第89話:啜って――紅姫
(学園が……ハートマーク?)
顔を上げる。
「うぉ~~、ホノジなんだそれ!? あ、俺っちの机の中にもある!」
隣の橙馬が、自分の机の中のチョコとカードを取り出した。
橙馬の声が響いたせいか、教室のあちこちで、僕と同じように机の中へ手を入れる生徒が現れた。引っ張り出された白い包みが、次々と机の上へ並べられていく。
どうやら、このチョコレートが入っていたのは、僕の机だけではないらしい。
――いや、それよりも。
空気の変わり方が、あまりにも早かった。
「え……これ、チョコじゃね?」
誰かが呟いた瞬間、教室のざわめきが一段濃くなる。
椅子が鳴る。薄紙が擦れる。手にした包みを周囲へ見せ、互いの机にも同じものが入っていたのか確かめる声が連鎖していく。
それも仕方のないことかもしれない。
なにせチョコレートは、この国では決して安い菓子じゃないからだ。
小さな一粒でも、三十銅貨(30ソル)はくだらない。甘い菓子というだけではなく、遠い土地から運ばれた材料と、複雑な加工にかかる金と労力の塊だ。
食べたことがない生徒がいても、不思議ではない。
「……本物? これ、食べていいの……?」
前のほうの席で、一人の生徒が包みを持ち上げたまま固まっている。
その手つきは、お菓子を持っているというより、少しの衝撃で壊れてしまう高価な魔導具を扱っているみたいだった。
「うち、これ……誕生日くらいにしか食べられない……」
小さな声が、乾いた空気へ溶けていく。
その一方で――。
「え、学園から? 太っ腹すぎるだろ」
制服を着慣れているというより、着崩すことに慣れている生徒たちは軽い。
ためらいなく薄紙を破り、銀紙に包まれた丸い粒を取り出している。
指先で転がるほど小さい。
それなのに、銀紙が剥がされた途端、甘く濃厚な香りが教室の中へふわりと広がった。
――ぱき。
薄い殻を噛み割る音。
――もぐ。
咀嚼する音。
「……うま」
その一言が、別の席にあった迷いを崩した。
一人が食べれば、また一人が包みを開ける。
食べるか。
食べないか。
喜んで受け取るか。
何かを疑うか。
たった一粒のチョコレートを前にした態度だけで、教室の中にいる人間の育ちや性格が、薄く浮かび上がっていくようだった。
少し離れた席では、ヴィオレッタさんがメッセージカードを一度だけ眺め、そのまま包みと一緒に机の上へ置いた。
アメリアさんは今すぐにでも食べたそうにしているけれど、主人が手をつけていないからか、膝の上で両手を握りしめて耐えている。
冷夏さんも、開けていない。
白い包みを一度だけ確認すると、興味を失ったように机の端へ寄せていた。
よだれが垂れていた気がするけど、気のせいかもしれない。
椿くんは、包みを朝日に透かしながら、愉快そうに目を細めている。
「学園から、ねぇ……。学園いうても、いったい誰のことなんやろな」
誰に聞かせるでもなく、そう呟いた。
教室の奥では、黒髪の男子生徒が、チョコレートへ一度も手を伸ばすことなく、周囲の様子だけを静かに観察している。
さらに窓際の端では、気だるそうな少女が頬杖をつき、包みに見向きもせず、チョコを食べる生徒たちを退屈そうに眺めていた。
「おっしゃあああっ!! 食べてって書いてある! つまりこれは食べ物だ~~っ! もちろん食べりゅ~~っ!!」
対して、隣の橙馬には、欠片ほどの迷いもなかった。
薄紙を豪快に破り、銀紙を剥がすと、そのまま一粒を口の中へ放り込む。
「ん~~っ!?」
橙馬の目が、一瞬で見開かれた。
「んっま!! しかも、あっま!! ホノジ! これ、世界が優しくなるやつだぞ!」
