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車輪の軌跡 ―時速0キロからの挑戦―  作者: じょんどぅ


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### 第69話:実践への布石

### 第69話:実践への布石


基礎の徹底と車体の最適化を経た僕たちの練習は、いよいよ次の段階へと移ろうとしていた。

ただ決まった軌道に向かって球を打ち返すだけの反復練習から、実際の試合を想定した「実戦形式のラリー」への移行だ。


「基礎がどれだけ固まっても、実際の試合でその形を崩されたときに戻せなければ意味がない。今日からは、僕がランダムに配球する。それをすべて正しい体幹とフォームで処理しろ」


一ノ瀬コーチの合図とともに、最初のボールが放たれる。

予測不能なコースに弾むボールを追いかけ、瞬時に車輪を回転させ、適切な位置で車体をピタリと止める。そこから骨盤を立てて体幹の軸を作り、ラケットを鋭く振り抜く。


パァンッ!


体が覚えた動作が、無駄なくスムーズに連動していく。

最初の大会では、相手の速いテンポや深い配球に圧倒され、自分の形すら作れずに翻弄された。だが今の僕たちには、鍛え直したフィジカルと、野田さんに調整してもらった最高の相棒がいる。


「いいぞ、その調子だ。そのままラリーを続けろ!」


コーチのゲキが飛ぶ中、僕は隣のコートで懸命にボールを追う翔太へと視線を送った。

翔太もまた、苦しい体勢から見事に体幹を維持し、鋭いストロークを返している。二人の間に確かな手応えが共有されていくのが分かった。


あの日の挫折を塗り替えるための戦いは、もうすぐ目の前まで迫っている。

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