第40話 出張編2
そりゃ怒ってるのに決まってるよなぁ…
出張先で男と食事すると聞いて、嫉妬してしまい、雫に冷たい態度を取ってしまった。あの後、仕事があるのに、あんな曖昧な会話の終わり方なんてしたら、雫にも迷惑だって、冷静になって実感する。
『夜、電話しよ』と言われたが、あのメッセージのトーンと言い、きっと怒ってるんだろうな。
「とりあえず、夜ご飯食べよう」
そう思い、俺は仕事部屋を出て、キッチンへと向かう。
そこでふと気づく、
「あれ、食材なんかあったっけ?」
最後に買い出しに行ったのも結構前だった気がする。今からスーパーに行っても、もう全部売り切れるし、なんとか、冷蔵庫の中に入ってある物で何か作って食べよう。
ガチャ、
「うん?」
冷蔵庫を開けると、そこには4個のタッパーがあった。
気になって、一個手に取って見てみる。そこにはこんな手書きでメモが書いてあった。
『和樹くんへ
和樹くんがお姉さんがいなくってもお姉さんを感じられるようにお弁当を作りました!今日の昼と夜、それから明日の昼と夜の分あるので、温めて食べてね!
雫より』
「こ、こんなのいつの間に…?」
一緒に暮らしている以上、俺の見てない時に準備するは無理だ。なら、いつ?
そこで俺は思い出す。
朝、起きた時、雫はもう既に起きていたし、見るからに寝起きではなかった。その時は単に行く用意をしていたのだと思ったが、そういう事か…
俺が起きた時間は6時だった。ということは雫は一体どれが早く起きたんだ…
それに昼間のラインだって、
『いっぱい食べるんだよ??』
『え、もうご飯たべおわったの?』
あれは全部、そういう意味だったのか…なのに俺は気付きもせず、それどころか…
俺は静かに、雫が頑張って用意してくれた弁当を温めて、テーブルに座る。
とても綺麗な弁当だ。
さつまいもを使った炊き込みご飯、野菜、カボチャと肉炒め、卵焼き、それに俺の好きな唐揚げまである。
「いただきます」
まず口に運んだのは野菜。
口に入れた瞬間、レタスやニンジンのシャキシャキな感触がさらに食欲をそそる。味付けも雫がいつも作る野菜で少ししょっぱい。そのしょっぱさをさつまい入りのご飯がほんのり甘く、まろやかに消して、また新しい味が舌に残る。その交互の感覚がたまらなく何度だって口にしたくなる。
次にカボチャと肉炒め、これもうまい。肉は柔らかいもも肉を使い、それに引き換え、カボチャはしつこくならないようにわざと硬めに料理されている。甘辛なタレとカボチャは味が肉によく絡んであり、これもまたご飯が進む。
その他、唐揚げも、卵焼きも全て俺好みの味だ。俺の食べる順番も配慮されて、作ってあるかのようだ。それに加えて、ところどころ、ハート型のニンジンも見ゆけられる。
「いっぱい俺の事考えて、作ってくれたんだろうな」
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『はい、和樹くん、あ〜ん』『えぇーお姉さんにはあーん、ないの?』『和樹くん、美味しい?』『和樹くん、これ美味しいね!また一緒に作ろう!』
『和樹くん!』
『和樹くん』
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「雫に会いたい…」
気付けば、俺の頬には涙が溢れていた。
♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜
「え、電話?」
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*後書き*
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