「……橙馬のアホ」
「いや~ん、ホノジ~~。もっと罵って~~」
(うん。確かに橙馬は、いつもより優しくなってるな……相変わらずのバカっぷりではあるけど)
でも――。
「世界が優しくなるかどうかは、また別の問題でしょ……」
僕も包みを開けようとして、指を止めた。
この匂いを、知っている。
検査の連続にうんざりして、頭も身体も疲れ切っていたとき。
静かな医務室で、あの人がくれたチョコレートと同じ香りだ。
『ひょ~~っ! ホノちゃん、食べよ! チョコはミルクの最高の相棒だよっ!』
(うん。ジュリア、僕もそう思うけど……)
食べたい。
あのとき味わった、舌の上でゆっくりと溶けていく甘さを思い出す。
それなのに、なぜだろう。
包み紙へかけた指を、まだ動かす気にはなれなかった。
「ハッ。くだらねえ」
教室の一番後ろ。廊下側の席から、鼻で笑う声が聞こえた。
金色の髪を乱雑に伸ばした男子生徒が、机へ足を投げ出したまま、メッセージカードを指先でつまみ上げている。
「『プレゼントです』だぁ? どうせ金持ちの道楽だろ」
「ガルダ、そう言いながら食うんじゃねえか」
「そりゃそうだろ。タダなら食うだろ、普通よ」
近くの生徒が小さく笑った。
ガルダと呼ばれた金髪の生徒は、そちらを睨みつけて黙らせると、薄紙を乱暴に引き裂いた。
銀紙を剥がし、チョコレートを口へ放り込む。
噛み砕く音が、やけに大きく響いた。
甘い香りが濃くなる。
なのに、僕の胸の奥には、少しざらついたものが残った。
(……嫌な食べ方をするな)
食べ物をありがたがれ、なんて押しつけるつもりはない。
でも、作った人も、そこに込められた手間も、何もかもを見下しながら口へ入れる食べ方は、僕にはどうしても好きになれなかった。
そのざらつきが消えないまま――。
――ガラッ。
教室の扉が開いた。
それほど大きな音ではなかったはずなのに、なぜか、やけに耳へ残った。
廊下から細い冷気が流れ込み、教室に満ちていた甘い香りを、わずかに揺らす。
「やっほ。来ちゃった……って感じです」
入口に立っていたのは、見覚えのある女性だった。
白衣の下に、淡い薄紫色のカーディガン。
ゆるく波打つ髪。
そして耳元では、白いハート型のピアスが静かに揺れている。
ハートの中心へ埋め込まれた乳白色の魔煌玉が、朝の光を受けて淡く艶めいた。
その瞬間。
メッセージカードに書かれていた最後の「♡」と、耳元の白いハートが、僕の中でぴたりと重なった。
「お姉さんっ……なんでここにいるの!?」
「えへ。焔乃士くんに会いたくて」
その一言で、教室全体が変な雰囲気になった。
「えっ、ホノジ~~っ!? お前、あんな美人なお姉さんがいたのかっ!? けしからん! 今すぐ紹介してくれっ!」
隣の橙馬が、椅子を鳴らして勢いよく身を乗り出した。
教室のあちこちから、ぱらぱらと笑い声が起こる。
「……違うよ? 血が繋がったお姉さんってわけじゃないんだ」
「血の繋がってない美人なお姉さん!? なのに『お姉さん』って呼んでるのか!? なおさら、けしからんじゃないかっ! 紹介してくれ!!」
「それも違うよ。ややこしくなるから、橙馬は今すぐ黙ってくれる?」
「くぅ~~っ! 返しが相変わらず、清々しいくらい辛辣だぜっ!」
橙馬を適当にあしらっていると、教室中から集まる視線が、急に別の意味を帯びた。
困惑。
嫉妬。
そして、どこか軽蔑するような目。
その全部が、皮膚の上を細い針でなぞるように刺さってくる。
(ん? ちょっと待って。なんでみんな、僕をそんな目で見るの?)
