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車輪の軌跡 ―時速0キロからの挑戦―  作者: じょんどぅ


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### 第58話:連動の感触

### 第58話:連動の感触


コーチに言われた通り、骨盤を立てて体幹の軸を意識しながら、ゆっくりとラケットを引く。

これまでは腕の力だけで無理やりスイングしていたため、ボールを捉える瞬間にどうしても上半身がグラついていた。しかし、腹筋と背筋でしっかりと上半身を支え、車輪を漕ぐエネルギーをそのままスイングへと繋げる意識を持つと、体の使い方が根本から変わるのが分かった。


「そこだ、そのまま振り抜け!」


コーチの短い号令に合わせ、僕はラケットを鋭く振り抜いた。


パァンッ!


これまでとは明らかに違う、芯を食った重い打球音がコートに響く。

ボールは美しい放物線を描き、コーチが指定した相手コートの深い位置へと正確に突き刺さった。腕だけに頼っていないため、インパクトの瞬間に余計なブレがなく、打球の伸びがまったく違う。


「……ふっ、やっとまともな形になってきたな」


コーチがわずかに口角を上げ、満足げな視線を向ける。

胸の奥で、確かな手応えが熱く広がった。我流の癖を解体し、基礎のフォームを一から叩き込むことの本当の意味が、ようやく体感として理解できた気がした。


「もう一本いくぞ!」

「はいっ!」


新しく生まれ変わったコートの上で、僕の車体は軽やかに、そして力強く滑り出した。最初の大会での挫折を乗り越えるための基礎技術の習得は、確実に次のステップへと進み始めていた。

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