせる人間は、この世に五人といない。

あの女は、六人目だ。



空はもう暗くなっていた。

第一公主府の灯りが點り始め、一筋一筋が、星が庭に降り注いだようだ。

「嬛姉さん」

「うん?」

「あの女は、いったいどんな人間なんだろう」

姉さんは何も言わなかった。

「理解できない。彼女は泣けるのに、泣かない。彼女は逃げられるのに、逃げない。彼女は人に任せられるのに、自分でやる」

「うん」

「自分の舌を噛んだ時、痛くなかったのか?」

「痛かったでしょうね」

「それならなぜ泣かないんだ?」

嬛姉さんは立ち上がり、私のそばに來た。

「泣いても無駄だからよ。この世の中、泣いて解決することなんて何もない。彼女が今日まで來られたのは、涙のおかげじゃない。一昨日、ある女官が命を受けて彼女を湖に突き落として溺死させようとした。彼女はその自分を害そうとした女官を一緒に湖に引きずり込むことさえできた。あの女官は私が護送して帰る途中で誰かに口封じされた。それに彼女に寶物を盜ませようとした楊主管とあの宦官も口封じされた。三人とも毒殺、手口は巧妙で、私も見抜けなかった」

「嬛姉さん、私、これから泣かない」

「あなたは元々泣かないじゃない」

「そうだ。でもこれからはもっと泣かない」

顔を窓の外の闇に向けた。

「嬛姉さん、私は彼女のところに行きたい」

「とっくに彼女のところにいたでしょ?」

「正式に行って、彼女を守りたいんだ」

「決めたの?」

「決めた」

「なぜ?」

「うん……彼女には価値があるから」

「へえ」

「今日、見たんだ。彼女が一人で三萬人の前に立っているのを見た。あの手紙を燃やすのを、あの言葉を言うのを、あの人たちが彼女の前にひざまずくのを見た。私もあんな人間になりたい」


嬛姉さんは私を見て、その目に一筋の優しさが宿った。

「なら、行きなさい」

「止めないの?」

「なぜ止める?必要があるの?」

「だって……だって彼女は兄嫁だから?彼女は何かあるかもしれないから?だって……」

「彼女はあなたが自分で守りたいと思った人、それだけで十分よ。太后のそばには私から護衛を増やすように言っておくわ」

「嬛姉さん……!」

私は思わず彼女の袖を引っ張っていた。子供みたいに。

「嬛姉さん、あなたって最高!」

「やめてよ、明日は早く起きなさいよ。三皇子府は今や皇宮中で一番危険な場所なんだから。彼女のところに行く前に、その赤い服、替えた方がいいわよ」

「なぜ?」

「目立ちすぎるわ。今日あなたが見つかったのも、そのせいよ」

自分の服を見下ろした。

赤い服、確かに……かなり目立つ。

「替えない!」

嬛姉さんは足を止めて、振り返って私を見た。

「なぜ?」

「だって、彼女は私が後ろにいるって分かってるからこそ、安心するんだ」

「ふん、好きにしなさい。どうせ三弟以外の言うことは誰も聞かないんだから」


窓の外の闇を見ながら、今日の午後の出來事を思い出していた。

あの三萬人の前に立っていた女のことを、耳元をかすめていった矢のことを、私に向けられた視線のことを。

「三兄、お前はいい女を娶ったな」

あの私が気絶させて縛った天極閣のスパイのことを、後で一度見に行ったんだ。

彼は目を覚ましていて、もがいていた。

彼の前にしゃがみ込んで、尋ねた。「生きたいか?」

彼は必死に頷い。

「よし。それならお前、傳言しろ——」

彼に顔を近づけ、一語一語、はっきりと言ってやった。

「あの七人のオカマ野郎に伝えろ、次にうちの義姉に手を出したら、郡主の私が天極閣をぶっ壊してやるってな!」

彼は怖くて顏が真っ青になった。

彼の顏を軽く叩き、もう一度気絶させてから立ち去った。

二、三歩出てから、また一つ付け加えた。早く言えばよかったのに。

「私が言ったって言うなよ。ただ、赤い服を着た奴が言ってたって伝えろ」

ふと、王二狗の言葉が甦る。自分の服を見下ろした。


赤い服、

確かにかなり目立つ。

でも替えるもんか。

大丈夫。

郡主の私は少女だ!

少女が赤い服を着て何が悪い!?

あのオカマ野郎どもに思い知らせてやるんだ、

私の義姉に手を出すなら、まずは雲霓の銀槍が受け答えしろってな!


使用人を呼ぶのが面倒で、そのままテーブルクロスをめくって姉さんのテーブルの上の菓子を全部持ち帰り、今夜の夜食にすることにした。

菓子を背負ったまま入り口まで來て、急に立ち止まった。

「そうだ、嬛姉さん、」

奧の間から姉さんの聲が聞こえてきた。

「何?」

「あの王二狗のことなんだけど、調べてくれないか。彼の母親が本当に腳が悪いのかどうか」

「そんなこと調べてどうするの?」

「もし本当なら、彼を助けたいんだ」

奧の間でしばらく沈黙した。

「いいわ」

あの義姉、本当にやる。

今日から、彼女のことは、私のすることだ!


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