『アハハ! ホノちゃん、あんな言い方をしたら、勘違いしないほうが難しいでしょ!』
(いやいやいや! あれ以外に、どう説明すればよかったの!?)
『さすがは地元の女子たちを嫉妬地獄へ叩き落としてきたご主人様。お見事ですわ。けがらわしい』
(ミネルヴァっ!? 変な言い方しないでよ! 事実無根だよ!)
『ホノちゃんっ! フォローしてあげたいけど、「事実無根」はさすがに無理があるよ!』
(まさかの裏切りっ!? 謀反にもほどがあるよ!)
脳内ですら、孤立無援だ。
助けを求めるように周囲を見回すと、斜め後ろの列にいる冷夏さんと目が合った。
冷夏さんは、琥珀色の瞳を細め、じっとりと湿度のある視線をこちらへ向けている。
(うわ~~っ! 冷夏さんまで、そんな目で見ないで! 違うんだって、これは……!)
僕の心の叫びなど届くはずもなく、冷夏さんは小さく鼻を鳴らして顔を逸らした。
椿くんは、面白いものを見つけたように笑っている。
ヴィオレッタさんは扇子で口元を隠しているけれど、その肩が小さく震えていた。笑っているのかもしれない。
「はいはい。皆さん、そこまでですよ」
お姉さん――いや、彼女は僕たちのやり取りを楽しそうに眺めたあと、教卓の前へ立った。
白いハートのピアスが、歩調に合わせて小さく揺れる。
「皆さん、おはようございます。あたしはセシリア・グロウ。一週間ほど代理の教官にお願いしていましたが、今日から正式に、このクラスを受け持つことになりました」
教室の空気が、また揺れた。
「セシル先生って愛称か――できれば、お姉さんって呼んでほしいな。……なんて」
ふわりと微笑む。
笑いと戸惑いが教室へ広がる中、白いハートの中心にある魔煌玉だけが、一瞬、妙に冷たい光を拾った。
「おい、お前。保健室にいるやつだよな?」
先ほどの金髪の男子――ガルダが、机へ足を投げ出したまま声を上げた。
椅子の脚で床を擦り、不愉快そうにセシル先生を睨んでいる。
「ちょっと、キミ」
セシル先生は笑顔のまま、ガルダへ人差し指を向けた。
「セシル先生か、お姉さんって呼んでください。そう言いましたよね……?」
「うるせえな。どうでもいいんだよそんなこと。なんでお前が、この教室にいるんだよ」
「二度目ですよ。言ったでしょう? 今日から、皆さんの担任になったんです」
「おいおい、冗談きっついって。魔法も使えないお前が、魔法学園で担任?」
ガルダの口元が、嘲るように歪んだ。
「笑えねえ冗談だろ。何を教えるんだよ。魔法も使えねえ雑魚の分際で」
確かに、魔法学園の教師が魔法を使えないというのは、異例なのだろう。
でも僕には、それがそこまで大切なことだとは思えなかった。
人には、それぞれの役割がある。
牛乳を搾るのが得意な人もいれば、牛の体調を見抜くのが得意な人もいる。柵を直すのが得意な人もいれば、帳簿をつけるのが得意な人もいる。
同じことができないからといって、その人の価値までなくなるわけじゃない。
何より僕は、セシリア・グロウという人の能力が低いとは、少しも思わなかった。そう、思えなかった。
「三度目ですよ、ガルダくん」
セシル先生は、笑顔を崩さない。
