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第27話 クリスマスイブの雫は甘えん坊

「ねぇ、和樹くん和樹くん」


夜ご飯を済ませて、ソファーで携帯をいじっているとキッチンの方から雫が俺に声をかけてくる。


「明日はクリスマスだけど、何かして欲しい事ある?」

「んー特には無いなぁ、会社もあるし」


今年のクリスマスイブもクリスマス当日も平日だ。


「むー。和樹くんは欲が少ないなぁ」

「逆に雫はしてほしい事はないのか?プレゼントとか?」

「そうだなぁ」


雫はスタスタとキッチンから俺の隣に座る。少し間を取って、


「お姉さんはーかずくんが欲しいいいいいいい」

「うわっ!」


飛びつくように俺に飛びついてくる。相変わらずの甘っぷりだ。


「かずくん!かずくん!スリスリ」


最近少しづつ気づいた事がある。雫はお姉さんモードの時は『和樹くん』と呼び、甘えん坊モードの時は『かずくん』と呼ぶらしい。とういう事は、今は甘えん坊モードらしい。


「俺が欲しいってもう持ってるじゃないか?」

「それってかずくんは私だけの物って事?」

「う、うん」

「あはは、照れちゃって可愛い♡」


雫の顔がいたずらっ子の顔に変わった。


「まったく、今は甘えん坊モードじゃなかったの?」

「どっちがいい?」

「別にどっちでもいいー」

「ダ〜メ」


すると、雫は俺に抱きついたまま耳元に囁きかけた。


「甘えん坊なお姉さんと甘やかすお姉さん、大塚和樹(おおづかかずく)くんはどっちいい?ふー」


いつも以上に甘い声で囁かれると俺の体はビクン、と震え上がる。


「も、もう、ここ最近いつも耳を攻撃して、、」


そうだ、ここ最近の雫は隙あらば俺の耳元にささやきかけたり息を吹きかけたりする。別に嫌ってわけじゃないけれども俺は耳が弱いため毎回毎回反応してしまう。


「だって和樹くんの反応がすっごく可愛いんだもん」

「まったく…」

「で?答えは?和樹くんのお願いならお姉さん、なんでも聞いちゃうよ♡」


俺の顔をしっかり見て、ニッコリと笑う雫。そんな彼女に俺は正直に自分の思うように言った。


「あ、明日は甘やかして欲しいから、今日は甘えん坊な雫でいて欲しい…」


こんな事頼んだの何気に初めてな気がして恥ずかしい…


「ふふ、さすがかずくん。私も今日はかずくんに甘えたい気分だったの」

「ほ、本当に?」

「うん、だからイブは私が甘えて、クリスマス当日は私が和樹くんを甘やかすね?」

「お、お願いします」


よく見ると雫の顔は赤くなっていた。多分、俺もそうだろう。


「じゃ、かずくん。キスして…」

「いいよ」


雫は俺の首の後ろに手を回して、顔近づける。そして、


ちゅっ、



「むー嫌だ、もっとして」

「しょうがないな」

「かずくんだってしたいくせに」

「バレた?」


ちゅっ、ちゅ



「えへへ、やっぱりかずくんとのキス、大好き」


とても満足気な顔している雫。頬はさっきよりも赤く、目も少し細くなっている。


「顔、赤いぞ?」

「誰のせいよ。かずくんだって赤いよ」

「それこそ誰のせいだよ」

「ふふ、お互い様だね」


これ以上の甘い会話がこの世にあるのか、ってくらい俺たちの会話は甘く、お互いの愛を感じられる。


「ねぇ、かずくん」

「どうした?」

「ちょっとソファーに横になって。私、かずくんの上で寝たいの。ダメかな?」


そんな子犬みたいな顔で上目遣いで頼まれて、ダメって言われるか。


「もちろん、いいよ」


俺は言われた通り、ソファーに横になった。


「それじゃあお邪魔します〜」


すると、雫は俺の上に寝転がった。横向きになり、顔は胸のところに、足はくの字にして、雫は落ち着いている。全くもって重くはないし、むしろこっちが落ち着く。ベットの方が多分もっと楽なんだろうけど、この狭いソファーだからこそ二人でくっついてるのが良いのだ。


「かずくん、私をぎゅーってして」

「はいはい」


ぎゅー


「うんぅぅ、それで頭もよしよしってして」

「いいよ、よしよし、よしよし」

「や、やばい、ちょっと眠い…」

「寝て良いよ?いつもは俺が寝かしつけれてるし」

「う、うん…でも…あし…たは、私が…かずくんを…」


「すぅ…」



二人での初めてのクリスマスイブはこうして終わった。明日が楽しみだ。

明日はクリスマス当日!皆さん、コロナウイルスには気をつけてくださいね!

次回は甘やかすお姉さん!!お楽しみに!!

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