4話 勇者
今回のお話は長いです。そして主人公の能力が少しだけ見れます。ちなみに主人公の能力の完全な説明は次回になります。
あと、今回は召還魔法で召還される者にはは元ネタがあります。てか、そのまま流用ですが、性格などについては作者の想像なので、ご了承ください。
さて、唐突に始まるが俺は今、たぶん俺の人生の中で一番最悪なミスをしてしまったと思う。
なぜなら、俺の目の前には・・・・・俺と一緒に召還された連中とそのお供がいるからだ。
とりあえず、今の状況を簡単に説明すると、俺はゾーアに頼まれて、人間たちが住んでいる大陸(レスティア大陸)にいる魔族の撲滅を頼まれたからである。
あ、ちなみにここに住んでいる魔族はもともとは俺たちが暮らしている大陸(アーク大陸)に住んでいた魔族なのだが、穏健派だった今から3代前の魔王と対立し国から追放された魔族のため敵対関係にある。
そんな中、今回はその魔族の中でもかなりの権力を持つ魔物、将軍・・・・あれ、なんだっけ?。
ま、とりあえずそのが行動を起こす前に、息の根を止めることが今回の俺の仕事だった。
まあ、その将軍とやらは俺の足元にも及ばないくらいの雑魚で、とりあえずあっさりとそいつを始末して、とりあえず何か情報を所持してないか調べようとした矢先に、まさかその将軍を討伐しに来た勇者パーティと遭遇するとは思わなかったよ。
と、俺が思っていると俺に気づいた吉岡勇人が話しかけてきた。
「お前、黒木か・・・・。何でお前がここにいるんだ?」
「え~と・・・・」
俺がなんて答えようか迷っていると、俺と一緒に召還されたほかの三人も一斉に話し掛けてきた。
「黒木、アンタ今までどこに行っていたのよ、こっちは大変な間に合っていたのに」
「ちょっと、美香。落ち着きなよ。でも、黒木君が無事でよかったよ」
「本当にそうだな。とりあえず、黒木お前も俺たちと一緒に来い」
と、上から桃咲美香、宮野木葉、桜木優の順に言われ、なんて答えようか迷い始めたその時、後ろからさっきを感じた俺は反射的にその場所から跳んだ。
そして、その数秒後れでさっきまで俺が立っていた場所は爆発を起こした。
「間一髪だった」
俺はそう言いながら、俺を狙って攻撃してきた奴を一瞥した。
そこには、巨大な斧を担いだ巨人が立っていた。
「あいつは・・・・」
「将軍グローカー」
優たちは俺を攻撃してきた巨人の姿を確認すると同時、それぞれの武器を構えた。
俺はとりあえずもう一度跳躍し、巨人から距離を離した。
それと変わるように優たちのパーティが前に出て、巨人と対峙した。
「グローカー、なぜお前がここにいる」
優がそう言うと、グローカーと呼ばれた巨人がそれに答えた。
「簡単な話だ。あの方のご命令で貴様らをここで消す。」
グローカーはそう言うと同時に斧を振り上げ優に斬りかかってきた。
優は持っていた剣で攻撃を防ごうとしたが、力負けをしそのまま吹き飛ばされてしまった。
優の近くにいた、勇人は吹き飛ばされた優を追撃しようとするグローカーに向かい槍を突き出し、追撃を阻止した。
それと同時に、美香は炎の魔法で動きの止まったグローカーを攻撃し、木葉は光の魔法でダメージを負った、優を回復させた。
そして、その二人を守るように優たちパーティメンバーの騎士二人が盾を構えた。
俺はそれを後ろから傍観していた。
別に助ける理由は無いから、とりあえず武器は抜かず、自分を守るためにどの魔法を発動させようか考えていた。
すると、この場では一番簡単に殺せそうな俺に目掛けてグローカーは飛び掛ってきた。
俺は殺されたくは無いから、とりあえずこの前もゾンビに使った天属性の光線の魔法をグローカーに向けて放った。