「呼び方には気をつけてください。ここが戦場だったなら――あたしは、キミの上官ですよ?」
「ハッ。メスの分際で、つまんねえ冗談を言うなよ」
「上官の言うことも聞けないなんて――死にたいのかな? ……なんて」
セシル先生の声が、ふっと低くなった。
教室全体の空気がピーンと張る。
背中の産毛が、わずかに逆立つ。
「ああっ!? お前、調子に乗んなよ! 殺すぞ!」
「……あたしを殺すということは、自分が殺される覚悟もある――そう受け取っていいんですね?」
笑っている。
でも、その目だけは笑っていなかった。
「ほざけ! 魔法も使えねえ無一紋のくせによ!」
教室のざわめきが、ぴたりと止まった。
誰かが目を逸らす。
誰かが俯く。
乾いた咳払いがひとつだけ響き、すぐに沈黙へ呑み込まれた。
――無一紋。
魔力を示す紋を持たず、魔法を使えない人間を指す蔑称だ。
魔導師としての価値がない。
役に立たない。
存在する意味すらない。
そういう侮蔑を、一つの言葉へ押し込んで投げつける。
僕は、この言葉が嫌いだ。
僕へ向けられている「闇属性」という声と、形こそ違っても、根の部分は同じ気がした。
『口悪っ! あの子、オーガ兄みたいだね。未熟すぎて、むしろかわいいけどっ!』
『オイッ! クソくのいちッ! クソジュリア! だぁれがあンなクソ雑魚と一緒なンだ? アァ? どう見ても、オレのほうが百倍カッコイイだろうがよッ!』
『その言い草、見事なまでに同類ではないか。わざわざ我のために、笑える余興を用意したのか?』
『クソ魔術七三分け野郎、遺書を書けよテメエ。もろともミンチにして燃やしてやッからよォッ!』
脳内で、いつもの犬猿の喧嘩が始まる。
あいかわらずのうるささだ。
しかし現実の教室は、静かだった。
誰一人として笑っていない。
笑えない。
笑えるはずがない。
息を呑む音さえ、やけに大きく聞こえる。
「無一紋……ね」
セシル先生は、小さく息を吐いた。
「否定はしません。確かに、あたしは無一紋ですから」
「ハッ! 今度は開き直りかよ! ざまあねえな!」
「――ところでガルダくん。さっき、あたしのチョコレートを食べましたよね?」
甘かったはずの香りが、一瞬にして別のものへ変わった気がした。
教室の何人かが、反射的に自分の口元を押さえる。
橙馬の笑顔も、ぴたりと止まった。
「……あれ、お前のかよっ! うげっ。そう思っただけで気持ち悪くなってきやがった……!」
ガルダは何度も唾を吐くような仕草をする。
「ペッ、ペッ! 気持ちわりぃ!」
「――毒を仕込んでおきました。……えへ」
にっこりと。
花が咲くような笑顔で、セシル先生は告げた。
笑顔と、その言葉が持つ温度の差が、背骨へ冷たく突き刺さる。
「ああっ!? ど、毒ぅ!?」
ガルダの顔から、血の気が引いた。
教室中に動揺が広がる。
「おい、嘘だろ……?」
「俺も食べたぞ……!」
「先生が、生徒に毒なんて……」
隣を見る。
橙馬が、自分の腹へ手を当てていた。
「……ホノジ。俺っち、死ぬのか?」
今までの軽さが消えた、ひどく静かな声だった。
(ミネルヴァ。橙馬は……!?)
