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車輪の軌跡 ―時速0キロからの挑戦―  作者: じょんどぅ


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### 第48話:最後の1球

### 第48話:最後の1球


すべての体力を使い果たし、呼吸をするのさえ胸が痛む。それでも、僕の視線は一ノ瀬の構えるラケット一点だけを捉えていた。


「いくぞ、瀬戸!」


一ノ瀬の腕が振り抜かれ、この日一番の重く鋭いサーブが放たれた。

バウンドしたボールが弾み、猛烈なスピードで僕の懐へと飛び込んでくる。もはや身体の痛みを感じる暇すらない。僕は新しいフレームの性能と、これまでのすべての記憶を信じ、最後の力を振り絞ってハンドリムを叩いた。


ガツンッ!


車体が激しく回転し、ボールの落下地点へと完璧に滑り込む。

無駄な迷いは一切ない。上半身の軸をブレさせず、ラケットのスイートスポットでボールを真っ向から捉えた。


カキィンッ!!!


澄んだ打球音がコートの空気を切り裂き、白い弾道が一直線に一ノ瀬のコートの隅へと突き進む。

それは、事故の絶望を乗り越えた僕が放つ、魂のウィニングショットだった。

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