101/105
### 第101話:破られた均衡
### 第101話:破られた均衡
「ゲーム、真壁・御堂ペア、3-2!」
王者の意地か、あるいは焦燥を断ち切ったのか。第5ゲーム、真壁・御堂ペアは初日で見せたあの完璧なコンビネーションを蘇らせ、一気にたたみかけてきた。
特に御堂の前衛でのポーチが鋭く、僕たちが狙ったコースを正確に塞いでくる。
「くっ……!」
翔太が放ったスマッシュの返球がわずかに甘くなり、それを真壁に強烈なバックハンドでサイドラインへと叩き込まれた。
スコアは再び突き放され、2-3。リードを許す形となったが、不思議と焦りはなかった。あいつらが本気を出してきたということは、それだけ僕たちの存在が脅威になっている何よりの証拠だ。
「おい、落ち込むなよ。ここからだろ」
翔太が汗をぬぐいながら、力強く声をかけてくる。
「ああ、当たり前だ」
僕はマットブラックの車いすのハンドリムを握り直し、深く息を吐いた。野田さんが調整してくれたフレームの剛性は依然として完璧で、僕の体幹の軸もしっかりと噛み合っている。
王者の牙城を崩すための次の布石は、もう見えている。