『現時点で、明確な異常は確認できませんわ。ただし、遅効性の毒物や、一定条件で活性化する術式までは否定できません』
(そんな……)
僕は、まだ開けていない包みを強く握った。
椿くんは笑みを消し、セシル先生の耳元と胸元へ、順番に視線を走らせている。
冷夏さんの指先には、ちいさな電気がパチッと走った。
ヴィオレッタさんだけは扇子を開いたまま、その向こうからセシル先生をじっと見ている。
驚いていないように見えたのは――気のせいだろうか。
「どうしますか、ガルダくん?」
セシル先生の目元だけが、鋭くなる。
「あたしを殺しますか?」
「お前……マジで、イカレてんのかよ……!」
「さっきまでの勢いは、どうしたんですか?」
一歩。
セシル先生が、教壇から降りる。
「もしかして、ビビってるの?」
もう一歩。
「威勢がいいだけの、口だけ野郎なのかな?」
ガルダの椅子が、乱暴に床を擦った。
「……お前ッ!」
怒りと恐怖で顔を歪め、勢いよく立ち上がる。
その瞬間、教室の奥にいた黒髪の男子生徒が、わずかに目を細めた。
窓際の端で頬杖をついている少女は、相変わらず退屈そうにしている。
橙馬は立ち上がりかけた姿勢のまま、セシル先生とガルダを交互に見ていた。
「上等だよ……! 今すぐ殺してやる!」
ガルダが右手を突き出す。
「――《尖岩弾》ッ!」
魔力が集まり、その手のひらにゴツゴツとした岩塊が形成されていく。
石同士が擦れ合う、低く耳障りな音。
肌を刺すような魔力の圧。
岩塊の先端が、槍のように鋭く尖っていく。
あらわれたのは――明確な殺意を持った、凶悪な岩の礫。
「……死ねえええっ!」
魔力が膨れ上がり、放たれようとした――その直前。
「いいですね。なら、ひとつだけ覚えておいてください」
セシル先生は、耳元の白いハートへ指を添えた。
「《魔力攪乱》」
白いハート型のピアスが、ちかりと脈打った。
中心へ埋め込まれた乳白色の魔煌玉が、心臓のように一度だけ、強い光を放つ。
次の瞬間。
青白い閃光が、ガルダの手元に集まった魔力を正確に射抜いた。
形成されかけていた岩塊が、輪郭を失う。
「なっ――!?」
岩が砂へ変わり、さらさらと乾いた音を立てて床へ崩れ落ちた。
「俺様の魔法がっ!?」
「《魔力浮遊》」
再び、白いハートが光る。
乳白色の輝きが、細い波となって空間を走った。
ふっと、身体が軽くなるような錯覚。
その直後、ガルダの両足が床から離れた。
「うおっ!? なんだこれ……身体が、浮いて……ッ!」
ガルダが宙へ吊り上げられる。
手足をばたつかせても、何もない空間に固定されたように、身体は少しも動かない。
「誰かを殺そうとするということは――」
セシル先生が、今度は胸元へ指を添えた。
いつのまにか、宙に浮いたガルダの目前に移動している。
「自分も誰かに殺される可能性がある、ということだから!」
白衣の襟の奥。
細い鎖の先で、ネックレスが静かに揺れていた。
そこへ埋め込まれた宝石が、内側から赤黒く脈打つ。
初めは、朝日の反射に見えた。
けれど、その光は次第に濃くなり、淡い紫色を押し退けるように、血を思わせる深い紅へ沈んでいく。
――ちりっ。
静電気のような音。
宝石から極細の紅い光が伸び、空中でほどける。
絡み合う。
輪郭を結ぶ。
最初に現れたのは、刀の柄だった。
セシル先生は迷うことなく、その握りへ手をかける。
――ずるり。
濡れた光を裂くような音と共に、ネックレスの宝石から、刀身が引き抜かれていく。
紅い粒子が刃の輪郭を縁取り、凝固する。
まるで、空中を漂う血が一瞬で冷え固まり、一振りの刃へ変わったようだった。
柄の根元に埋め込まれた赤黒い魔煌玉が、ひときわ強く灯る。
禍々しくも、美しい。
血のような赤みを帯びた刀身。
鉄に似た匂いが、遅れて鼻を刺した。
舌の裏が、苦くなる。
「啜って――紅姫」
――ヒュッ。
風が鳴った。
いや。
刃が先に空気を裂き、音が一拍遅れて追いついた。
「うわああぁっ!! やめろぉおおっ!」
セシル先生は躊躇なく、宙吊りになったガルダへ向けて、紅い刃を振り下ろした。