グローカーはそれを体制を崩すがその攻撃をかわした。
「今の攻撃を避けるって・・・さっき潰したやつよりは強いのか」
俺はそう言うと同時に、今度は闇属性の上位属性の暗黒属性の魔力を集め始めた。
「闇属性の魔法・・・・いや、暗黒属性だと。なぜ貴様のようなただの人間に天と暗黒の両属性が使えるのだ」
グローカーは斧から衝撃波を俺に向かって放ってきた。
俺は魔法陣を作るのやめ、横にとび攻撃を回避した。
「チッ、完成すれば今ので終わったのに」
俺はそう言うと、跳躍し優たちの近くに移動した。
ダメージを回復した優は俺の隣立ち、剣を構えた。
「おい、桜木。大技を使うから1分間だけ時間を稼げ」
「分かった。美香、木葉、勇人俺と一緒にグローカーを集中して狙ってくれ。そしてシンクさんとガイさんは黒木を守ってください」
優がそう言うと、全員はうなずきそれぞれ行動を開始した。
それを確認した俺は天属性、暗黒属性、炎属性の上位属性の業火属性、水属性の上位属性の蒼海属性、雷属性の上位属性の雷鳴属性、土族生の上位属性の大地属性、風属性の上位属性の嵐属性、そして夢属性の上位属性の幻属性の8属性の魔力を集め、複合属性の魔法陣を作り始めた。
俺が魔法陣を作っている間、優たちはグローカーを相手にそれぞれの武器や魔法で息の合った連携攻撃でこちらから注意を逸らし、そして1分が経った。
「よし、これでできた。とりあえず、全員下がれ」
俺がそう言うと、グローカーに攻撃していた優たちは攻撃をやめ、後退した。
「よし、それじゃあ地獄を見せましょうか。我封印を解き、そなたが持ちし力を求める。我そなたが具現すべきことを望む。我が呼び声に答え姿を現せ、え~と誰にしようかな・・・・・とりあえずイザナミ」
白夜がそういうのと同時に、魔方陣から長い黒髪の女が姿を現した。
「何のようだい、白夜。私をこんなところに呼び出して」
「とりあえず、そこにいるゴツイ奴を消せ」
「まったく、人使いの荒い子だねぇ~」
イザナミはそう言うと、殺気を放った。
その殺気は白夜以外の全員の動きを止めてしまうほど強力なものだった。
「何だ。この殺気はか、体が動かん」
グローカーはイザナミから逃げようとするが体は動かないばかりか、イザナミが近づくのと比例するように体中が震え上がり、背中からは大量の汗が流れ、最終的には立っていることさえできなくなり、その場にひざを着いた。
「白夜、こいつの命は」
「もちろん、差し上げるよ。供物として貰っていってくれ」
白夜がそう言うと、イザナミはうれしそうに笑みを浮かべ、両手に禍々しい光を作り出した。
そして、その光はグローカーを包み込むと、グローカーの体ごと消滅した。
「はい、お終い」
「相変わらずだな。黄泉の国に送ったのか」
「そうよ」
「そうか・・・・。とりあえず、ご苦労様、もう帰っていいぞ」
「あら、まだ黄泉送りにできそうな子達がい・・・」
「言ったはずだ、帰れ」
「仕方が無いわね」
俺はイザナミだけに集中して殺気を放った。
それを感じたイザナミは、そのまま魔法陣の中に消えた。
そして、イザナミが完全に消えると同時に魔方陣は消滅した。
俺はとりあえず、放心状態になっている連中に声をかけることにした。
「おい、お前たち聞こえるか」
しかし、誰も反応が無いため溜息を吐いた。
「面倒だから帰るか。でも、手紙ぐらいは書いておいてやるか」
俺はそう言うと、紙とペンと取り出し、先ほどの出来事の説明と現在の俺の簡単な説明と魔族についてのことを書きその手紙を優の懐に入れ、俺はその場所を後にした。
次回は、日記での過去のお話です。てか、前書きに書いたとおり、白夜の能力についての内容になっています。