ブラックホール
うちの洞隊は本当に仕事がなかった。
その原因はというと、それは地域の特性にあった。
俺が勤めていた地域はというと、本当に居住区という感じのところ。
そこに住む人々は近くの工業団地で働くことが多かった。
そして、俺の地元には有名な企業が複数あり、そういう企業は職場の中で直接予備軍を管理している。
俺の地元ではそういう工業団地で働く人が大半だった。
結果、俺たちが管理する人は1000を越えていなかった。
これは俺の地元では非常に珍しいことだった。
何せ俺の地元は人口が100万人を越えていたからである。
そして、他の洞隊ではそのせいで、仕事漬けにされているとのこと。
俺の同期の声楽家も着任して早々と仕事をさせられているとのことだった。
そんな中で俺はというと......
「これマジ?」
「いえ、だから、マジですって。」
「そんなわけねえだろう?」
「いやいや、マジですから。」
先任と馬鹿話をしていた。
ことの発端は先任が仕事パソコンでブラックホールに関するニュースをみたことだった。
「こういうものがあるとか、可笑しいだろう。」
「いえ、だから、ありますって。科学者がみんなそう言ってますよ?」
「じゃあ、これってなんだよ。言ってみろよ。」
「ブラックホールって宇宙にある天体で、重力が無限大なんです。これが凄くて一回でもその力に補足されると、光でも逃れるのは無理らしいですよ?」
俺は先任に簡単にブラックホールについて説明した。
しかし、先任は俺の言葉を全く信じられないようだった?
「はあ?そんなものがあれば、この地球はどうやって存在し続けられっるんだ?」
「とにかく遠くにいるらしいです。ブラックホールでも遠くまでは影響を与えられないようです。」
「お前さっき無限大といっただろう。無限ならここまでも届くだろうに。」
「いえ、無限というのは言葉の綾で、兎に角いるんですよ。」
俺はそれからも必死に先任を説得したものの、先任にブラックホールがあるということを認めさせることは出来なかった。
先任の論は意外と鋭いところがあったのである。
ブラックホールに関して聞き齧った知識しかなかった俺は先任を説き伏せることに失敗した。
それでも、俺は必死に先任を説得した。
それが俺たちの時間潰しだったのである。
そうやって、俺たちのバカ話は夕方の退勤時刻まで続いた。




