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車輪の軌跡 ―時速0キロからの挑戦―  作者: じょんどぅ


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### 第50話:新たなスタートライン(第1巻・完)

### 第50話:新たなスタートライン(第1巻・完)


静まり返ったコートに、風の音だけが吹き抜けていく。


「……お前の勝ちだ、瀬戸」


一ノ瀬はラケットを脇に抱え、大股でネット際へと歩み寄ってきた。その表情には、これ以上ないほどの清々しい笑みが浮かんでいる。

僕は震える腕でハンドルリムを握り、ゆっくりと一ノ瀬の方へと車体を向けた。


「ありがとうございました……!」


絞り出すような僕の声に、一ノ瀬は力強く頷いた。

「見事だったな。だが、勘違いするなよ。これはあくまでスタートラインだ。お前が手に入れたその相棒と共に、ここから本当の意味での戦いが始まるんだからな」


「はい!」


僕は心からの返事を返した。

事故直後の暗闇の中、二度と光なんて見えないと思っていたあの頃の自分に教えてやりたい。今の僕は、自分の意志で風を切り、未来へ向かって走り始めているのだと。


フェンスの外では、翔太が満面の笑みで大きく手を振っている。

マットブラックの車いすは、夕日を浴びて静かに、だが確かな光を放っていた。


すべての絶望を越えて、僕の物語はここから加速していく。



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